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084_閑話_暗躍する魔族

説明回です。


今回は魔族側の事情です。

084_閑話_暗躍する魔族


ここは王都の某屋敷の一室。

ここに如何にも怪しげな4人の男達が密談していた。

1人は痩せ気味長身の神経質そうな男、

1人は長身で筋骨隆々の偉丈夫、

1人は小柄なローブのなんとも軽薄そうな男

最後の1人は中肉中背の知的な男


彼らは魔族、魔王軍四天王である。


痩せ気味の男、魔王軍_軍師が話を切り出す。


「わしから報告じゃ。先日、ジーニアス=ウォルトとミランダ=コーストにつけていた、『黒霧』ガウロンが消息断ち、しばらく経って遺体が発見されおった。」


その一言に一同は驚愕の表情を浮かべる。

ちなみにガウロンとは百香によって倒された魔族で影移動と毒霧を駆使し、難易度の高い暗殺を次々に行う事から『黒霧』と呼ばれ恐れられていた。


「奴は成り立てとはいえ上級魔族である。

たかだか貴族の学生に負けるとは思えないであるが。」


「その通りだね。原因は他にあるのではないかい。」


ガウロンの死について

偉丈夫の男、魔王軍_将軍とローブの男、魔王軍_魔術長が疑問を投げかける。


「死体は上がっているのだろう。あと場所はコル村付近と聞く。

またしてもアルフレットか。」


そこに中肉中背の男、魔王軍_宰相が口を開き、他のものも目で頷く。

ここでも列人の悪名は鳴り響いている。


「いや、今回の死体には焼けた跡はなかったわい。おそらく別のものじゃろう。」


そう言いながら軍師は苦い表情をする。

魔族がこんな表情をするのは珍しい。


「死体があるのだろう。魔術長の術で下手人の正体を知ることはできるか?」


「目が残っていれば可能だよ。できれば耳も欲しいね。」


「・・・・」


宰相の質問に魔術長が答える。

魔術長は生き物の身体の部位から過去の情報を読み取る魔法を持っている。

将軍は別のものに興味があるのか黙って様子を伺う。


「あるにはあるが、かなり凄惨な光景を見ると思うぞい。

大丈夫だとは思うが、心構えだけはしておくんじゃな。」


「どういう事かな?」


「死体の欠損状態がひどく、おそらく拷問を受けたであろう跡が多数あったわい。」


「ひゅ~、怖いね、あんまり感情移入しないようにしよう。」


軍師の説明に魔術長がお茶らけて返事をする。

魔術長が軍師からガウロンの目と耳を受け取り魔法を行使する。


「・・・・・はぁ、はぁ。」


「何かわかったであるか?」


魔法の使用により息が荒くなった魔術長に対して将軍が問いかける。


「ああ、とんでもないのにやられていたよ。」


「とんでもないものとは?」


「モニカ=ローゼスベルクだ。」


「「「!!!」」」


魔術長からもたらされた情報に一同驚愕する。


「ありえない。あの『生贄の聖女』は魔封じが行われていたはず。

私がそう仕向けたのだから間違いない。」


「たしか奴はアルフレットに保護されていたはずじゃな。

魔封じが解かれているのではないかの。」


「いや、そうなれば分かるはずだがその痕跡はない。

それに解かれたとしてもそれほどの力はないはずだ。」


そう、モニカの有罪、修道院行き及び魔封じは軍師が提案し、宰相の手によって行われたものである。

戦う力がないと思っていたモニカがこの惨状を引き起こしたとなると、魔族側としては心中穏やかではいられない。


「まあ待て、僕が見たものを君達にも見せる。」


魔術長は自分の前に銀の皿を用意し、それを水で満たす。

その水に魔力を注ぐことで、モニター替わりにして自分が見た映像と音声を再生する。


「「「・・・・」」」


「どうだい。とんでもないだろう?」


「・・・人を捨てた我らがいうことではないが、これはもはや人間ではないな。」


「植物使いっといったところかの。モニカ=ローゼスベルクは元々土系統の魔法使いじゃったはず。

これほど強力な魔法が果たして使用可能なのじゃろうか。」


「普通はありえないが実際に起こっているのである。現実を見て対策を考えるしかないのである。」


4人はあまりの予想外の出来事にため息をつく。


「他の案件はどうなっている。国王及び第一王子の件の進捗は?」


「国王については、ジギスムント公爵を焚きつける予定じゃ。

こちらの手勢も幾人か既に配置済みじゃて。」


「第一王子については『学園』内での実行は困難だが、第一王子のスケジュールは把握済み。

『学園』外での襲撃は手配済みだよ。」


「そちらは問題ないか。勇者の血縁の女子については。」


「こちらは芳しくないのう。

まず10年前『梟』が取り逃がしたメアリー=スチュワート公爵令嬢じゃ。」


「たしか今の名前はメリッサだったか。『鉄壁』の配偶者だったか。

20年前没落した公爵家の娘が当時活躍していたAランクハンターと結婚したと聞く。

『鉄壁』はアルフレットと懇意にしていたな。」


「ふん、白々しいのう、宰相。スチュワート家を没落させたのはお主じゃろうが。」


「まあ、『鉄壁』は所詮元Aランクハンター、我々の敵ではないのである。」


「油断しない方がいいよ。

メアリー=スチュワートに送った刺客を何回『鉄壁』に退けられて来たと思っているんだい。」


「そうだな、しかし一番警戒すべきはアルフレット。どこまでも忌々しい。」


「それだけではないのう。アルフレットの元にはモニカ=ローゼスベルクとアメリアもおる。

その上ジーニアス=ウォルトとミランダ=コーストも奴の保護下にあると言う事じゃろ。」


魔族4人はまたしてもため息をつく。


「まあいい。どのみちそちらはしばらく手が出せん。

今できる事から片付けていくしかあるまい。」


「魔王様復活を早める方法として勇者の末裔の嘆きというのがあるからね。

王族関係の者にはなるべく惨たらしく死んでもらわないとね。」


「ところでひとつ気になったんじゃが、『ひーろー』と『かいじん』とはなんじゃろな。」


「モニカ=ローゼスベルクがガウロンに尋問していた単語であるな。

もしかすると奴らを倒す手掛りになるかも知れないのであるな。」


「それについても調査するとしよう。アルフレット及びコル村についても引き続き調査が必要だ。

そちらに関しては軍師に任せても構わないか。」


「構わんが、わし一人では難しい相手じゃ。順次助けを求める事もあろうからその時は頼むぞい。

特に魔術長の魔法には世話になると思うからのう。」


「了解したよ。何かあったら早めに言ってよね。」


「では解散。各自任務に戻ってくれ。」


こうして魔族達は国の闇の中で暗躍を始める。

この会話を聞かれたらコル村の狂人共に地獄すら生ぬるい目にあわされるとも知らずに。

驚愕の事実、なんとメリッサさんも魔族の標的でした。

これはもう、バクラの暴走不可避ですね。

なんか彼も最初の頃から比べると見る影もなくキャラ崩壊している気がします。

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