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木管の様子
「凛奈ー! 練習行くよー」
「あ、はーい!」
その日の放課後。
金管アンサンブルメンバーは屋上で合奏することになった。
9人が屋上に向かう途中、教室から怒鳴り声が聞こえてきた。
「あー、また木管やってるよ」
「木管、ですか」
声の主は、木管セクションリーダーの伊織だった。
「なんか伊織&奈津とその他のみんなで分かれちゃってるらしい。まぁ、颯人は逃げてるんだけどね」
女子たちの揉め事はいろいろと面倒だ。
茉莉花はそれを心配そうな目で見ている。
「あのメンバーは壮絶だよ。みんな気が強いもん」
「あー分かる。とくに鈴音と夏帆ね」
「……大丈夫なんでしょうか」
「まぁ、みんなアンコンに出たいって気持ちが強すぎるんだよ。やる気がないわけじゃない」
と、杏が凛奈の肩を叩いた。
「行こう」
と、急いで屋上へ向かった。




