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いたずら魔法の鏡

◆鏡のオバケ


「大変。オバケがいる。」

「何騒いでるんだ、オバケなんかいないに決まってるだろ!」

「いるよ。すぐそこに。」

「どこにもいないけど!」

「鏡を見て。」

「うわあ、鏡の中にオバケが!」

「オバケは君だよ。」

「俺、いつの間にかオバケになったのか!」

「早速ライオンを驚かせに行こう。」


 いざ、動物園へ。


「よしライオン、俺が怖いか! 食えるもんなら食ってみろ!」

(ガブリッ)

「残念。生きてる人間は、オバケになんかなれないもんね。」


 いたずら魔法の鏡に騙された!



◆鏡の美少女


「一度でいいから美少女になりたい!」

「君はもう美少女だよ。鏡を見て。」

「うわあ、鏡の中に美少女が! つやのある髪にきれいな肌、きらめく瞳におしゃれな服……でもどうして俺が美少女に?」

「とりあえず外に行ってみよう。」

「もしかしたら今日、石油王に声をかけられてお姫様になれるかも!」


 しかし、誰も声をかけてくれない。


「どうしてみんな振り向かないの? おい、俺は美少女だぞ!」

「自分の手を見てみて。」

「えっ、俺って本当はこんなボサボサでボーボーなやつだったの、恥ずかしい!」

「そうだよ。空想と現実を区別できないお前なんかが美少女になれるわけないよ。」


 いたずら魔法の鏡に騙された!



◆鏡の人魚


「人魚がいるって本当かな?」

「本当だよ。鏡を見てごらん。」

「うわあ、足がヒレになってる!」

「嘘だよ。人魚なんていない。」

「でも、きれい!」

「水に入って泳いでみたら。」

「うわあ、気持ちいい。私って本当は人魚なのかも!」

「君がそう思えば、そうなるね。現実を忘れて空想の海に浸るのも、天国を感じる手っ取り早い方法だ。」


 こうして彼女は、いたずら魔法の見せる空想の中で、いつまでもいつまでも幸せに踊り続けたのだった。



おわり

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