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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
1年生1人1人の心
138/423

聞いてしまった

それから、3日が過ぎた。

トロンボーンの1年生2人は、未だに仲直りをしていない。

「ねぇ、あの2人、どうしたの?」

と、亜利沙が譜面台を立てながら百華に聞いた。

「あー、トロンボーンね」

「そうそう。どうしたの?」

と、百華が亜利沙の耳に手を当てた。

「なんでもね、あの2人───」

---------

「亜利沙ちゃん、あとで2人で合わせません?」

基礎練が終わった後、マリアが亜利沙に話しかけた。

ところが、亜利沙は返事をせずにどこかへ行ってしまった。

「え……」

「なにあれー」

樹奈は見ていたようだ。

「……」

「気にすることないよー!」

と、樹奈がマリアの肩を叩いた。


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