3.同室
セレナちゃんはタブレットを出して調べ始めた。今はタブレットで管理されてるのか…。ハイテクだなぁって関心してたら奏に時代遅れとぼそっと言われた。え?そんなにかなぁ…。
「綾愛ちゃんと奏ちゃんは同室申請をしてるね、うん、同じ部屋になってるよ!」
同室申請…?ってなんだろう。
「綾愛、私がしといたの。寮の部屋は同じが良いですって学校側に言う事ね同室申請っていうのは。知らない学校で私生活をするのに知らない人だったら嫌だもの。良いよね?」
奏が私に気を使って同じ部屋が良いって言っといてくれたって事だろうか。それは正直めちゃくちゃ有難い…。でも言ったら考慮してくれるんだ。
「基本的にこういうのも生徒会が決めてるから申請があったら考慮してるよ~、やっぱプライベートは大事にしてほしいからね。」
なんだか今さらっと生徒会が決めてるって言ってたけど本当に忙しそうだな…。本当にこの学校が回ってるのが凄い。
「寮は2人部屋になってるよ、各部屋に鍵がついてて生徒1人1人に鍵が配られます、と言っても開けるのはスマホなんだけどね。」
お金と似たような感じか、なるほど。
それなら鍵を失くして取り換える手間等が無さそうだ。至れり尽くせりだなぁ。ここまで便利だとなんだか逆に怖い気もするけれど…。
1階が食堂、2階が共同施設、3階が男子部屋、4階が女子部屋になってるらしい。私と奏の部屋は4階の端だった。
「ごめんね、高校からうちの学校に入る子はどうしても端の方になっちゃうんだ。部屋は広めなんだけど。」
そんなセレナちゃんの説明をききながら廊下を見渡す。かなり静かだ。エレベーターも完備されており、エスカレーターまである。所々に自販機も置いてあり生活には困らなそう。
セレナちゃんが鍵を開けると部屋の中はかなり明るく、大きな窓があった。思わず広!っとつぶやいてしまう。
「ふふ、でしょ?ベッドは二段ベッドで申し訳ないんだけど…。家具とか壁に穴を空けない限り好きに改良してくれて良いからね。ベッドとか机と椅子とか基本的な物は置いてあるけど、置いてある家具が邪魔になったら言ってくれたらどかすからね。」
男子が、と小さな声で付け足して笑うセレナちゃんがいたずらっ子みたいな顔をしていて可愛い…!!
そりゃそうだよね、セレナちゃんみたいな細い子があんな大きくて重い家具を流石に運べるわけない。なんだか生徒会の仕事だって言う事が多すぎてもしかしてセレナちゃんって完璧超人なのでは…!?と思っていた私としてはかなり安心してしまった。
「今日は私が鍵を開けたけど、2人のスマホが故障して部屋に入れなくなったとかじゃなければ私がこの鍵を使う事はないから安心してね、覗いたりしないからね!?」
そう言ってあと分からない事が出来たらスマホの連絡ツールで連絡してと連絡先を交換しセレナちゃんは居なくなった。このスマホを持ってれば学校内の事は粗方出来るって凄いな…!!
奏と一緒に部屋に入ると私達の荷物が既に運び込まれていた。共同のキッチンがあると言っていたけれど小さいが一応キッチンらしき物もある。
「綾愛~、この部屋に来るまでに周りを見てたんだけどこの階に生理用品の自販機があったよ、気を使ってくれてるんだろうね~」
奏がそう言いながら床に座った。なるほどこの階には女子しかいないから売ってるのかぁ。なんだかホテルみたい。そう思うのも始めだけですぐ慣れるのだろうけれど。というか…。
「奏床に座ってるけど、カーペットとかクッションとかは買う?」
「そうだね~、あったら確かに便利だね、くつろげるの大事!!」
それから私達はとりあえず買う物を相談していった。