殺し屋はターゲットに恋をする ~里奈と相良~
あたしが今居るこの場所は、都会のくせに人影もその気配もほとんどない、怪しいピンクや紫色のネオンや電光板が目立つ、いわゆるホテル街と呼ばれている所だ。
物陰に隠れながら数多く建ち並んでいるホテルの入り口を見張り、ある人物がここから出てくるを今か今かと待ちわびる。その途中で若いカップルや、親子ほどに歳が離れていそうな男女がホテルに入っていくのを見るたびに深い溜め息が出るのは、早く家に帰りたいという心情の表れなのだろう。
正直に言わせてもらうと、あたしはあまりこういう場所は好きじゃない。興味なんて全然沸かないし、行ってみたいなどと思った事だって一度もない。それにも関わらずあたしが今ここにいるのは、どうしても断ることのできない仕事のためだからだ。そうでなければ、こんな所なんか絶対に来やしない。とっととターゲットを殺して、この場から立ち去りたかった。
1人だからよかったものの、相方―――それも男がいたら最悪だった。気まずいってものじゃない。殺し屋とは言え、あたしだって女だ。相手のほうは気にしないかもしれないが、あたしなら絶対にそういった風に振る舞えない。悶々としたものを残しながら無言になってしまうに決まっている。
『……里奈、まだターゲットは現れんのか』
右耳のイヤホンから、聞き慣れた男の声が聞こえる。疲れているのか、それとも待ちくたびれたのか、いまいちやる気のない声色だった。
声の主は、同僚の殺し屋。『相良』って本人は名乗っているけど、本名は知らない。訊いても絶対に教えてくれないし、どうしても本名を知りたいわけじゃないから、あたしも相良と呼んではいるけど、それでもいつかはあいつの口から聞いてみたいとは思う。
相良は今、あたしの所属している会社の事務室で留守番をしている。こうやってターゲットを始末したかどうか聞いてくるのは、相良も早く帰りたいからだろう。あたしが事務室に戻って今日の成果を書かないと、当番の相良も帰れないわけだし。
相良の催促通り、あたしもさっさと片付けたいのだけど、いつまで経ってもターゲットが現れてくれないのだから仕方がない。文句はあたしじゃなくてターゲットに言ってくれって感じだ。
「全然そんな気配なし。あんた、そんなに帰りたいの?」
袖口についている小型のマイクに、出来るだけ声を小さくしてそう話しかける。ずっと待ちぼうけをくらっているからか、あたしの声もなんだか疲れ気味だった。
もう12時をとっくに回っている。肌に悪いったらありゃしない。可愛い可愛い妹の玲菜ちゃんと未来に頬ずりするための肌なんだから、できるだけ瑞々しく保っておきたいってのに。
『仕事も終わって暇なだけだ。一番の苦痛は退屈だと知ってるだろう』
「まぁね。あたしも同じよ。退屈だし、夜遅いし。だるいし疲れるし暇だしなんかえっちぃしため息出るしだるいし―――」
『わかったから黙れ。愚痴を言ってる暇があったら見張ることに専念しろ。見過ごしましたなんて洒落にもならんぞ』
「わぁかってるわよ。そんなミス、あたしがするわけないでしょ」
言葉の通り、相良と雑談しながらも、あたしの視線はホテルの入り口に向いていた。息を抜く所は抜いて、なおかつやるべきことだけはやる。これくらいは当たり前なんだけれど、どうやら相良はあたしがそれすらも出来ていないと思っているようだった。
心外だ。
まぁ、別にいいんだけど。
「しかしまぁ、よりによって何でこんな怪しい所なのかしらね」
仕方ないこととは言え、こんな所で待機しなければいけないというのはみょーに納得できない。
こんないやらしい場所で待つ理由はただ1つ。ターゲットが1人きりになる唯一の箇所だからだ。お偉いさんの政治家であるターゲットは普段はボディガードに囲まれており、起床した時から就寝する時まで1人きりになることはない。
