リーダー会議
日曜日の昼休み。
「12時30分からリーダー会議するんで、1の4に集まって下さ〜い!」
「「はい!」」
と、それを隣で1年生たちはぼんやりと聞きながらもぐもぐと昼食を食べていた。
「凛奈! あんたも急ぎなよ!」
と、誰かが声をかけた。
振り向くと、副部長の奈津が仁王立ちしていた。
「え!? 私も出るんですか!?」
「当たり前でしょ。1年生"リーダー"なんだから」
と、なぜかリーダーの部分を強調しながら呆れた顔で言った。
「え!? 急がないと!」
時計は、12時20分だった。
「5分前行動だぞー」
「急げ〜!」
と、まわりは凛奈を急かした。
「リーダー会議始めまーす」
「「はい!」」
今回の会議は、2年生全員と1年生リーダーの凛奈が出席している。
「今回の会議は、最初ということで2年生全員と1年生リーダーが、という形で役員全員が出席していますが、次からはパートリーダー会議とか、部長、副部長、1年生リーダーとかセクションリーダーとかで別れて会議してもらうことになると思います」
茉莉花が進行をする。
「「はい!」」
「それじゃ、今回話し合うのは係を決めるのと、今後の目標についてです。意見がある人は手を挙げて発表してください」
「「はい!」」
茉莉花は丁寧に説明した。
「えーっと、まず係決めから。希望とかありますか?」
「はい」
と、挙手したのはファゴットの鹿島 風香だった。
「えっと、一応決めるんだったらさ、1年生の希望をきいたほうがいいんじゃないかな。いまパート練中だからすぐにできるし」
「はーい。私も賛成」
部長、副部長は前でヒソヒソと話し、
「じゃ、誰か3人くらい1年生に希望を聞いてきてください」
「あ、私行くよ」
「私も〜」
「はいはーい」
と、和音、伊織、優香が手を挙げた。
「あ、それじゃ、よろしくお願いします」
「「はーい」」
3人は走って教室を出て行った。
3人は20分程で戻ってきた。
困惑した様子であり、茉莉花が「どうだった?」
と尋ねた。
3人は顔を見合わせ、
「えっとね……、結構かたよってて……」
と、茉莉花にメモを差し出した。
茉莉花はうなる。
「これ、時間かかるから今度にしたほうが……」
と、隣から覗いたユリカが顔をしかめて言った。
「うーん……、そうしたほうがいいかも。ごめんなさい、今度にまわします」
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「それじゃ、9月〜1月の目標は、全体の音をブレンドさせるでいいですか?」
「「はい!」」
「リーダー会議を終わります。合奏は2時からで、それまでパート練です」
「「ありがとうございました!」」




