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ワイバーン討伐(2)

お久しぶりです。

全く進まない話です。

《お茶の間の皆さん、こんにちは!吹き出し(仮)です。前回までの報告をします。

 ただいま、リオさん、主様、ラン司教、その他がワイバーンの討伐に行って1日目です。

 イノシシほどもあるネズミの魔獣をサックと倒して、初の穢れに接触!さらに聖騎士による浄化と中々ハードな一日でした。今回は野営について見ていくよ。以上報告でした。》

 

神殿関係者が野営準備を進めていく。

野営用の魔道具を使用し快適な空間が作られていく。魔道テントと魔道コンロ、仮設トイレ、仮設シャワーブースが設置される。その周囲を聖騎士は結界を張っていく。淡い光を放つ結界は魔獣を寄せ付けないそこそこ強いものだった。


リオは野営地の周辺に光のくず魔石と水のくず魔石を撒いていく。


「リオ、なにしてるんだ?」


結界の外にいるリオをみかけたリュランが声をかけた。


「…穢れの浄化を自然魔素で、できないか見ようかと。ついでにあの少量で結構なエネルギーがありそうだから、穢れから魔素に転換できないか試してみたくて」


「穢れから魔素にって、どうやって」


リュランはリオの手元を覗き込んだ


《僕も気になります!ワクワク°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°》


リオは無言でナイフを振り下ろした。吹き出し男は切られるふりをしつつ《グハッ‼(⑉°口°)・∵》と派手に演技しつつ倒れた。リュランはその様子をあきれたように見ていた。


「お前、…いや、いいや…」


《よくない!よくないよ!僕はなんか水を差すべきだと感じたから、せっかく割って入ったのに

‾͟͟͞(((ꎤ >口<)̂ꎤ⁾⁾⁾⁾》


「聖騎士が穢れを浄化するときに使った魔方陣は自然魔素が淀んだ時に使うものだった。魔素の淀みは魔石の結合構造とは異なる構造が引き起こしているんだ。そして、穢れの浄化の時、自然魔素の淀みとは比べ物にならないほどのいびつな結合構造になっているようだった。あれは生物に異常をもたらす構造なんだろう…簡単に言うと穢れも魔素でできていて、魔素の在り方をただせばエネルギーに変えることができるということだ」


《僕のことを流さないで( ゜Д゜)㌦ァ!! <(`^´)> 

そして難しい専門用語使わないでください!こういう時こそ魔法で分かりやすく説明してください!

専門用語を多発する人は実は頭がよくn…!……ごめんなさい殺さないで_| ̄|○スイマセン _| ̄|○))ユルシテクダサイ _|\○_ コノトオリデス。》


今のところ吹き出し(仮)の頭にはトリプルアイスクリームができている。一つはリオで他はリュランが見えないところで叩いていた。リュランは吹き出し(仮)の頭をはたきながらリオの話を考えている。


「それで、今しているのがその穢れから魔素変換の検証か?」


「そう、浄化の魔法陣をくず魔石で書いて、この陣でどのくらいの範囲を浄化、エネルギー変換できるか試そうかと」


「おや、それはぜひ私も参加させていただきたいですね」

リオの肩にポンと手をおき、ラン司教がリオの手元をのぞき込んでいた。


「ラン司教、いつからそこにいたのです?」


利き手を剣の柄においてリュランがラン司教に問いかける。一瞬その場がシンと音が消えた。ラン司教はまるでそれに気づいていないように、緩やかに微笑みながら返事をする。


「先ほどですよ。ところで、リオ殿は聖魔法を使われるのですか?」


「詮索はしないようにお願いします。」


リオが言葉少なに答えると、ラン司教は苦笑しつつリオの肩から手を離した。


《ぷっ(*ˊ艸ˋ)イヒヒ フラれてる!》


ラン司教は、微笑をたたえたまま、吹き出し(仮)の頭をさわさわと撫でた。吹き出し(仮)はふわふわとしたきらめきのエフェクトの中、不似合いな驚愕の顔をして固まった。

リオとリュランは明確な力関係を目撃した。


「それで、こちらの魔法陣は先ほどの浄化の魔方陣ですが、その内側の魔方陣はエネルギー集結ですよね。ここに穢れから再構築した魔石ができるのでしょうか?」


「…うまくいけば…」


「再構築した魔石の属性はなにになりますか?」


「光か水だと思うが、やってみないと正確にはわからない」


魔方陣を覗き込みながら二人でやり取りをしていると、リュランがリオの肩を叩き、話を中断させた。


「魔方陣が完成したなら野営地に戻ろう。そろそろ本格的に暗くなる。ここで話さなくても、天幕なり食事中でもいいだろう。あと亜種のドラゴン討伐についても今日中に話しておく必要がある。そちらといっしょに共有したほうがいい」


リュランの提案に従う形で野営地に戻ることになった。


野営地では聖騎士と関係者が適度にくつろいでいた。リオ達がそばを通るとみんな軽く頭を下げたり、目礼をした。途中で話を切り上げたが、夕食前に休憩を取ろうと割り振られた天幕へと向かった。


シャワースペースは川辺に立っておりいつでも利用可能とのことだった。野営では生活魔法のクリーンをかける程度で、シャワーが準備されている今の状況は、さすが神殿からのSランク依頼と感嘆した。


リオは、あたたかなシャワーを浴びてさっぱりしたところで、食事をしに中央の天幕へ向かった。

屋根部分だけの天幕の周りには、それぞれ焚火を囲み食事をしている者たちがいた。先に来ていたらしいリュランがリオを呼んだ。


「シャワーがあるって新鮮」


「ああ、そうだな。商いで旅をしていてもここまでの野営はそうそうない。多分食事も驚くぞ」


食事に関しては魔道具でおいしい出来立てを大量に持ち運べるので、食堂で食べるのとそう変わらない。それで驚くとはとリオが、不思議に思っていると


「みなさん、お揃いですね。では夕食にしましょう。」


ラン司教が声をかけると、目の前に真っ白なクロスが掛かった丸テーブルが現れ、さらに、フルコース料理が並んでいた。


「さすがに、一品一品順次出すことは野営地ではしません。しかし戦いの前はお腹いっぱいおいしいものが食べたいですよね」


周りを見ると焚火をかこっていたはずの人々、見える範囲の人間にフルコースが出されていた。

人々は驚きと喝采、感謝の声をあげて食事を始めた。リオはラン司教をぽかんと見つめ、リュランは若干引いた目と、呆れを含めてラン司教を見た。


《ウワー!サスガシキョウサマ!スゴーイ。カンゲキシマシタ》


棒読み&一切の感情をそぎ落とした眼でラン司教を見つめた吹き出し(仮)が力なくつぶやいた。


吹き出し(仮)君の犠牲は忘れない。


謎の男:「私の出番はいつだ?」

側近:「まだ先です。次はちょっとBL入るようなので、そこにあなたがいると闇鍋もいいとこです。」

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