俺の現実のようなどうしようもない夢
俺は常に、死にたい、と思っていた。
大学内に友達はいない、あいつらは俺を望まなかった、拒絶された。でも1人の方が集中できたからそれでいいと思ってきた。僕がいなくても世界は変わらないと言う虚無感が常にあった。僕の周りには誰も来ない、生きていても何も楽しくない、うまくいかない、時々襲われる、急激な気持ちの激昂、周りと馴染めず、いろんなことがめんどくさくなり、趣味にも没頭できなくなって行く日々、好きな人ができても告れず、告れたとしても振られ、性欲だけが溜まって行く毎日、ストレスまみれの日々...
そんな、精神が軟弱で、ちょっとしたことで文句を言う俺の.....僕の、現実と関係あるような無いような夢の話。
目が覚めてたら、小学校にいた。3階の6年1組教室前、廊下の真ん中に立っていた。一瞬頭が「?」でいっぱいだった。窓の外を見たら夜、僕はもう大学4年のはずなのに、なぜか中学生になっていた。小学校にいるのに、中学生だったんだ。制服が懐かしいなと思いながら、廊下から見える体育館が騒がしいことに気づいた。とりあえず周りに人はいなかった為、きっとみんな体育館にいるんだなと(夢補正で)思い、体育館に向かった。
「あーーーーーーーーっ」
と声を出してみると、中学時代の声のままが出た。まだ声がわりしてない幼い声。懐かし、と思う反面、この頃は友達がいたなと、無駄なことを思い出し、心にダメージが入った。なんでか、本当に物理的ダメージを受けた気がした。
体育館に前にきた。ドアは開いていたが、黒いカーテンが閉まっており、中は見えなかった。一階にきた時から、クラブのような騒がしい音楽、声、そして、時おり聞こえる.....嬌声。もしかしたら性欲が解消されるかもと思い、好奇心混じりの不思議にふわふわした気持ちになって、そこから中に...入ってみることにした。
ドアを越えると、一気に体育館の舞台の前まで飛ばされた気分になり、気づいたら最前列に立っていた、ペンライトを持って、頭にもハチマキと一緒にペンライトがくくりつけられていた。ふいに夢ってすごいなと思った。
ざっと200人はいたと思う。顔は見えなかったが、みんな同じ制服で男だった。みんな同じぐらいの背丈だった。
そして冷静になって舞台の方を見てみると...大スクリーンに(夢補正で)恋愛ドラマが流れており、ちょうどキスシーンが始まったところだった。よくあるシュチュエーションの「夜の、そこそこ交通量の多い道路の歩道橋で」と言う感じだった。こんな内容で、こんなに楽しそうで、こんなに盛り上がっているのはなんなのだろうかと、わからなかった。みんな頭のネジが外れているのか...?
だんだん頭がついていかなくなってきた時、急に隣の人が話しかけてきて、
「やっぱり、こういうのはいいねぇ」
と興奮気味に、早口に言われた。僕は否定も肯定もできず、ただ「?」と答えるしかできず、今の状況を整理するので精一杯だった。
そして、そこで何度も何度もちゅっちゅしているのを見ていた。なぜかだんだんテンションが上がっていくのを感じながら。
そして、僕が気づかないうちにリュックを背負っていおり、(夢補正で、その中にペンライトが入っていることがわかり)そこからペンライト2本を出した。
そんなことをしている間に、ドラマは、マンションの一室に移動していた。気づいたら、さっきのちゅっちゅしてた2人が大スクリーンから出てきていて、体育館の舞台に立っていた。スクリーンにはマンションの一室のリビングと思われるところが映っていた。そして、何か、急に言い争いをし始めた。その争いの声を聞いて、僕は頭が痛くなってきた。
さっきまでの、楽しい、気分の高揚が嘘のように消え、僕は、人をかきわけ、体育館から逃げ出していた。
そして、無意識でとにかく歩いていたら、小学校の屋上にたどり着いた。そしたら、先客がいた、彼はこう言った。
「もう逃げ出してきたのかい?」
彼の顔は深くフードをかぶっていたのと、辺りに光源がなかったので全く見えなかったが、なんか...知っている人のような気がしてならなかった。
でも僕は、その一言で目の前の人間が怖くなった。まるで僕を操っているかのような、全部知っているような、恐怖感に襲われた。...何も答えられなかった。
そんな感じで立ち尽くしていると、
「どうぞ。お好きなように。でも、どうしても、君はまだ目覚められない。」
...それはどう言うことだろう?僕は勇気を振り絞って、
「.........どういうこと?....教えてください...」
と言った。きっと相当声が震えていたと思う。
それを聞くと、彼は答えてくれた。
「これはね、君が望んでいることなんだよ?君は、何も考えず、ただふと思ったことに従えばいい。俺は、君だから、わかるんだよ。目覚められないって言うのはね、そのままの意味。細かいことは俺にもわからない。でも、そう思う。」
教えてはくれた。でも<目覚められない>ってやっぱりわかんないな...
