仲良し
入部して初めての1日練。
1年生だけ曲が配られた。曲名は、setting of 〜感謝〜
だった。setting ofは【旅立ち】という意味だ。
『別れと感謝の曲だろうな』
と、思いながら凛奈はファーストとセカンドの楽譜を受け取った。
「11時半から1年だけで合奏するので音楽室集合で。」
「「はい!」」
大きく部員達は返事した。やっぱり、54人もいたら、
返事も大きいことだろう。
パート練になり、凛奈はファーストのソロを練習した。ゆっくりな、長いソロだった。
気付いたら、凛奈の音に心を奪われている者がいた。
「凛奈って、小3からやってたんだっけ」
帆南が聞く。はい、と凛奈はこたえる。
「へーぇ。」
と帆南は、目を細めた。
気付いたら、もう11時25分だった。2人は急いで2の1をでていった。
音楽室に、30代くらいの男性が入ってきた。顧問だ。「えー、君達と関わるのがこれが初めて?なのかな?
適正テスト以来かな。顧問の小林です。よろしく。んじゃ、号令!」
「「よろしくお願いします!!」」
「んじゃー、setting ofを最初から通します」
「「はい!」」
「んー、終わったー!」
グッと背伸びする加奈子。昼食の時間だ。
「早く食べよー!」
凛奈、藍、加奈子が集まると、
「あのさ、私達も一緒に食べていい?」
マイと日向がやってきた。
「あ、私達もー!」
今度は東原姉妹、萌論もやって来た。
「いいよー! 食べよ食べよー!」
「あ、その卵焼き美味しそー! 1個ちょーだい!」
「えぇー、由紀もほしーい!」
「私これ食べられないから誰か食べてー!」
そのチームの賑やかさは、吹部の中で有名になった。