お風呂からトイレまでという徹底された用心深さは、もはや気持ち悪いを通り越して感心するものがあった。それほどまでにガードを固めているということは、当然あたし達みたいな人間に始末されないようにするためだろうし、命を狙われるようなことをやっている自覚があってのことだろう。
狙撃しようにも、そういった知識があるのか絶対に撃たれない、狙われないような場所しか移動しないし、毒殺しようにも、逐次食事の中身を大がかりな機械で分析したり、近くのボディガードに毒味をさせてから自ら食するという用心深さがあるため、情けない話だが、今の今まで手が出なかったのが本当の所だ。
これほどやりにくい仕事も久しぶりだったし、どうしようかと頭を抱えていたというのも記憶に新しい。完璧過ぎるほどのガードの固さは、今までにないほどの強固さを誇っていた。
しかし、そんな用心深い人間も弱みがある。
単純な話、『秘密』だ。
どんな人間も、絶対に他人には知られたくない秘密がある。今回のターゲットも、その例外ではない。自身の身を警護するためのボディガードを離してまでこんな所へ来るのだから、他人にばれればよほど不味いことだろうと想像することは簡単だろう。
あたしがこんな所にいる時点で予想はついてるとは思うけど、その秘密とはずばり『援助交際』をしているということだ。それも今回だけじゃなく、定期的に女学生をこのホテルへと連れ込んでいるらしい。
仮にも政治家である人間が、援助交際の常習犯だと周りに知れれば、今座っている政界の重役というポストはなかったものになることは明らかだ。それを避けるために、ターゲットはご丁寧に変装をしてまでこんな所へ足を運んでいるというわけだ。
殺し屋から命を狙われているのがわかっていながら、わざわざこんな危険を冒してまで援助交際を続ける
理由が、あたしにはわからなかった。そこまで魅力があるのか、それとも単に癖になっているだけなのか。いずれにせよそんなのわからないし、わかりたくもない。
はっきりわかっている事はただ1つ。今回のターゲットは、どうしようもない程の悪党だということ。それだけだ。
「……ねぇ相良。あんたも援助交際とかしたことあんの?」
ふと気になって、相良にそう尋ねる。
気になってというか、単なる話題振りか。相良がそんなことをするとも思えないし。
『ない。強いて言えば、風俗に行ったことがあるくらいか。ハニートラップ対策で、師に連れて行かれたのも、今じゃいい思い出だ』
ハニートラップ対策で風俗。
そのこと自体、この業界では珍しくはない。『そういう経験』がない男が、女性の諜報員の色仕掛けに引っかかって重要な情報や物品を奪われることのないよう、しっかりと体験しておく。新人の男性の殺し屋が、先輩に真面目な顔してそういうお店に連れて行かれるのを目にしているから、単なる娯楽目的で行っているわけではないことはわかる。(仕事以外での風俗はどうだか知らないけど)
だから、相良がそう告白してきた時も、やっぱりかと思ったりしたのだけど、何だか胸の奥がもやもやしてならない。どうしてだか、むっとしてしまう。
「……あっそ。さぞかしいい思い出なことでしょうね」
だから、そう素っ気なく言葉を返してしまった。
冷たく、やや刺々しく、言葉を投げ捨てるように。
『? 何を怒っている。貴様が話を振ってきたのだろう』
「別に怒ってないってば」
ただむっとしてるだけ。怒っているわけではない。
どうしてそんな気持ちになってしまうのかは、私にもわからない。先ほどまで何ともなかったのに、ただ他愛のない1つの質問をしただけでコロッと気持ちが変わってしまうことなんて、今までになかったことだから。
「……そういえばさ、あんたってABKに入ってから殺しの仕事、あんまりやってないわよね」
その話を続けてくなくて、ふと思った事をそのまま声に出す。
ABKというのは、あたしや相良の所属している会社名だ。表向きは世界有数の玩具の販売開発会社だけど、裏では今のあたしがやっているような『殺し』を引き受けている。
