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053_幼馴染は犯罪者?

フィオちゃん回です。


この子どんどんやばい方向に進化しています。

053_幼馴染は犯罪者?


新生エレメンタルズの今後の予定は以下の通り

・ゲオルグ医師の捜索

・『アナスト』イベントへの対応

・対魔王用の戦力強化

・百香を狙う暗殺者の大元の解明と根絶

・対権力者の対策強化


「こんなところかな。

と言っても今までとやることは特に変わらんな。

強いて言えば『アナスト』対策が増えたぐらいか。

とりあえず、アミのチーム加入手続きと報酬の支払いを済ませて今日のところは解散だな。

ところでアミ、お前これからどこに住むんだ。

宛がないならギルドの寮の部屋を手配するが。」


「え!バクラさん。寮とかあるんですか?」


亜美の今後について話すバクラに百香が疑問を投げかける。

百香は列人の家に暮らしているが、寮の事は知らされていなかった。

寮があるなら別に列人の家に厄介になる必要なないと思ったからだ。

その疑問に列人が答える。


「あのな、百香。お前と亜美ちゃんでは事情が違うだろう。

お前は暗殺者に狙われた直後だったんだぞ。

そんな人間を寮に入れられるわけがないだろう。

それにお前に寮の事を教えたら絶対にごねていただろう。」


「・・・・」


列人の正論に百香はぐうの音も出なかった。

列人に論破されて無性に悔しいがそれを言うと負けた気がするのでひたすら黙るしかない百香である。

そんな百香を尻目に亜美がバクラに返事をする。


「そうですね。列人お兄さんと百香お姉さんのお家にお願いするっていうのはかなり魅力的なのですが、さすがにこれ以上人が増えるのは好ましくないでしょう。

もしよければ寮の手配をお願いします。」


亜美は見た目はこの中で一番子供だが、中身は誰よりも年上なのである。

亜美が大人な対応をしているところにフィオの横槍が入る。


「モモカさん、自分がとっても贅沢な事を言っている事に気づいていますか?

ここにアルくんと一緒に暮らしたい女の子がいるんですよ。

アルくんと一緒に暮らせたら朝から晩までご奉仕するんです。

あんな事やこんな事をして、ふふふふふふ。」


「なにを想像しているのか知らんが、うちには母さんがいるんだぞ。

お前が想像しているような事にはきっとならんぞ。」


「私がナニを想像していると思ったんですか?

アルくんのエッチ、それにお義母さんも早く孫の顔が見たいはずです。」


「・・・うん、お前の脳みそがピンク色だと言うことはよくわかった。

後、人の母親をさりげなくお義母さんと呼ぶな。」


「列人は相変わらずヘタレね。さっさとマリアさん説得して結婚しなさいよ。」


「そうだよ。列人お兄さん。こんな稼業だから子供は作れる内に作っておいた方がいいよ。」


「・・・アル、俺は助けんぞ。自分でなんとかしろ。」


期待していた大人の亜美は向こう側でバクラは役に立たない。

しかも亜美の場合、前世の経験からくる真面目な忠告だからタチが悪い。

新生エレメンタルズでも四面楚歌な状態にため息をつきたくなる列人である。

そんな泣きたくなるような状態を打破してくれたのは意外にもフィオだった。


「今後の事はともかくまずやる事を済ませましょう。

『砂漠の荒鷲』討伐の報酬精算、アミさんのエレメンタルズ加入の手続き、アミさんの寮の手配、ゲオルグ医師の捜索状況の確認、やることがいっぱいあります。

皆さんは私と一緒に受付まで来てください。」


自分で場を乱しておきながら、まともな事をいうフィオに一同は釈然としない気持ちで従う。

マスター室から離れる時に百香がバクラに『メッセージアイリス 』を渡しておく。

ちなみにこの『メッセージアイリス』だが水に挿しておけば1ヶ月は持つが、持ち歩くと1日程度しか持たない。

長時間持ち歩きたい時は脱脂綿などで水をやる必要がある。

とりあえずマスター室とそれぞれの家の部屋に設置する事にした。


場所は変わってハンターギルド受付。

『砂漠の荒鷲』討伐の精算からだ。


「え、なに!!この金額は~~~!!!」


「え!なに亜美ちゃん、もしかして少なかった?」


「違いよ。多すぎだよ。これってちゃんと3等分したの?

