表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

64/321

062_マスター最後の決断

今回の話は前話で発覚したバクラの霊力についての顛末です。

062_マスター最後の決断


先ほどのゲオルグの報告を受け、列人達は再びバクラの元へ訪れた。

フィオにもエレメンタルズ案件である事を伝え、同席して貰うことにした。


「どうしたアル。今日はもう用事は済んだんじゃないのか。」


「悪い、至急話し合わないといけない事ができた。

バクラ、すまないがそのままじっとしていてくれ。百香、確認頼む。」


バクラの質問に列人が対応した後、百香に霊力の確認を促す。

百香はバクラに近づき、霊力の流れを確認する。


「わかったわ、今確認する。・・・・・ゲオルグ先生の言う通りよ。」


「そうか、具体的にはどんな感じだ。」


「かなり強い霊力ね。うまく扱えるようになれば私達と同じくらい戦えるわ。」


「よっしゃ!!戦力拡充と訓練相手確保!!」


「ちょっと列人お兄さん、百香お姉さん、2人だけで話を進めないでよ。」


「そうです。ちゃんと説明してください。」


列人と百香が2人だけで話を進めている事に業を煮やす亜美とフィオが説明を要求する。


「あ、すまない。さっきゲオルグ先生と話したんだけど、

どうもゲオルグ先生って霊力が見えるらしいんだ。」


「・・・それで。」


列人のこの発言だけで、バクラは嫌な予感がし、思わず顔を顰めながら先を促した。


「結論をいうとバクラは霊力持ち、つまり俺たち側らしい。」


「「「え!!」」」


「それでさっき百香に確認して見たけど、うまく霊力を使いこなせれば俺達並みに戦えそうなんだ。」


「「「は!!!」」」


「おめでとう、バクラ。君は今日からエレメンタルズ戦闘要員の一人だ。

みんな拍手~~~」


「「「・・・・・」」」


「「パチパチパチパチ」」


唖然とする3人をよそに列人と百香が拍手をする。

最も列人は単純に戦力向上への喜びであるが、百香の場合は列人に振り回される人員が増える事で自分への負担が減る事に対してだ。


3人の中で一番最初に復帰したのはバクラである。

バクラは嫌な予感が的中した事に対して胃痛がするのを感じながら列人に質問する。


「つまり、俺がお前らデタラメ人間の一員になるってことか。」


「デタラメ人間とは心外だが、まあその通りだ。」


「俺が霊力の事に目を瞑ってこのままギルドマスターで居続けると言う選択肢は?」


「別にしてもいいけど、勿体無くないか。せっかくの才能なのに。

それにバクラはそんな腰抜けじゃないよなぁ~。俺は信じてるぞ。」


平和に生きていきたいだけのバクラを列人がこれでもかというほど煽る。

さすがのバクラもこれにはイラっとした。


「小童が調子に乗るなよ!霊力とか言ったか、すぐに使いこなしてやるよ。

どうやればいいんだ、さっさと教えやがれ!」


「おお!さすがバクラ。やっぱり漢だね。俺は信じてたよ。」


バクラは強面の大柄その上筋肉質の為、人から煽られる事なんてまずない。

故にプライベートに限って言えば意外と煽り耐性が低い。

これが公式の場なら責任感等でカバーできるのだが、相手は列人である。

そんなものは微塵もない。列人のおちゃらけた様子に更に青筋を立てる。


「ああ、扱い方については亜美ちゃんに聞いた方がいいと思う。

バクラは元々魔法が使えるから、魔法との違いを教えてもらえば扱いも早く覚えられるだろう。」


現在霊力が使える3人の内、唯一亜美だけが魔法も使える。

つまり、魔法と霊力の扱いの違いを教えるのは亜美が適任なのである。

それを聞いたバクラが亜美に詰め寄る。

大柄、筋肉質、強面のおっさんが小柄なスレンダーボデーの少女に詰め寄るのは絵面的によろしくない。

はっきりいってしまえば、ヤクザが少女に絡んでる様にしか見えない。

だが実際は少女の方が4トンのモンスターを運ぶゴリラである為、そこは問題にならない。


「すまないがアミ、霊力の扱いを教えてくれ。覚えたらアルの馬鹿をボコボコにする。」


「ええっと、霊力の扱いについては構いませんが、喧嘩をやめるというのは・・・」


「おお、言ってくれるね、バクラ。やれるとは思わないけどせいぜいがんばってね。」


「アミ、すまないが無しだ。あいつは一回しばき倒さないといけないみたいだ。」


「ははは、じゃあなるべく早く霊力の扱いを覚えましょう。」


イラつくバクラを更に列人が煽る。

一見仲が悪そうだがバクラに対して列人がからかうような態度を取るのは実は初めてである。

亜美はそれを見て、列人はバクラに甘えている事にすぐに思い至った。

バクラもなんとなくそれがわかっていて敢えて列人に調子を合わせていた。

列人は今まで甘えられる大人と言う者にほとんど巡りあった事がなかったため、自分と同等の立場になった大人のバクラにそういうものを無意識に求めたのかもしれない。

喧嘩しているにも関わらず楽しそうな2人に他の3人も表情を緩めるのであった。


バクラの霊力の話で一頻り騒いだ面々に、列人は自身の体調の件の報告もする事にした。


「バクラ、もう一つ報告がある。まあ、こっちは大したことじゃないがな。」