紛れもない犯罪組織。フィクションの世界であれば、主人公の敵側にあたる組織。
それでも、あたしは後悔したことは1度もない―――というのはさすがに言い過ぎだけど、少なくとも今はただの悪者だという自覚はない。初めて人を殺した時はそうは思わなかったけど、感覚が麻痺してしまった今では、むしろ正義の味方という誇りのほうが強くなっている。社会のゴミを掃除しているのだから、当然と言えば当然か。
それでも、人殺しという免罪符にはなりっこないのだけれど。
相良も、ABKに入る前まではかなり腕利きな殺し屋だったから、当然『そういう』仕事を割り当てられるものだと思ってたんだけど、実際は今やってるような事務作業ばかり与えられている状態だ。相良に指示を与えている責任者の意図あってのことなんだろうけど、あたしにはよくわからない。
わからないけど、少なくても相良が事務仕事を望んでいるとは思えない。かつては伝説とまで言われた相良が、ただのデスクワークをするためにABKに入社したとは、到底考えられなかった。
「あんたも不服でしょ? 抗議とかしなかったわけ?」
だからこの際だからと、あたしはマイク越しに相良に尋ねた。
ちょっと前に死闘を繰り広げた間柄である相良が、ABK社の業務で不満を抱いているとすれば何とかしてあげたいし、力になりたかった。
奇妙な絆。
言葉にすればそんな感じ。
『……不服でないと言えば、嘘になるな』
「でしょ? だったらさ―――」
『しかしだ、里奈』
あたしの声を遮って、相良は続ける。
『悪くはない。こうやって机の上の書類を片付ける毎日というのもな』
相良の声色が、柔らかくなった。
何となくだが、わかる。
相良は今、普段は絶対にしないような顔を―――笑顔で、そう呟いている。
「おじいちゃんみたいなこと言うじゃないの。すっごく意外」
『昔は殺してばかりだったからな。こういうことが新鮮に感じるんだ。俺が道を踏み外してさえなければ、今頃こういったことをこなして給料を貰っているまっとうな人間になっていたかもな』
へぇ、と。
心の中でそう呟いてしまった。
相良が実はそういった主義の人間だということもそうだが、何より自分のことをあたしに話してくれたことが、本当に意外だった。いつも寡黙で、話を振る時はいつも仕事がらみのことだけの相良が、あたし相手にそういう話をしてくれるのが、何だか妙に嬉しい。
人は誰にでも近づいて欲しくない部分。触って欲しくない部分。踏み込んで欲しくない部分がある。相良もそれは同じだ。その敷居が他の人より高いだけで、全く人情や人との関わりを否定したいわけではなかったのだ。
どうやら、今回みたいに自分のことを話してもらえるくらいには、あたしを信用してくれているらしい。相良みたいに気難しい人間が、声色を和らげて自分のことを少しだけ語っているのがいい証拠だ。
この調子で他の社員とぜひ打ち解けて欲しいものだけど、そう上手いこともいかないだろう。プライベートではいつもお断りを入れていて、みんなとも多少距離が空いているから、すぐに仲良くなれることは難しいと思う。
けど、徐々にでいい。
徐々にみんなと仲良くなっていって、そして今みたいに優しげな雰囲気を出せるようになってくれたら、それはとても素敵なことのように思えた。
「……相良、あんたもう帰ってていいわよ」
機嫌がいいからだろうか、相良の気を遣う言葉が自然と漏れた。
いつもなら、こんなことを言うのはまずあり得ないけれど、今回は特別。毎回こういうことをするのはさすがにごめんだけれど、今日くらいは別にいいかと思えた。
『はぁ? どうした急に』
「あんたのことを聞かせてくれたお礼ってとこかしらね。何か嬉しかったし」
『だからってそれは―――』
「気にしないでってば、ただの気まぐれなんだから。あ~、ただ戸締りだけはしていって。報告書と日誌はあたしがやっとくから、心配しなくても大丈夫よ」
