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北原中学校吹奏楽部  作者: 星野 美織
1年生1人1人の心
127/423

セーター

金曜日。

予選が終わり、11月になった。

帰る途中、ヒューっと冷たい風が通る。

「うぅっ、さむっ!」

と、セーラー服の袖を見た。

そろそろセーターが必要だ。

白のラインを目で追ってみた。

「あーもう、最近楽器冷えてあっためるの大変じゃん」

「あーそれね」

「うちらなんか屋上でセクションするんだよ?木管に教室取られるし」

金管楽器は外で練習することが多い。

木管楽器の日焼けが怖いので、教室は木管楽器優先である。

「あー、セーター、私持ってないや。小学校の時私服だったからさー」

「えー? 樹奈は小学校の時の使うよー」

「あ、私捨てちゃった。ヨレヨレだったからさ」

と、バスが来た。

「あ、今度の休み、一緒に買いに行く?」

「うん。いいよ」

「やったー! ありがと! 」

と、手をあげた。


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