第18筋肉 激突!筋肉の意思とマッスル・ゴーレム
「…ぐおおおおおお!!」
マッスル・ゴーレムが、雄叫びを上げながら、割男に、襲いかかってきた。その体は、先ほどの、ロック・ゴーレムとは、比べ物にならないほど、筋肉質で、そして、しなやかだ。
「…くっ…!速い…!」
割男は、マッスル・ゴーレムの、素早い動きに、驚きを隠せない。そのスピードは、まるで、野生の獣のようだ。
「…はあああああ!!」
マッスル・ゴーレムが、その、巨大な拳を、振りかざし、割男に、殴りかかってきた。
「…!!」
割男は、間一髪のところで、それを躱す。しかし、その拳が、地面に叩きつけられると、
「…どおおおおおおん!!」
凄まじい衝撃波が、辺り一帯に、響き渡った。
「…くっ…!なんて、パワーだ…!」
割男は、その、圧倒的なパワーに、思わず、たじろいだ。
(…このままじゃ、埒が明かない…!)
割男は、そう判断すると、一旦、距離を取ることにした。
「…はあああああ!!」
割男は、そう叫びながら、後方へ、大きく跳躍した。
「…ふっ、逃がすか…!」
ドルバが、そう呟くと、マッスル・ゴーレムが、割男を、猛スピードで、追いかけてきた。
「…速い…!?」
割男は、マッスル・ゴーレムの、そのスピードに、再び、驚かされた。
「…ぐおおおおおお!!」
マッスル・ゴーレムは、割男に、追いつくと、その、巨大な腕を、振り回し、連続攻撃を、繰り出してきた。
「…くっ…!はあああああ!!」
割男は、その攻撃を、紙一重で、躱しながら、反撃の、機会を、伺う。
(…しかし、なんて、パワーと、スピードだ…!それに、この、しなやかな動き…!)
割男は、マッスル・ゴーレムの、その、動きを、観察しながら、
(…まるで、本物の、『筋肉』のようだ…!)
そう、感じていた。
「…はあああああ!!」
割男は、そう叫びながら、マッスル・ゴーレムの、攻撃の、隙を突き、
「…マッスル・カウンター!!」
渾身の、カウンターパンチを、叩き込んだ。
「…ぐっ…!?」
マッスル・ゴーレムは、その一撃に、怯み、動きを止めた。
「…よし…!今だ…!」
割男は、そう言うと、さらに、追撃を仕掛けようとした。
しかし、
「…くくく…、甘いな…!」
ドルバが、そう呟くと、
「…ぐおおおおおお!!」
マッスル・ゴーレムは、再び、動き出し、割男に、襲いかかってきた。
「…なっ…!?まだ、動けるのか…!?」
割男は、驚きを隠せない。
「…ふっ、この『マッスル・ゴーレム』は、ただの、ゴーレムではない…!『医療ギルド』の、技術の粋を、結集させて、作り上げた、『最高傑作』だ…!」
ドルバは、そう言うと、不敵な笑みを浮かべた。
「…そして、その動力源は…」
ドルバは、そこで、言葉を切り、
「…お前たちが、崇拝する、『筋肉の神』の、力だ…!」
「…なに…!?」
割男は、ドルバの言葉に、衝撃を受けた。
「…『筋肉の神』の、力を…!?」
「…ああ。…我々、『医療ギルド』は、長年の研究の末、『筋肉の神』の、力の、一部を、この『マッスル・ゴーレム』に、宿すことに、成功したのだ…!」
「…そんなことが…」
「…くくく…、驚いたか?しかし、これは、ほんの、序章に過ぎない…」
ドルバは、そう言うと、
「…『マッスル・ゴーレム』よ、さらなる、力を、見せてやれ…!」
そう、命令を下した。
「…ぐおおおおおお!!」
マッスル・ゴーレムは、雄叫びを上げると、その体を、さらに、肥大化させた。
「…なっ…!?まだ、巨大化するのか…!?」
割男は、その、異様な光景に、目を見張った。
「…ふっ、この『マッスル・ゴーレム』は、『筋肉の神』の、力を、取り込むことで、無限に、成長するのだ…!」
「…無限に、成長…!?」
「…くくく…、さあ、『筋肉』の男よ…!どこまで、耐えられるかな…!?」
ドルバは、そう言うと、
「…『マッスル・ゴーレム』、奴を、叩き潰せ…!」
そう、命令を下した。
「…ぐおおおおおお!!」
マッスル・ゴーレムは、先ほどよりも、さらに巨大化し、そして、さらに力強く、割男に、襲いかかってきた。
「…くっ…!こうなったら…!」
割男は、そう言うと、再び、全身の「筋肉」に、意識を集中させた。
(…『筋肉』の神よ…!俺に、力を…!)
割男は、心の底から、そう願った。
その時だった。
「…!!!!!」
割男の「筋肉」が、まるで、その願いに、応えるかのように、再び、黄金色の、光を放ち始めた。
「…な、なんだ…!?また、あの光か…!?」
ドルバは、その、眩い光に、思わず、目を見張った。
「…うおおおおおおお!!」
割男は、雄叫びを上げながら、マッスル・ゴーレムに、突進していく。
「…はあああああ!!」
そして、
「…マッスル・エナジー…」
「…フルバースト!!」
全身の「筋肉」から、黄金色の、エネルギー波を、放出した。
「…ぐおおおおおお!!」
マッスル・ゴーレムは、その、エネルギー波を、まともに受け、大きく、吹き飛ばされた。
「…な、なに…!?」
ドルバは、その、光景に、言葉を失った。
「…はあ、はあ、はあ…」
割男は、その場に、膝をつき、荒い息をついていた。
「…ま、まだだ…!まだ、倒れていない…!」
割男は、そう言うと、再び、立ち上がろうとした。
しかし、
「…ぐっ…!?」
その時、割男の体に、激しい痛みが、走った。
「…な、なんだ…!?この痛みは…!?」
割男は、そう言いながら、自分の体を、見つめた。
「…ま、まさか…!?」
割男の「筋肉」が、まるで、悲鳴を上げるかのように、痙攣し、そして、
「…!!!!!」
その「筋肉」の、一部が、裂け始めたのだ。
「…そ、そんな…!?俺の、『筋肉』が…!?」
割男は、その、光景に、愕然とした。
「…くくく…、どうやら、限界のようだな…」
ドルバは、そう言うと、不敵な笑みを浮かべた。
「…貴様の『筋肉』も、所詮は、その程度…」
「…くそっ…!まだだ…!俺は、まだ…!」
割男は、そう言いながら、再び、立ち上がろうとした。
しかし、その時、
「…そこまでだ」
どこからか、冷たい声が、響いてきた。
「…!?」
「…!?」
割男とドルバは、同時に、声のする方を、見た。
そこには、
「…あ、あなたは…!?」
割男が、その人物の、顔を見て、驚きの声を上げた。