『あのなぁ、だから俺の話を―――』
「ん、来たわ」
ホテルから出てくる、小太りの男。今回のターゲットだ。深く被った帽子と似合ってもいないサングラスは、どうやら変装のつもりらしい。周りの目を気にせず、堂々としている様子を見る限りでは、本当にそれだけで誤魔化せていると思っているようだった。
笑ってしまう。
そんな下手な変装よりも、マヌケという言葉のほうがよほどお似合いだ。
「切るわよ。後始末もあたしがやるんだから、本当に待ってなくてもいいからね」
それだけ言って、相良との連絡を断つ。
ここからはお遊びは一切なし。仕事の時間だ。
先ほどから浮かんでいた微笑みが消え、心に冷たいものが満ちて行くのを感じる。
最初に人を殺した時は抵抗感があったものの、今はほとんど感じない。
嫌だと思いながらも手を汚し、結果たどり着いたのは『何も考えないこと』だった。
銃の引き金を引く時も、毒を盛る時も、刀で斬る時も、何も考えてはいけない。少しでも余計なことを考えると、手先がぶれる。それが原則1発しか撃てないスナイプだったら洒落にならない。この仕事は、たった1度のミスが命取りになる。
今回の殺害方法も銃殺。弾丸が1発ということはないけど、それでも無駄撃ちはしたくない。今、あたしが所持している銃も、遠距離から狙撃することに向かない代物だから、十分に接近して撃つのが好ましい。そこまで銃は得意ではないしね。
簡単だ。
近づいて、撃つ。
それだけだ。
(行こうかしらね)
意を決し、歩き出す。
ターゲットを背後から追いかけ、音を立てないように近づく。
10メートル。8メートル。5メートル。
徐々に距離は詰まっていく
そろそろいいかと、ターゲットに向けて銃を向ける。
緊張はする。
最初に比べればマシだけど、どうしても体は強張ってしまう。
平常心。何も考えない。無心、無心。
「あの、ちょっとよろしいですか?」
一言、声をかける。
何用かと、ターゲットがこちらを振り返る。
瞬間に、引き金を引いた。
パシュっと、サイレンサー独特の音が鳴り、飛び出た弾丸がターゲットの額を貫く。
その目の焦点がぶれ、痙攣を起こす。
膝が折れ、そのまま地面に突っ伏し、ターゲットは動かなくなった。
死んだのだ。
いつもに増して、実に呆気ない死だった。
撃たれた方にしてみれば、何が何やらわからないうちに死んでいたということになるだろうか。
別に憐れみはない。むしろ、今までやってきたことの報いが、苦痛を感じない死だということに感謝して欲しいくらいだ。
「終~わりっと」
西部劇のガンマンがやるように、くるくると銃を弄ぶ。
あとは死体と現場の処理だけだ。これがまた時間がかかる。血の一滴たりとも現場には残してはいけないのだ。そこから殺人が発覚してしまえば、現場であるここと、ターゲットの身の回りは徹底的に洗われる。証拠は隠滅しているとはいえ、腹の中をまさぐられるようで、あたしとしてはあまり望ましいことではない。
面倒でも、きちんと後片付け。
これさえこなせば今日の仕事は終わりと自分に言い聞かせて、あたしは作業に取り掛かった。
+++++
「あ~、疲れた……」
両腕をぐっと伸ばして、ABK本社の廊下を歩く。
いつもの事ながら、こればかりは疲れてしょうがない。血の一滴、肉の一欠片、毛の一本たりとも残してはいけないという心構えで処理をしていれば、誰だってこうなる。肉体的にも、精神的にもだ。
いつも通り丁寧にやったせいか、ビルの窓から見える空が、ほのかに白みがかっていた。朝がやってきたのだ。張り込んでいたのが深夜だったのに、死体処理のせいで相当な時間を食ってしまったらしい。
結局徹夜か。
本当に肌に悪い。
ため息をつきながら、ほっぺに手を当てる。
……ほら言わんこっちゃない。なんかカサついてる。
「……うぅ、乙女の敵めぇ」
誰に言うでもなく、そう呟く。