私の口座に5000万クレト入ってるんだけど。」


「アミさん、きっちり三等分ですよ。

『砂漠の荒鷲』は複数の国から賞金をかけられている大盗賊団でしたから。

それにエレメンタルズの稼ぎとしてはすこし多めくらいな金額ですね。」


「亜美ちゃん、慣れなきゃダメよ。最初は私もそうだったけど今はもう慣れたわ。」


「でも、亜美ちゃんって貴族相手の高額依頼も受けてたんだよな。

なんでそんなに驚くんだ?」


「列人お兄さん。100万を超えたら普通は高額依頼だよ。

5000万とか一介のハンターが稼ぐ額じゃないよ。」


「亜美ちゃん、普通はそうよね。

私も最初のゴブリン狩りで7万クレト稼いだ時に、『あ、私結構稼げるんだ。』とか思ったけど、こいつ私が戦えると知った途端、どんどん大物を狩るようになってそのうち1回で1000万が当たり前になったのよね。」


「ちなみにレットさんの1回の稼ぎの最高金額は10億クレト、大盗賊ギルド『夜の帳』を一人で壊滅させた時です。

壊滅させた理由は『下っ端が村へのお土産をスろうとしたから』だそうです。」


「え!あの一夜にして王都中の盗賊がいなくなったっていう都市伝説本当だったの。

しかも原因は列人お兄さん!」


「しかし、貴族って結構ケチくさいんだな。

たった100万しか払えないんだ。」


「言っとくけどあなたの金銭感覚がおかしいだけだからね。」


その後、亜美のチーム加入と寮の手続きは滞りなく終わり、亜美はこの後『学園』の退学手続きと両親への報告の手紙を書く為にギルドに残り、列人達は村を見廻った後に家へと戻る事にした。



