表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
西涼の鉄ちゃん  作者: 坂本 康弘
西涼問題児と反董卓連合
7/27

七戦目「問題児は実力を出す」

あっという間に戦が終わる…。

下手なだけ?

いいえ、策で終わらせるのです。

ちゃおっす。鉄です〜。


ということでやって来ました汜水関!


いやぁ、でっかいねえ。


【華】と【張】かぁ。


怖いなぁ。


「ん?(ぎょく)震えてるのか?」


「違うでぃ!あっしの震えは武者震いですぜぇ!」


「・・・なんだその喋り方」


ちなみに陣は張ってある。


・・・といっても前に西涼兵、後ろに劉備軍、その後に公孫瓉軍なだけなのだが。


まあ、手は打ってある。


今、関羽さんが挑発してる。


うわー武人ならきれるよなこれ。


「もし似たようなこと言われたらどうする?」


「ぶっ飛ばす」


うん、翠らしいなぁ。


まだ、出てこないのかぁ。


・・・まあ、”まだ”出てほしくないんだけどなぁ。


「・・・出てこないなぁ」


「まあ張遼が頑張ってるんじゃない?」


「そうかもしれねえけど、大丈夫なのか?」


「もち、絶対に華雄を引きずり出す策があるから」


「・・・最初からそれ教えろよ」


「ダメだよ」


「なんでだ?」


「この策やるのに翠と翡玉がいないとダメなんだ」


「わ、私ですか」


「あたし?蒲公英は・・・・って、あれ?そういえば蒲公英は?」


「すでに策を実行中」


「・・・つーか、蒲公英だけで大丈夫なのか?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・多分」


「今の間はなに!?しかも多分ってかなり不安だぞ!?」


「まあまあ、成公英を副将にしてるから」


「あー・・・って納得できねえよ!?」


「なんで?」


「だってあいつ、玉と似たような感じじゃん!」


「失礼な!俺は軍師だぞ!あの子は俺には忠実だから!」


「・・・・・・まあいいけどさ」


成公英。


彼女は実は【西涼娘連合】幹部の一人なのだ。


史実では韓遂の部下なんだけどね、俺の部下になってる。


あ、もちろん女の子だよ?


「出てこないなー」


「そだねー」


「出てきませんねー」


関羽さん怒鳴りすぎて疲れてるみたいだけど・・・。


・・・・まあ、あんだけ怒鳴ってればねえ。


これは策なのかな?・・・まあいいや。


「さて、翠、翡玉、行くぞ」


「え?」


「ど、どういうことですか?」


二人を引っ張って関羽さんのところまで。


「む?お主ら・・・なぜここに?」


「華雄を引きずり出そうと思って」


「出来るのか?」


「ええ、一発で」


ささと、俺は促す。


俺を中心に右に翠、左に翡玉を設置。


二人とも抱き締めることができるぐらいね。


「なに考えてるんだ?」


「まあまあ、大丈夫だ」


「・・・すごい嫌な予感がします」


さて!時は満ちた!


俺は思いっきり息を吸って




















「華雄の~~~~~~~~~!!!!





ひんにゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」








「うひゃあ!」


「きゃあ!」


もにゅもにゅ

















・・・・おお、神よ。


胸ってこんなに素晴らしいものだとは。


もにゅもにゅもにゅもみもみもみもみもにゅもにゅう


「な・・はう・・・なにすんだ・・ぁう・・・」


「ぎょ、玉様ぁ・・・・ぁ・・・・お戯れが過ぎます・・・!」


なんだかんだで抵抗しない彼女達が可愛くて仕方ない。


お、関羽さんなんて、何が起こったのか分からないような顔してるし。


さて・・・・


「翠、あとは関羽さんに任せよ」


「はぁはぁはぁ・・・え?」


「どういう・・・ことですか?」


顔が真っ赤な二人を引っ張るようにして後ろに下がる。


「ほらほら、翠も翡玉も、戦が始まるんだから」


「あ、ああ・・・・」


「は、はい・・・・」


突然、関が騒がしくなったと思うと、城壁が開いた。


「私の胸を侮辱した奴はどこに居る~~~!!!」


「ここにいるぞー!!・・・は!」


つい癖で言ってしまった!


蒲公英の癖が移ってしまった!