君は僕なの? なんか知ってる気がするのはそのせい?でもやっぱり怖い。でもここは彼が答えてくれたことを信じるしかないな。
「あ、ありがとう。じゃあ僕は思ったことに従うね。じゃあね。」
いつの間にかハチマキやペンライトは消えており、制服のみの服装になっていた。そのまま、僕は屋上から飛び降り、その後すぐに意識を失った........
次に目覚めたのは自分の部屋だった。立っていた。でも、僕が好きな漫画の主人公になっていた。その主人公は凡人の人格と天才の人格とあり、その2人が肉体的に分かれていたらしく、僕は天才の方だった。立っていた向きと反対の方を見ると、ちょうど電子ピアノを出したところで、ピアノを弾く前にきっとドアを閉めたかったのだろう。でも僕はドアは閉めずにとりあえず身を任せてピアノを弾いた。(夢補正で)とりあえずこの家にはこの漫画の主人公一家(兄弟僕含めて8人と父親)が住んでいる設定らしい。他の兄弟と父親はリビングにいるらしい。ま、この兄弟は自由だからリビングはカオスだろう。
てか今更なんだけど、夢の中で僕は意思を持って動いている。それはすごいことらしい。何で僕がこうなのかは知らんけど、なんかすごいなと僕も思う。
そんなこんなを考えているうちに、ピアノで一曲弾き終えてしまった。どうしようかなと考えていたら、
「バァン!!」
下から銃声が響いた。僕はびっくりしたけど、この主人公は天才の方なので性格が悪く、何とも思わなかった。
でも、その中の僕はものすごくびっくりしていた。この漫画はそういう漫画じゃないのに...
その時にわかるかわからないかぐらいにちょっとドアを開けてじっと廊下とその奥の階段を覗き始めた。
ここら辺から、天才のキャラよりも僕の中身の方が勝ち始めていた。
そうして少し経った時だった。
「ギシッ」
と階段の軋む音がした時に、一瞬、脳内に上から見たリビングと廊下の様子が映った。
...リビングのソファの上に2人、テレビの前に1人、廊下のトイレのドアにもたれかかって1人、狭い廊下いっぱいに大の字で寝転がっているのが1人、階段にもたれかかるように1人...
『さあ、ここで突然の問題。これはどういうことでしょう?』
...............はい。時間切れ。
これは兄弟が殺された後の惨状です。勘のいい人はすぐわかったと思うよ。
ここはちゃんとわからないけど(今考えると)、きっとあのやばい父親が急に銃を構えてソファに座ってた2人を撃つ。その後、逃げようとした他の兄弟が次々と撃たれていった....だと思うよ。(それ以外考えられない)
この時は天才のキャラが完全に崩れた。僕の中身が出てきて、
「え...........」
ということしか出てこなかった。そして僕の思考が一時停止した。
僕の脳内の処理が追いつかず、ぼーっとしていた。
「ギシッ」
「!!」
階段の軋む音で現実に戻ってきた(夢だけど)。慌てて覗きを再開すると凡才の方と父親が階段を上がってきていて僕から見える位置に来た。何やら喋っているようだけど、僕には何かわからなかった。父親は隠すことなく右手に銃を持っていた...
この2人が見えた時に、天才のキャラがやっと体に戻ってきた。
階段を上って、前にいた凡才の方が部屋の前にいき、彼の部屋の前にいた猫(この時はじめていることに気づいた)と戯れている間に、スタスタと父親が僕の部屋にきて、スッと自然に部屋に入り込んできた。
父親は凡才が猫と戯れているのを少し眺めた後、微妙に開けたドアから位置を確認し、壁越しに銃を構えた。
もう、ここら辺から、もう、ね。思考なんて回らないし、ただただ眺めていた。
そしたら急に、
「お前があいつ撃つ?」
と聞いてきた。
天才は、めっちゃワクワクして、
「俺いいの?やる!」
と聞こえないように小声で言った。
...その時、この夢が始まってから初めて、僕の意思ではなく行動した。
少し構え方を習い、さっき父がしていたように壁越しに構えてみた。父に確認してみると指で「マル」としてくれた。
(僕は心の中で言った。
「もう、僕の意思が関係なくなってきた。どうしよ...天才が勝手に動き出した......あっ!夢の中だからいっか!(完全なる思考放棄)」)
そしてあいつが立ち上がる時にタイミングを合わせ、綺麗に心臓を撃った。
「やった!」
初めてじゃないみたいに自然にできた。壁には綺麗にぽっかりと穴が空いた。なぜかあいつが倒れる時、血が流れなかった。いつの間にか猫は消えた。心臓には壁と同じようなぽっかりとした穴ができていた。でも、あいつは間違いなく死んだ。それだけはわかる。
僕は、彼は殺されるのがわかっていたのでは?と思ってしまった。僕は今、天才の体の中ではなく、夢の中で、魂がふわふわ、ふらふらとしている感じなのでどの目線でもみれる感じだ。撃たれた時、彼は「ありがとう」と、確かに言ったんだ。でも、僕には何がありがとうなのかわからない。
僕は、天才が銃の引き金を引いた時、僕目線と父目線でみてみた。父目線でみた僕は実に楽しそうで、狂気の笑みだなと感じた。それを眺めている父も、嬉しそうに笑みを浮かべていた....