亜美はハンターギルドの一室を借りて手紙を書いていたが思いの外時間が掛かってしまい、すでにあたりは暗くなっていた。

両親への手紙はすぐに書き終えたのだが、退学届の方が貴族的な言い回しで書かなくてはならず、非常に難儀したためである。

前世も今世も平民の亜美には少し酷というものである。

ここで百香に協力してもらっていればもっと早く済んだと思われる。

百香の転生先はモニカ=ローゼスベルクであり公爵令嬢つまり上級貴族だ。

モニカの記憶を持つ百香ならば楽に書き上げる事が出来たであろう。

しかし、百香はあんな感じなので貴族というイメージには結びかず、結局一人で仕上げたのである。


亜美は寮に帰ろうとしたが、場所を聞くのを忘れていた。

仕方なくフィオに尋ねに行ったがフィオは帰宅していた。

亜美が途方に暮れているとちょうどバクラに会った。


「まだいたのか、アミ。どうした、何か困り事か?」


「はい、バクラさん。さっきまで手紙を書いていてこれから帰ろうと思ったのですが、寮の場所とか鍵とかすっかり忘れてまして。」


「ああ、それならフィオから預かっている。

俺もちょうど帰るところだから送ろう。」


「ありがとうございます。バクラさん。正直助かりました。」


「なに、いいってことよ。」


亜美とバクラは寮に向かいながら、取り留めのない話をした。

話の中心はもちろんエレメンタルズもとい列人についてである。


「さっき『砂漠の荒鷲』の報酬を受け取ったんですけど、すごい金額でした。

列人お兄さんはいつもあんなに稼いでるんですか?」


「ああ、こないだなんとなく貯金の話をしたら、あいつ通帳残高100億とか吐かしてやがった。」


「ひゃ、100億!!」


「さすがにビビるだろう。使い道がないからって村の備品片っ端から買ってくるし。

必要以上に貯金してても経済が滞るだけだからとか訳分からない事言ってたな。」


「何か列人お兄さんらしいですね。前も私が欲しいものをいつの間にか買っている事があって、前のエレメンタルズではストーカー疑惑とか盗聴疑惑が挙がったほどでしたよ。」


「あいつ、なにやってんだよ、全く。」


「そういえば、列人お兄さんの1回の最高報酬が10億って聞いたんですけど本当ですか?」


「・・・それってどこから聞いた。アルからか?」


「えっと、フィオさんからですね。確か王都の盗賊ギルド『夜の帳』を壊滅させたって。」


「すまんが明日確認する事ができた。悪いが明日エレメンタルズ全員でマスター室まで来てくれ。

他の連中には『メッセージアイリス』で連絡しておく。」


「・・・はい、わかりました。」


その後しばらくバクラは難しい顔のまま無言だったが、すぐに寮についた為、そこで解散となった。


そして次の日。

ハンターギルド_マスター室


「失礼しますっと、バクラから呼び出しなんて珍しいな。どうした?」


「しかも全員呼び出しだなんて。」


「ああ、お前ら4人に確認しておきたい事があってな。

昨日お前らアルの最高報酬について話していたそうじゃないか。

その話を詳しく頼む。」


バクラ以外の4人はバクラの意図がわからず、困惑しながら言われた通り昨日の事を話した。


「つまり、フィオが王都の『夜の帳』壊滅の話をしたわけだな。」


「はい、マスター。何か問題ありましたか?」


バクラが難しい顔をしながら話の内容を確認するとフィオはよくわからないと言うように疑問を口にする。

バクラはフィオのその様子を見て更に眉間のシワを深くする。


「フィオ、この情報をどこで知った。」


「仕事でマスターの端末を借りた時です。

マスターが私に書類を集めて欲しいって言った時ですよ。

あの時、マスターは午前中いっぱい資料作りの時間をくれましたけど、あんまり量がなかったから1時間で終わったんですよ。

それでつい魔が差してマスターの端末でアルくんの情報を覗き見しちゃったんです。

その時に見つけた情報の一つにあったんですよね。」


バクラは頭を抱えたくなった。

まず、勝手に他人の情報を見るのは犯罪である。しかも他人の端末を使って。

これだけでもかなり問題なのだが、バクラが頭を抱えているのは別の事である。

尚、補足説明だがこの世界は通信技術だけは異常に発達しており、魔道具を使ったネットの様な物が存在する。

先ほど話していた端末はその魔道具である。ただし持ち運びはできない大きさ(大型ブラウン管テレビくらい)である。

田舎のハンターギルドなのでギルドマスター用に型落ちした端末が1台あるだけだが。

ちなみに列人も一台持っている。


「フィオ、『夜の帳』壊滅の情報は王都のギルドにしか入っていないんだ。

お前、どうやって王都の情報端末に侵入した。」


そう、フィオがやったのはハッキングである。

