表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

ワイバーン討伐(1)

ようやく吹き出し君出せる!

すぐいなくなるけど


一刻が過ぎ全ての準備が整いワイバーン討伐へ行くことになった。

討伐メンバーはリオを主力に、ワイバーンに追われて出てきた魔獣の討伐・浄化を聖騎士とリュランが対応することになった。そのほかの雑事を神殿関係者が行うことになっている。ラン司教もデータをとるため参加している。商人であるリュランであるがもともと商会専属の高難度素材を採取する冒険者だったらしく、冒険者ランクはA級であった。アールに”聖の小刀”の所作を習ってすぐ太刀として使用できるようになっている。


討伐日程は6日を予定している。ワイバーンがいると思われるところまで約一日掛かる。2日目はワイバーンの捜索と穢れの状態を確認し戦闘開始する。3・4日目はワイバーンの浄化作業、5日目は土地の浄化に掛け6日目に帰還予定となっている。


リオはテイムした魔獣に乗って移動していた。黒豹のような魔獣で闇魔法が使え、普段は小さな黒ねこのようにリオのそばにいる。たまに散歩と称して影から出たり入ったりしている。


リオの後ろには狼の魔獣にのったリュランと馬に乗った神殿関係者・ラン司教が続いている。そしてリオ達を挟むように魔獣にのった聖騎士が配置されていた。向かってくる魔獣は聖騎士によって倒され、穢れがないかを確認していく。


群れで向かってきた魔獣の群れを誘いこんでつぶした時だった。群れの中に動きの悪い魔獣がいた。その魔獣を殺した聖騎士も違和感を感じ、魔獣の体をひっくり返して見分していた。今回の件を聞いているメンバーも魔獣の見分に立ち会っている。魔獣のネズミの腹の部分はえぐれており、そこから円状に毛が抜け落ちていた。さらに歯形部分は変色が激しく血も止まっていない、自然治癒が全くできていないようだった。よく見ると魔獣から垂れた血の跡が点々と残っており、血がついている草も変色している様子だった。


「この魔獣の死体はサンプルとして持って帰ります。今、血とけがをしている部分、けがをしていない部分両方を採取してもいいでしょうか?」


ラン司教の話に全員うなずく。


《その前に、ギルド長似のレッドベアーを排除しないと魔獣のお食事処になりますよ~》


木の上から逆さにブランブランと揺れている暗殺者っぽい男が吹き出しで忠告してきた。

聖騎士が一斉に吹き出し男に剣を向けたとき、リオの魔獣が駆け出した。その先にはレッドベアーが猛突進して木々をなぎ倒しながらこちらに来ていた。リオの魔獣は闇魔法の影を操りレッドベアーに巻きつけた。影はレッドベアーに刺青のように同化していき、全ての影が同化した時、一瞬で巻き付いていた部分が消えた。レッドベアーの体はばらばらの肉塊になっていた。


「これで食事処は閉店だな。それからその男は商会のもので偵察に出していました。申し訳ないが剣をおろしてもらっていいでしょうか?」


リュランは吹き出し男の説明をすると聖騎士の剣を下げさせた。


「それにしてもリオ殿の魔獣は強いですね」


ラン司教がしげしげとリオの魔獣をみている。リオの魔獣はラン司教からはかなり距離をとって様子を見ている。


「ああ、ホウは闇の神の加護を受けた。もともとは真っ白で魔法もここまで強くはなかったし新種ではないのであまり観察しないでもらえると助かる」


リオはホウを撫でつつ答えた。するとリュランが狼型魔獣を撫でつつラン司教に声をかける。


「神殿の魔獣も加護を受けているものが多いと聞いていますが討伐には連れてこないので?」


「正直、観賞用に近いですね。寄付していただいている以上仕方ないことですが、能力が高いものを神殿に送るのではなく、見目のよい魔獣を送られる方が多いです。献上された魔獣とともにお披露目をするので、観衆受けの良いほうがいいですから」


《神殿も大変ですね(笑)》


話している途中に吹き出しを出してきた男にラン司教はニコリと笑いかけ、つづけて言った。


「本当に。ところで面倒だからと口で話さず魔法で話している君の名前は何でしょう?何度か神殿で見た気がします。確か天井と世話係が抜け道として使用する通路と4階の小窓から出入りしているのを見たように思います。大丈夫、神官といえどもたまに息抜きにこっそり抜け出すこともある場所です。神官でもない君がこっそり出ていくことを止める気はありませんよ」


《汗汗 怖い怖い怖い あの、すみませんでしたー》


吹き出し男は、見た目、慌てたように森の中に入っていき、そのまま気配が消えていく。


「さて、おそらくこれが穢れですね。浄化の検証をしますので少々お待ちください」


ラン司教は記録用魔道具を起動させ、準備を進めていく。まず、穢れが付着した草や地面に聖水をかけていく、しばらく様子を見て変化がなかったようで浄化のランクを上げていく。ある程度の検証が済んだところで聖騎士に範囲浄化を行うよう声をかけた。

聖騎士は聖水そのものを操り、魔方陣を空中に作成した。別の聖騎士が魔方陣を前に聖水で清めた剣を構え、さらにもう一人が祝詞を捧げ始めた。


空中に浮いている魔方陣が優しくひかりはじめ、徐々に溢れる光が魔方陣の下に集まっていく。最後に光のしずくとなり地面に落ちた。その場を中心に浄化の波が広がっていき、広範囲の浄化ができたことが分かった。穢れは光の波によって青い火がかき消えるように浄化された。


「そろそろ日が暮れる。ラン司教、リオ、野営の準備をしましょう。」

リュランが日の影を確認して二人に促した。

仮面の男:ハハハハハ、次回私登場!私を待ちわびている者たちよ、待たせたな、ついに私が

側仕え:主様、まだです。


ワイバーン討伐続きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