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う〜ん
てか俺って喋れるんだろうか?
目あるっぽいし口もあるかな。
やってみるか
「大丈夫か?」
「……え なんか聞こえた?聞き間違えだよね??
そうだよね魔物が喋るわけないし。」
「いや、聞き間違いじゃないよ。」
「夢でもみてるのかもしれない。うん、そうだねきっとね」
「夢でもないけど」
「……」
「あの現実逃避しないでもらえます?」
少女は俺が喋っていることを受け止めたくないようだった。だってあんなにも自分の勘違いだといいかせているのだから。
だがそんなにも聞き間違いだと思われると何故だか悲しくなる。自分がもう人間ではないと再確認させれるからだろうか。
「………」
「やめてくれ、無視が一番心にくる。」
「本当に、あなたが喋ってるのね?」
「そうだよ」
「あなた、名前はあるの?」
名前、前世ではあった。
けど今はただの火だ。
マジで意味わからんけど。
それでも、ここで名前があるといった方がいいのだろうか?
親がくれた名前だが、俺はもう前の人生のようにはなりたくない。
もう吉田翔のようにはなりたくない。
あのクソ仏野郎がくれたせっかくのチャンスだ。
消えたら終わりだけど。
俺は少女の問いの答えを決めて音に出す。
「いや、俺に名前はないよ。よかったら君がつけて」
「う〜ん、じゃあイグニスは?」
「素敵な名前だね」
「でしょ 古代語で火って意味なの。あなたにぴったりでしょ?」
少女は頬を赤く染めて嬉しそうに笑った。
少女は俺に名前をつけてくれたが、俺は少女の名前を
だからだろうか、少女の名前を知りたくなった。
ただの火に名前をつけてくれた少女の名前を。
「君の名前はなんていうの?」
少女は私の問いかけが理解できていないような驚いたような顔をしている。
数分経つと俺の問いを理解したのか、目を輝かせながら、嬉しそうに笑った。
名前を聞いただけなのに、彼女はどうしてそんなに嬉しそうに笑うんだろうか?そう疑問に思った。
「私の名前はね
エヴァっていうんだよ、イグニス。」