・・・僕は知りません。言ってもないし、聞いてもいませんし、何も知りません。


「貴様かぁ~!そこの弱そうな男~!」


・・・まあ、弱いことは間違ってないので無視。


というか、怒りで顔が真っ赤です。般若です。こええ。


とりあえず関羽さんが戦ってくれてますので、待ちましょう。


「翠!」


「あ、ああ!行くぞ!みんな!」


『おおおおおぉぉぉぉぉおおおぉぉぉおおおぉぉぉぉおぉぉぉ!!!』


まだ顔赤いなぁ。


「馬超隊!龐徳隊!展開!!」


ちなみに俺は翠についていく。


はどめが効かなくなるからな。


西涼軍が展開したことにより、後ろの歩兵中心の劉備軍が当たり、公孫瓉軍が西涼兵と同じように展開する。


よし、これで包囲網は敷けた。


張遼も虎牢関まで下がってくれてると思う。


順調じゅんちょ


「しねぇ!」


「うわっ!」


掠った!前髪数本散った!


・・・まあ、後は関羽さんが倒しますよ。


さてさて、頃合いだなぁ~。


蒲公英~そろそろ着いているころだから名乗っちゃえ!


汜水関の【華】の旗が突然、降ろされた。


代わりに掲げられたのは・・・・【馬】の字。


『なっ!』


敵味方問わず驚いた。










「西涼の錦馬超が従妹馬岱!!汜水関を制圧したり~♪」










汜水関から元気よく名乗りあげるのは蒲公英。


ふふ・・・策は成った!


そう!連合に参加する途中に工歩兵五千を蒲公英に預けて、洛陽に南にある「宛」というところを経由して、南から虎牢関と汜水関の間にある道から来させたのだ!


あとでいっぱいご褒美あげないとなぁ。


本来は翡玉に任せるべきなんだけど・・・まあ、さっきのを察して♪


役得♪役得♪


ちょうどよかったね。もし張遼と出会っていたらどうなっているか分からないもん。


そしてま、完全に逃げ道を失った華雄隊の士気はガタ落ち。


華雄自身もガタ落ち。


関羽さんが捕縛し、華雄隊は降伏。汜水関の戦いは終わった。


関の開城に馬超軍が、華雄捕縛が劉備軍、華雄隊降伏が公孫瓉軍という手柄を手に入れた。


それよりも俺はあの役得が一番だったけど♪











side曹操


「へぇ…やるわねぇ…」


私は面白い物を見せてもらった。


あの策、分からない人には分からないでしょうけど、分かる人から見れば、ほう、という言葉が出てしまう。


彼は見通していたのだ。


先鋒になることも、華雄が飛び出すことも。


「…認めたくありませんが西の出身の名士では最も優秀かと」


「あら、桂花貴女、彼と話したことがあるのかしら?」


「はい、前に名士の伝で気になったものですから、仕方なく招いたことがあります」


「どうかしら?」


「…周りの名士は儒教の観念に捕われすぎて羌族との混血の馬鉄の評価は最低ですが、天下や兵法を論ずらせれば私も興味を惹かれます」


「へぇ…男嫌いな貴女がここまで言わせるなんてね…」


「内政を任せれば簫何しょうか、謀略をさせれば張良、戦術をやらせれば韓信かと」


「我が子房(張良の字)と呼ばせた桂花よりも優秀…ねぇ…」


「…悔しいですが、あの実力も羌族の混血だったという周りの取り巻きからでしょう」


「なら、ますます欲しいわ」


「私も賛成です。…女だったら良かったのに」


それには私も賛成よ。…可愛ければね。


「馬超も欲しいわ…」


馬騰陣営丸ごと欲しいわ、ほんと、羨ましいわよ。西涼は。


彼女達がいれば私の騎兵も覇道の礎になるほど強力になるはずね・・・。


「桂花」


「はっ」


「虎牢関に到着次第、馬超陣営に向かうわ」


「御意!」


…さて、馬鉄。私が気に入るか試させていただくわ。


side out










『びくぅ!!』


「ハ、ハハ。玉、どうした?」


「な、なんのことだ翠?ひ、翡玉はどうしたの?」


「わ、私も知りませんよ?」


(((…今、何か嫌な予感がした)))




こええー…。


何だったんだ今の。


さてさて、次は虎牢関なんだよな。


華雄将軍は劉備軍の捕虜になったそうだ。


まあ、俺からして見ればどうでもいいんだけど。


そして俺は…


「〜♪」


蒲公英を前に乗馬してます〜。


ご褒美聞いたら、こうなった。


うん、まあ、こっちも役得だ。


…翠と翡玉の視線が痛かった。


まあ、嫉妬と思えば可愛いもんよ。


とりあえず今は…


「可愛いなー!蒲公英はー!」


「いゃん♪お兄様ったら♪」


むふふー。


蒲公英成分補給中。


うーん30%しか溜まってないから、まだ少し。


結局、陣営を張って天幕をはるまで蒲公英をお姫様抱っこで運んだ。






だけどさ・・・


「腰痛い・・・」


「無理するからですよ」


うつ伏せになってまーす。


うん、体力のない俺がいくら軽くても人一人をお姫様抱っこを続けていれば痛めるさ!