「何言ってんのよ。場合によってはこっちの方が深刻でしょう。」


「なんだ、俺のことより深刻かもしれないって、正直聞きたくないんだが。」


「俺の体調の件だ、運動不足のやつ。

どうやら俺って定期的に本気出さないと体調が悪くなるらしい。」


「・・・それは確かに深刻だな。それってつまり定期的にモンスターの乱獲をするって事だろう。」


「いえ、マスター、他に方法がありますよ。」


「フィオ、オチは読めているけど一応聞こうか。」


フィオの反応に嫌な予感がしつつ、列人が先を促す。


「はい、私とアルくんがエッチな運動をして解消すればいいんです。

アルくん、子供は男の子と女の子どっちがいいですか?」


「はい、倫理的にアウトな事を俺はしません。

だいたい俺の前いたところでは結婚は18歳過ぎてからだし、成人は20歳だ。」


「ここでは成人も結婚も15歳なので問題ありません。

それと今の話だとアルくんの気持ちの問題でその年齢までお預けと言うことになります。

つまり私が18歳になったらアルくんは結婚してくれるんですね。」


「ちっ、墓穴を掘ったか。こいつ、いらん所で知恵が回る。」


「まあ、俺としてはアルが結婚して明るい家庭を作って運動不足が解消するなら喜んで祝福するし、支援もするんだがな。」


「列人お兄さん、前にも言ったけど子供は早い方がいいよ。

人生の先輩としての忠告だよ。」


「亜美ちゃん、こんな時だけ先輩ヅラするのやめてくれる。

人生の先輩にお兄さん呼びされたくないんだけど。」


「列人、ちゃんと18歳になったら結婚するのよ。」


「百香、何決定事項みたいに言ってんの。俺の自由意思は?」


「何言ってんのよ。あなたにフィオちゃん以上にふさわしい人出来るわけないでしょう。」


「モモカさん、私、一生あなたについていきます。」


これ以上この件で話をすると、本気で婚約まで行き着きそうだったのでそうなる前に列人は話の方向を変える事にした。


「乱獲以外に方法はあるんだけどな。それにはバクラの協力が必要なわけだが。」


「・・・つまり俺が霊力を使いこなしてお前の訓練相手になると。」


「そういう事。正直百香や亜美ちゃんに本気出すのって忍びないし。」


「それはそうだな、お前の炎の特性を考えると特にな。」


バクラは自分の責任の重大さに少し気が重くなった。

自分の訓練の仕上がりがそのままギルドの存亡に関わる可能性があるからだ。

バクラはここである決断を口にする。


「なあ、お前ら。俺はギルドマスターを降りようと思う。」


「「「「え!」」」」


突然のバクラの告白に一同は声をあげる。


「忙しいマスター業務をしながらお前らのフォローは正直無理があったからな。

それに加えて霊力習得の訓練まで入ったらとてもじゃないがこなせそうにない。

これからは現役に復帰してエレメンタルズ一本でやっていこうと思う。」


その告白に対してフィオが質問を投げかける。


「マスター、ギルドの業務はどうするんですか。

それにマスターの力がないと貴族とか偉い人への対応が難しいです。」


「新しいマスターにはネスを考えている。あいつなら俺よりうまくやるだろう。

それに俺も名誉顧問みたいな形で名前だけはギルドに置こうと思う。

そうすればなにか権力が必要な時に役に立つだろう。

コル村のギルドの今までの功績を考えればそのくらい可能だ。」


バクラの説明に皆、唖然とする。とても思いつきで考えた内容ではない。

そのことについて列人が言及する。


「なあ、バクラ。俺ってもしかしてお前の負担になってないか。

その内容、どう考えても前々から考えていた事だよな。

お前が迷惑なら無理に付き合うことないぞ。」


少し表情を曇らせて列人が口にするとバクラは心底笑って返事をする。


「は、何言ってやがる。迷惑掛けられてるのはいつもの事だろう。

それにガキがいっちょ前に大人の心配をしてんじゃねえ。

ガキの面倒を見るのは大人の役目だ。お前らはもっと大人を頼れ。」


そう返したバクラに更にフィオが質問する。


「それって、ちゃんと奥さんには説明してるんですか。

生活に関わる事を勝手に決めたら怒られますよ。」


「ああ、大丈夫だ。メリッサにはちゃんと話している。

あいつは世界一いい女だからな。

エレメンタルズの事もこうなる可能性についてもあらかじめ言い含めている。

きっと今回の決断にも賛成してくれるだろう。」


この漢は結婚して20年今でも妻のメリッサにベタ惚れである。

子供はいないものの仲睦まじい夫婦関係だ。ちなみにメリッサの方もバクラにベタ惚れである。


「そういう事だから、なんの心配もいらない。

お前らはただ大人を頼ればいい。」


そう笑って語るバクラに一同は大人の漢の頼もしさを感じるのだった。

バクラの前線参加決定です。


これは個人的な意見ですが、戦闘メンバーの男女比は半々くらいが一番だと筆者は思っています。

ですので主要戦闘メンバーはこの4人で行こうと思っています。

ただゲストで別のキャラが出る事もあるとは思いますが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