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悪口契約で僕が神様になった件  作者: 千波幸剣(せんばこうけん)
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悪口契約で僕が神様になった件②


「それでお前が期待を掛けていた新人の方はどういう結果になった」


いかにも神様の頂点に鎮座する雰囲気のある声が聞こえてきた。


「あんたいつまでそのキャラクターで通すつもり、階級ランク1の1、真庭翔、もとい、ただの軟弱生物」


舞子の言葉に翔は沈黙した。


「勇人ならとは思ったけど予想以上の結果に驚いているところだけど」


舞子は少し悩んでいるように見える。


「俺様より下の階級はないはずなのにそこまで悩む必要もないだろう」


「あんたとは比較にならなかったわ。軟弱生物」


「うううっ。とういうことはいきなりランク15とかお前よりもランクが高くて驚いたのか」


「まあそう言われればそうだね。いきなりマスタークラスとか」


「新人でマスタークラス。いやありえない、ありえない。お前、ネックレスの文字見間違えたんじゃないの」


「しっかりと確認したし、自分のじいちゃんにも確認してもらったけど間違いじゃないらしい」


「歴史上の話だと思ってたけどなマスタークラスの存在なんて」


「歴史上の存在でしかないでしょ。この世界は無神論者や勘違い人間の溜まり場のようになってしまっているし」


舞子は自分の仕事の愚痴を言葉に集約しているようだ。


「だからじゃねぇの」


「でも、いきなりだよ。自分で原因を作っておいてあれなんだけど、勇人に神様が務まるのか不安になってきた」


「お前がそれを言っていいのか。だったらその前の原因を作ったのは俺なんだから俺にも責任が掛かってくるじゃん」


「あんたにも責任あるのは分かっているけど、軟弱生物には何にも出来ないのは分かっているから自分だけで悩んでいるんじゃないの」


「神としてのランクはこの際置いて、人としての俺はイケメンワイルドお洒落なモテ男なんだけどな。お前にはずっと振られ続けているから気になるじゃん、どんな男が好きなのか」


「あんたの場合は話し方から私のタイプじゃないけどね。神様にスカウトしたのもこんなチャラ男は神様のルールを破ってすぐにでも消え去ってもらえたらこの世の中も救われるんじゃないかなと思ったからだし」


「やっぱりそうか。しかし、残念だったな。まさか俺が本当に神様になりたかったとは知らずに。この力をうまく使えばモテ男がさらに最強モテ男になるとは思わなかったんだな」


「だからランク1なんだよ。しかもあんたが退治しているものって恋愛系の悪魔ばかりじゃん」


「そりゃそうだろ、人にはそれぞれに自分の道を行くものだ」


「ランク1の軟弱者が格好よくその言葉を言うな」


「これも我が道なんだよ、舞子」


「誰が下の名前で呼んでいいといった。しかも呼び捨て扱いとか。あんた私の能力であんたの人生終わらせてやろうか」


「ランク12の神様ともあろうお方が怖い怖い。今度その勇人ってやつに会いに行ってみるよ」


「あんた、それがどういうことか分かっているよね」


「マスタークラスの神様に会いに行き、嘘偽りを言葉にしたときにランクはどんどん落ちていく。ただしランク1以下になることはない」


「そうだったわ。あんたランク上がっていってもそれでいつも失敗していたんだったわ」


「恋愛系の悪魔でもランク15とか倒したこともあるが理不尽な仕様で今でもランク1」


「あんたのやっていることの方が神様っぽくないっていうことよ」


「ならその勇人ってやつは神様っぽいのかよ」


「どちらかというと、人間そのものかな。最初に神様が望んだ人間という存在そのものかもしれない」


「何言っているのか意味分かんねぇし」


「勇人に会ってみれば分かるし。まああんたの場合拍子抜けするんじゃないかな」


「やっぱり大したことないやつってことじゃん」


「そうじゃなくてあまりにも透明なんだよ。言葉にするのは難しいけどね」


「この時代にこの世界にそんなやついるわけないじゃん」


「そうだ、あんた勇人の指導してあげてくれないかな。そうしたら少しずつ私の言っていることにも納得できてくると思うから」


「あんまり気が乗らねぇなあ」


「でも、あんたのほうが指導されるかもね。よく考えると勇人は子供の頃から歴史や童話、民話の本ばかり読んでいたから神様の資質はあんたより高いと思う」


「おいおい歴史オタクかよ。ますます気持ち悪いじゃん。そいつに会うのはまた今度にするわ」


「あんたまたあの周辺を倒しに行くの。そろそろあの辺りも大物が蘇る地域に入ってたわよ」


「ああその話か。だからそうならないように行ってるはずなんだけどなあ。倒しても倒しても悪魔の数が減らないどころか、ここ最近どんどん増えくるのは勘弁してほしいところだ」


「逃げ足は早いから心配はしてないけど気をつけるのね」


「舞子は俺の心配をしてくれるということは少しでも俺に対してのラブ度が上がったということだな」


「その斜め読みの反応が嫌われる要素だということに気付いていないことにこっちが疲れてくるわ」


「あの周辺の大物が蘇らないためにも頑張ってきます」


「死なない程度に頑張ることね」


了解ラジャ


「私は勇人の様子見に行って来る」


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