翡玉に腰をマッサージしてもらってまーす。


・・・おぉ!翡玉の柔らかいお尻が俺の脚に・・・


「いだだだだだだだだだだだだだ!!」


「・・・(よこしま)なことを考えるからです」


とか言いながらも


「いだだだだだだだ!ちょ!やめ!痛いって!まじ痛い!勘弁!」


「・・・・・」


無言!?


せやったら・・・・


「えい!」


「きゃっ!?」


不意に思いっきり体を捻って、翡玉を押し倒す形にする。


え?腰はどうしたって?ふふふ・・・変態に不可能はないさのさ。


「・・・ぎょ、玉様、何を・・・」


「何って、何だと思う?」


だんだん瞳が潤んできて・・・・おお!なんという扇情的な感じに!


「や、優しくしてください・・・・」


「馬鉄様!もうしあげ・・・・」














時間が止まった。















「・・・・失礼しました。ではごゆ・・・」


「ままままままま待ってください!!!ご、誤解です!」


「ご、誤解ですか?」


「ええ!そうなんです!そうなんですよ!」


必死に弁解する翡玉。・・・あぁ、慌てる翡玉も可愛いなぁ。


「では、なぜあんなことに・・・」


「そ、それはですね!えーと・・・」


「・・・ごゆっくり・・・」


「待ってくださーい!!」


・・・あの兵士絶対笑い堪えてる。


口端がピクピクしてるもん。


「まあちょっと戯れてただけさ。何のよう?」


「あ、はい。曹操という者が来たので馬超様から呼ぶように言われまして」


「あ、そうか。んじゃ行こう」


顔を真っ赤にしている翡玉を引っ張るように連れて行く。


兵士の「・・・馬超様には報告しておきます」という声が聞こえた気もするけど、聞かなかったことにする。


・・・それにしても曹操かぁ。会いたくないなぁ。


俺の予感はやっぱり当たってしまうのであった。










「わ「お断りします」・・・まだ何にも言っていないんだけど」


この金髪幼z「何かしら?」・・・ゲフンゲフン。


孟徳殿は少々お戯れが過ぎる。


早速と言わんばかりに翠と翡玉に手を出そうとしやがった!


「俺の嫁に手を出すのは許さん!」


「あ、ならこうしましょう。”馬超軍全員”私に仕えない?」


「いやぁー、あたしはあくまでも母上の名代だし…」


「翠…」


そこは、はっきり断りなさいよ。


「まあ、いいわ…で馬鉄」


「あい?」


「本当に私に仕える気はないのね?」


…その話になると翠や翡玉がなんか不安そうな顔をするからやめて欲しいんだよなぁ…。


「孟徳殿、それがしは馬騰様に、その娘の馬超殿に仕えている。そのような勧誘は些か失礼ではありませぬか?」


「貴様…華琳様の誘いを二度も断ったな!」


「え、ちょ」


「春蘭っ!」


孟徳殿の金切り声のような声が聞こえてきたと同時に振り下ろされる剣。


武人の中でも強力な将の彼女から出される一振りは、武に全く心得のない俺には見極められるはずなかった。


「玉ーっ!」「玉様ぁ!」「お兄様ー!」


元譲殿は将としては素晴らしいのだが、少々…ではなく、非常に孟徳殿に依存し過ぎる。孟徳殿も手綱を握るのに苦労しているだろうなぁ。


彼女の剣は俺の貧相な体を易々と切り裂いた。

蒲公英:

みんな大好き蒲公英だよー♪

お兄様が斬られちゃったよ!でも、なぜかいつも斬られちゃうんだよねえ。なんでだろ?それで元気だからお兄様ってすごいよねー。


そんな感じで今回は蒲公英が活躍したよ♪寂しかったんだよ?回り道してーって言われたんだもん。それにお姉様も翡玉ちゃんもずるいー!蒲公英もお兄様に触ってもらいたかったー!


次はお兄様がゴロゴロするらしいよー。次もよろしくね♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