それも王都のハンターギルドの端末ともなるとセキュリティーは非常に厳しく、侵入しようものなら即座に発見されお縄につく事になる。

しかし、フィオは無自覚な上、事の重要性を全く分かっていないようで、


「えっと、普通に検索したら出てきましたよ。

途中でよくわからない妨害魔術がありましたけど、特に回避も難しくありませんでしたし、多分見つかってないと思います。

誰でしょうね。みんなが見るものにあんなイタズラをするのは?」


なんとフィオの中では王都のハンターギルドの情報は誰でも見れるものだったらしい。

ちなみにフィオが『イタズラ』と称した妨害魔術は国の最高機関が作った国内最強のセキュリティーシステムである。

フィオは最強のセキュリティーを当たり前の様に突破したことになる。

しかも田舎のギルドマスターが使う型落ちした魔術端末でだ。

あとこれは蛇足だが、バクラがフィオに渡した仕事は普通の者であれば間違いなく半日かかる内容だった。


バクラは身内に犯罪者がいた事に頭痛を覚えながら、フィオの行った行動の非常識さについて全員に説明する。


「つまりフィオはこのポンコツ端末で国最高の情報魔術集団が作ったセキュリティーを突破した事になる。

しかも痕跡を残さずにだ。その証拠に今日まで国の情報局からの話は来ていない。」


「フィオちゃん、あなたもまさか列人側だったなんて。」


「フィオさんは脳みそがお花畑な事以外は列人お兄さんと違って常識人だと信じてたのに、まさか犯罪者だったなんて。」


「おい、お前ら。フィオが犯罪者なのは認めるがさりげなく俺を巻き込むな。」


「ちなみにフィオ、どうやってその技術を学んだ。」


「えっと、アルくんが買って来てくれた本に載ってましたよ。

魔術端末操作入門編、中級編、上級編、応用編、超級編でしたっけ。

後は独学です。アルくんが練習用に端末を貸してくれましたし。」


「アル、やっぱりお前が元凶じゃねーか!!」


列人が買って来た魔術端末操作の本は普通は入門編を全部理解すれば、就職に困らない程の知識が手に入る難解な代物である。

以前フィオの昔話で出てきた難しい本の一つがこれである。

それを見た列人が面白半分で色々な本をフィオに渡した結果、今のフィオが出来上がったのである。

ちなみに列人も挑戦したが中級編までしか理解できなかった。


「それにしても皆さん酷いです。本に載っている事をやっただけで犯罪者扱いだなんて。

アルくんのせいですよ。責任取って今すぐ挙式してください。」


「お前こんな時でもブレないな。その姿勢、逆に関心するわ。」


「列人お兄さんといるとみんな常識を無くして行くんだね。

私も気を付けないと。」


「そうね、亜美ちゃん。私達だけは常識人でいましょう。」


「「「「・・・・・・・・」」」」


すでに常識を無くしている人間の発言に他の4人は沈黙する。

尚、賢明な諸兄ならもうお気づきだろうが、コル村の住民の大半は列人のせいで常識を無くしている。

おそらくまともに常識を持っているのはギルド職員のネスぐらいであろう。

自分が劣勢に追い込まれた事を悟った列人は話を切り替える事にした。


「まあ、大丈夫だ。バレなければ犯罪じゃない。

つまりフィオ、お前はまだ一般人だ。

それにこれからはフィオに頼めば国の情報手に入れ放題ってことだよな。

じゃあ、今度裏ルートで最新の情報端末買っておくわ。」


「堂々と犯罪教唆と犯行予告出してんじゃないわよ。

列人、あなたが一番犯罪者じゃない。フィオちゃん、こいつとの結婚考え直した方がいいかもよ。」


「アルくんのお役に立てるんですね。分かりました。

私これからも国からアルくんの情報をガンガン抜いていきます。」


「フィオさんってもしかして結婚詐欺に引っかかるタイプでしょうか。

百香お姉さん。フィオさんが列人お兄さんと変な事しないようにしっかり監視しないとね。」


「え!アルくんと変な事って、やだ、アミさん。まだ昼間ですよ。」


「いちいちぶっ込んでくるなよ。それから国から抜く情報は俺限定じゃないからな。」


「・・・頼むからお前ら少しは自重してくれよ。

フォローするのは俺なんだからな。」


問題児が更にパワーアップした事により胃が痛くなりそうなバクラである。

後日、列人は宣言通り最新の魔術情報端末を購入してきた。

その額、周辺機器も合わせて10億クレト、コル村で最も高い資材となった。

こうして新生エレメンタルズ_情報担当フィオが誕生した。

フィオちゃんのこの特技非常に便利そうですね。

その代わりバクラの胃を破壊しそうです。


バクラさんお疲れ様です。

その内バクラにも息抜きしてもらわないといけませんね。

いずれはっちゃけさせようと思います。

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