俺は言った。
「これで安心だね」
そしたら
「そうだね」
といい、突然父が後ろから両脇の下に腕を入れ、俺が動けないように固定し、右手は肩をがっしり持ち、左手は瞬く間に俺の銃を奪いこめかみに突きつけられる。
その時に、恐怖か何でかわからないが僕は天才の体の中に一瞬で光のように戻された。
そして僕は思った、死にたいと思っていたはずなのに、夢だ夢だとわかっているはずなのに...ものすごく怖かった。足が、全身が異常なほどにガクガクブルブルと震えた。
「...やめて...死にたくない...........」
と言った。尋常じゃないほどの汗が出てきた。汗と一緒に漏らした。下半身がものすごく気持ち悪い...
でも、
「君たちは役に立たないから殺す」
と言われた。
何でかはわからないが、僕は妙にもそれで納得してしまった。そして銃を受けとって、自分でこめかみに銃を押し付ける。
「...僕を見つけてくれてありがとう」
僕は満面の笑みで、目の前の父親..いや、父に言った。その瞬間引き金をひき、自分で自分を撃った。妙にいい気分だった。なぜか父は、ありがとうと言ってからものすごくびっくりした顔で僕をみていた。
...ああ、なんていい気分なんだ....
そして目が覚めると、果てない草原と綺麗な青空があった。そこには僕と、彼....あの深くフードをかぶっていた彼がいた。僕は現実の世界の体で、いつも春、大学に行っている服装になっていた。
彼は、「やあ、さっきぶりだね」
と、無機質な声で言った。僕は彼の姿を見て、誰かわからなかった。
え?フードをかぶっていたんじゃないかって? 彼はフードをかぶっていなかったんだ。今は金髪の短髪、そして女の子のような顔で体は華奢、でも男のような、明らかに年は現実の僕と同い年だ。なんか謎なやつだ。
僕は声でわかった。まあ、一目みたらなんかビビッときたんだけどね。
「夢は楽しかった?」彼は聞く。
「いや、無茶苦茶で楽しいもクソもないわ...」
実際、俺はものすごく精神的に疲れた。
「まだ俺は起きれないのか?」俺は待ちきれずにいった。
「あら、一人称が俺に戻っちゃった,,」彼は続ける。
「君は僕のことを認めない限り出れないよ。そして、僕がきちんと誰かわかるまで。」
「??」俺はわからない。あいつなんか知らない。知っている人ってことか?んんんん?
そして、彼は。言った。唐突に。触れてほしくないところを。
「君、男が好きなのだろう?」
「!!」
「何で知ってるかって?君はもうわかるはず。俺は君だからね。」
さっきからそればっか、それが一番わからんっつーの。
「もったいぶらずに言えよ、お前、何したいだ?」
「わかったよ、1から10まで説明してあげるよ。」
彼は...りおは綺麗なショタボ、今までで一番綺麗にこちらを向き、可愛らしく説明してくれた。それは俺も信じがたい内容だった。
「.....君、もうじき目覚めちゃうけどよく聞くんだよ.......____」
....ということが今日みた俺の夢だ。え?一番聞きたいところ聞いてないって?仕方ないじゃん。そこで目が覚めてしまったんだから。俺は実に不思議だった。精神的には疲れたけど、ものすごく身体が軽い! りおが何だったのかは、僕の何だったのかは良くわからない。でもりおのお陰で自分でも分からなかったところがなにかわかったような気がする。今の自分が好きになれた。人生が幸せだと思えた☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
まあ、一番聞きたいところは皆さんの想像にお任せして、この話は終わろうと思う。
とにかくこれは一言で表すと、
『俺の現実のようなどうしようもない夢』