春風グラディエーター1
久しぶりに故郷に帰ってみたら、この様だ…
馬鹿騒ぎをする友達を横に窓を見る。
窓にはいつもと変わらない空と少し散り始めた桜の花弁がひっついていた。
「だから彼女なんていらねんだよ」
「俺らは二次元に生きるんだ!」
いらん結論に達した友達たちのボルテージは最高潮に達しているようだ。
多分この話は季節が変わろうとも結論は同じなのだろう。
「なあ、博人ぉ!」
いきなり話を振られるのもなれている。
「永田ぁ、今俺に女の話をするなよぉ」
「いま話している女は絶対に浮気しない女だ」
つまり二次元だ
「二次元厨乙w」
「うるさいぞ朝比奈!」
しかし彼らは忘れている。ここが図書館であるということだ。
そろそろ怒られるころだと思い教室のドアを開け外に出る。
教室の外に出た瞬間にどなり声が聞こえた。
いつもどおりの生活だ、変わることなど何もない。
変わったのは内面だけだからだ。
外面はかわらない。言うならば肉まんとあんまんの違い。
「よし、今日はあんまんにしよう」
…中もあんまり変わっていないが
下校するため昇降口を出て、
学校自慢の桜並木のバス停をゆっくり歩く。
今日はバスを乗る気分ではないのでバス停は素通りする。
「おい、白川ぁ!」
声がでかいしウザいが素通りするとメンドクサイ
「おーうっ、じゃあな!」
「話を聞けよ!?お前歩いて帰るのか?」
「そうだついてくんなよ西澄」
しかし西澄亨はついてくる。
体格がいいから邪魔としか思えない。
「ひとりで帰りたかった」
「お前が自殺すると困るからな。するなら朝にしろな」
「なんでだよ」
「学校が休みになるから」
とんでもない理由だった。
実際自殺などはするつもりはさらさらなかった。
「あの女のために死ぬなんてありえねーよ」
「なんだ、一日休めると思ったのにな」
話している内にコンビニの前についた。
ここで西澄とはお別れだ。
「じゃーな白川。死ぬならテスト中な」
「お前が死んだら考えてやるよ」
別れた後家の前の坂を登る。
桜の散り始めた坂を。
そして出会う、彼女と。
出会ってしまったのだ。
幼馴染と。