044_真夜中の襲撃
本日2話目です。
百香達がガールズトークをしている裏の列人の行動です。
044_真夜中の襲撃
時間は少し遡る。それぞれの部屋に入る前の事。
「百香、悪いが少し散歩してくる。
フィオの事頼む。あと『メッセージアイリス』貸してくれ。」
「うん、わかったわ。あまり無茶するんじゃないわよ。」
「ああ、目立たないようにやる。」
そう言って列人は宿を後にした。
列人はしばらく街を散策した後、人目のない路地裏に入った。
「おい、下手くそな尾行だな。もうバレてるぞ。」
列人がそう呟くと黒ずくめの男が6人ほど出てきた。
「何故わかった。」
「いや、尾行下手すぎだろう。そりゃわかるよ。」
「・・・・噂に違わずやる様だな。
だが、お前にはここで死んでもらう。
恨むならお前に取り入ったモニカ=ローゼスベルクを恨むんだな。」
「はは、マジでそんな風に思ってるの?
百香が俺に取り入る・・・・やべ~、超ウケるんですけど。
ははは、ない。マジでないわ~。
ねえ、お前ら尾行してたんだよな?
俺達の様子を見てなんでそう思えるわけ、馬鹿なの、死ぬの。
ゲラゲラゲラ。」
「・・・・・殺す。」
黒ずくめの男の言葉を受け、列人がここぞとばかりに煽る。
これには黒ずくめもさすがにご立腹の様子。
「その上、襲撃相手に情報を漏らす。
三流にも程があるでしょう。ここいらの裏稼業の人間はアホばっかなんだね。
道理でバンの街が平和なわけだ。アホでありがとう。
それと伏兵があと6人ってところか。それに百香の方にも同じ数向かっているな。」
「・・・かかれ!!!」
黒ずくめの合図と共に、全員が一斉に襲いかかってきた。
列人は襲撃者達をつぶさに観察する。
一人だけ他の者と服装が違い動きがいいものがいる。
(とりあえず、あの男とさっき俺に話しかけてきた奴、それともう一人くらい生け捕りかな。)
黒ずくめ達の装備は暗殺者用のナイフ、おそらく毒が塗られている。
それから闇魔法を使うようだ。影から影に移動したり、闇の針を飛ばして攻撃してくる。
闇の針の中にもおそらく毒が入っているだろう。
列人は黒ずくめの攻撃を紙一重で躱しながら、まずは敵の数を減らす事に集中する。
襲ってきた者から順番に刀で切り伏せていく。先ほど話していた男ともう1人はすでに生け捕り済みだ。
最後に残った服装の違う男(おそらく隊長格)と一騎打ち。
「・・・・・」
男がナイフを振るうと刃が無数に分裂し列人を襲う。
闇属性の刃だろう。しかも一つ一つに毒が仕込んでいる。
列人は大きめに避ける。
怪我を気にせず突っ込めば楽に終わるのだがそれをするとフィオに感づかれる。
こういう事に出来ればフィオは巻き込みたくない。
男は手を緩めずに攻撃を続ける。少なくともあのトーマスよりは格上のようだ。
『陽炎返し』
列人は男の攻撃を全てすり抜け背後に周り、首筋に峰打ちを叩き込む。
その瞬間男は姿を消し、刀は空を切った。
闇魔法での移動だろうか。目的は時間稼ぎだったのだろう。
判断力も優れているようだ。一目散に逃げて情報を持ち帰る。
(これで敵は百香の傍に列人がいることを知り、それが強敵であると認識するはずだ)
百香の方にも襲撃がある為、俺が奴を追うことができないのも見越している。
敵の行動に関心しながら、百香の方に向かった襲撃者達の始末に向かった。
こちらについては全く話にならなかった。
百香の方に向かう背中に『火球』を当てて終了である。
先ほどの男と比べて余りにもお粗末すぎた。
捕らえた2人に尋問(拷問、具体的な内容は倫理上問題がある為、教えられないが)した結果、
『反第一王子派』の貴族と名乗る者からの依頼だったと供述した。
鵜呑みにするつもりはないが依頼人の特徴は聞き出した。
供述内容は『メッセージアイリス』に録音済み。
尋問後2人はなるべく苦しまないように始末する。(口を割らせる時に約束したので)
「・・・やっぱり何回やってもこういうのは慣れないな。
一応通話切っててよかった。フィオには聞かせられないからな。」
一人後暗い気持ちを抱えながら、宿に戻る列人であった。
今回出てきた服装が違う暗殺者はこの世界ではかなり凄腕です。
今後ももしかしたら登場するかも。