玲菜ちゃんと未来に抱きついた時に、肌のことを言われたらどうしよう。
ショックで寝込んじゃうかもしれない。
「はぁ~……」
ため息が出てしまう。
これからまだ日誌と報告書を書かなければならないのだ。まだまだ睡眠への道は遠い。そして荒れていくあたしのお肌。
最悪だ。
冗談抜きで、本当に。
「せめて、さっさと終わらせよ……」
事務室のドアを前にしてそう呟き、あたしは鍵を開けようとポケットからこの会社のマスターキーを取り出す。これさえあれば、この会社内であればどこへも行ける、大変便利な代物だ。あたしの他には、社長であるお父さんと、その秘書であるシリスさんしか持っていないという、結構なレアアイテム。使う度に、何だかお得感を味わえてしまう、あたしのお気に入りの一品だ。
鍵穴に差しこもうと、マスターキーを持った手を伸ばす。
「鍵はかかっていないから、さっさと入って来い」
と、中から聞き慣れた声。
相良だ。
帰ってもいいと言ったのに、なぜ残っているんだこの男は。
はぁとため息をつき、ドアを開けて中へと入る。
中には、やはり相良。どうやら今まで何かの作業をしていたようで、相良の目の前のパソコンが点けっぱなしになっている。ブラックカラーをバックに、数字と文字の入り乱れている画面は、見ているだけで気分が悪くなってくる。よくもまぁそんなことができるもんだと感心してしまう。
「で、どうしてあんたが居んのよ。帰ってていいって言わなかったっけ?」
近くにあった適当な椅子に座って、そう話しかける。
「俺の仕事だからな、そりゃ残るさ」
「いやいや、あたしがやったげるって言ったじゃん。別に残ってなくてよかったのにさ」
「お前に任せて、後々に責任がくるのも嫌だからな」
…………。
ふ~ん。
そうなんだ~。
相良はあたしのことをそう思ってたわけなんだ~。
へぇ~、なるほどね~。
と。
相良の言葉を鵜呑みにするほど、あたしは鈍感ではない。
さすがに気がつく。
相良は、あたしを待っていてくれたのだ。
あたしの目を見ないで、わざわざ逸らしているのだから、それが正しい憶測だということはほぼ確実だ。
なぁんだ。
待っててくれたのか。
……何だかこそばゆい。
嬉しい、と素直に思える。
表情が緩んでいくのを感じる。
今、あたしは笑顔だ。
「……あたし、報告書書かないといけないんだけど」
「とっとと仕上げろ。ここまで来たら、もう同じだ」
うわ~。
何これ、可愛い。
ちょっと前に流行ったツンデレってやつ?
すごい、初めて見た。
微笑ましくて、ついにやにやしてしまう。
あの相良に、こんな一面があったなんて思わなかった。
何だかすっごくお得な気分。
不思議!
「……何をにやにやしてるんだ。早くしろ。俺は帰りたいんだ」
「はいはい。じゃ、とっとと片づけちゃいますかね」
表情を隠せないまま、あたしは書類を取りにシリスさんの机へと向かう。
これが終わったら、相良を並んで帰ろう。
途中で道は別れるけど、大したことじゃない。
また会えるし、多分だけどもっと仲良くなれるはずだから。
時間はかかるかもしれない。
明日明後日とはいかないかもしれない。
それでもいい。
ゆっくりとでも、距離を縮められれば。
そんなことを思いながら、あたしは机に収められた形式も何もない、真っ白なコピー用紙1枚を、シリスさんの机から取り出した。
終わりと言ったのに、書いちゃった♪ てへっ♪
…………。
ば、番外編みたいな感じだし、いいよね?
ご、ごほん。
というわけで、里奈と相良のお話を書いてみました。
前々から、里奈さんのと相良のからみを書いてみたいという欲求と、図書館の息抜きから生まれた1話でございます。
色々と突っ込みどころがあるかもしれませぬが、生温かい目で見ていだだけると幸いです。
また機会があったら書くかもしれません。
……滅多にないとは思いますが。
私は気まぐれなのです。
さーせん。
というわけで、今回はこの辺で。