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040_腹が減ってはなんとやら

本日2話目です。


今回のイベントの説明回です。

040_腹が減ってはなんとやら


「取り敢えず飯にしないか?もう昼だし腹減ってきた。」


「ちょっと列人、今大事な話しようとしていたのに。」


「アルくんに賛成、お腹空きました。」


「ちょっとフィオちゃん。」


「どのみち大事な話ならどっか落ち着いた場所がいいだろう。

いい店知ってるからそこに行こう。俺の奢りで。」


「はぁ、仕方ないわね。」


列人達はコルト病の話をする前にお腹が空いたと言う事で食事を取る事にした。

列人達が向かった食堂は大衆向けの中でも比較的人気があり、少し贅沢するにはちょうどいい店だ。

そこでそれぞれが思い思いに食事を注文する。

ちなみに百香は残る物を買ってもらうのは抵抗があるが、食事は遠慮なく奢ってもらうタイプである。


「俺はとんかつ定食大盛り、鳥の唐揚げサイズは大、あととフィッシュフライサンドセット

飲み物は冷えたお茶、デザートはフルーツ盛り合わせとパンケーキで」


「私はビーフシチュー定食とトマトサラダ、シーフードサラダ

飲み物は紅茶のホット、デザートはショートケーキ盛り合わせ。」


「私はナポリタンセットとミニサラダ、

飲み物はホットミルクコーヒー砂糖入り、

デザートはチーズケーキとフルーツタルト、

チョコレートケーキとバニラアイス、

あ、いちごケーキもお願いします。」


「列人、あなた揚げ物ばっかりね。昔っから好きよね。」


「お前こそ何でサラダ2種類も頼んでんだよ。」


「う~ん、ケーキがたくさん。幸せです~。」


「フィオ、いつ見ても胸焼けしそうだな。お前のメニュー。」


「アルくん、カロリーで言ったらそっちの方が上ですよ。

う~ん。おいし~~!」


「フィオちゃん、甘いものばかり食べると栄養偏るわよ。」


「モモカさん、お母さんみたいな事言わないでください。

せっかく怒られないで甘いものたくさん食べれるのに。」


「フィオちゃん、誰がお母さんですって!」


「わぁ、モモカさんが怒った~。」


「お前ら楽しそうだな・・・」


賑やかな食事を終え、それぞれが満足したところで、今度は穏やかではない話を始める。

コルト病についてである。

百香が列人とフィオにコルト病について説明する。


コルト病_コル村周辺のコルト地方で発生する感染病。

罹患した者はどんどん衰弱していき、そのまま放置すればほぼ100%死ぬという凶悪な病気である。

幸い感染力は弱い為、爆発的に広がると言う事はないが抵抗力が落ちていれば感染するリスクは増加する。

医療体制の整っていない田舎では非常に脅威度が高い病気である。

治療法はあるものの材料に龍族の肝が必要な上調合が非常に難しい。


「えっと、つまりモモカさんはその病気がコル村周辺で流行る可能性があると思ってるんですか?」


「ええ、そうよ。確証はないけど用心にするに越したことはないと思っているわ。」


「全く、厄介なイベントだな。それで対策法は?」


「材料については問題なく集められるけど、問題は調合法ね。

私はそこまでは知らないの。ただ心当たりはあるわ。」


「その心当たりっていうのは?」


「『放浪の名医ゲオルグ』彼なら調合法を知っているわ。」


「ゲオルグ医師って言うとあの有名な名医ですか。

でもひとつの場所にいないから探すのが大変ですよ。」


「ギルドに依頼を出すか。バクラに相談だな。」


「今のところはそれくらいしかできることはないわね。」


コルト病イベントとはこのコルト病が『学園』の春休み期間中に流行し、ヒロインが解決に奔走するというのが大まかな内容である。

今がちょうどその春休み期間に当たる。つまり病気の発生時期だ。

そしてこのイベントでは素材集めと医者探しが主なミッションとなっており、材料についてはゲーム内で出てくる為、百香も覚えているが調合の詳細までは描写されていなかった。

ただし医者探しのミッションで『放浪の名医ゲオルグ』が目的の相手である事が分かっている。

ただしゲーム内でも出現箇所がランダムであるため居場所はわからない。

従ってこれについてはゲーム知識を頼らず自力で探すしかない。


結局その場ではそれ以上いい案は出なかったので、その話は一旦終了となった。


食堂を後にした列人達はひとまず宿を予約して観光をすることにした。

宿は少し高めだが、女性が泊まっても大丈夫なセキュリティーの高い宿を選んだ。

今回はフィオがいる為、念のためである。

これが列人と百香だけなら、野宿でも全く問題ないのだが。

お金があるのに何が悲しくて野宿という選択肢が浮かぶのか。

ヒーローとはあまりに過酷な戦いの中にいる為、他の人間と感覚がズレるようだ。

(夜襲とかを警戒していたりする。)


バンの街の観光としては、

まず景観がきれいで大きな公園、

レストラン、喫茶店、等の飲食店

服飾店、貴金属店等の商業施設

美術館に博物館、大図書館といった学術施設

劇場にコンサートホールといった娯楽施設

神々を祀った神殿等の宗教施設、様々な物がある。

田んぼと畑と牧場と森しかないコル村とはえらい違いだ。


列人達はひとまずゆっくりするべく、公園に向かった。

さすがに観光名所として挙げられるだけの事はあり、とても美しい景観だった。

整えられた木々、周りに咲く色とりどりの花々、中心の池では水鳥が戯れている。

まさに都会のオアシスである。

そんな景色を見ながらゆったりしていると百香と同い年くらいの身なりのいい少女が、護衛と思しき男達を引き連れて話しかけてきた。


「あなたはもしかしてモニカ様ではございませんか?」


「・・・・いえ、違いますよ。私は百香といいます。」


(しまった、今『学園』は春休みだった。

観光名所なら、モニカの知り合いがいても不思議はないか。)


少し焦る百香に列人が小声で話しかける。


「おい、百香。知り合いか?」


「この子の前ではちょっと、後で説明する。」


「・・・・わかった。」


2人がこそこそと話していると先ほど話かけて来た少女が更に話しかけてくる。


「あら、失礼しました。そうですわよね。

まさかモニカ様がこんなみすぼらしい格好しているわけがないですわよね。」


「・・・・」


ちなみに百香が着ている服は平均的な平民が着るような服である。

目の前の少女に比べたら、質が落ちるがみすぼらしいと言われるほどではない。


「しかも連れの方々も貧相なご様子。

モニカ様のはずがございませんわ。」


(カチン)


百香の頭の中で何かが切れる音がした。


「あなた・・「いきなり失礼な事を言うブスアマだな、品性を疑う。」」


百香が言い返そうとした時、列人が言葉を被せる。

ブスアマ呼ばわりされた少女は怒りと共にまくし立てる。

それに対して列人は冷めた物言いで対応する。

ちなみに列人は女性の容姿を貶す発言は絶対にしない。

これは相当怒っている。


「なんですの、あなたは。いきなりレディーに対して失礼にもほどがありましてよ。」


「先に失礼な事を言ったのはそちらだ。

それに俺は男女平等主義なんでね。

女だろうと、悪意を持っていればそれ相応の対応をする。」


「私は本当の事を言ったまでです。

事実として、私とは比べ物にならないくらい貧相ではございませんこと?」


「まあ、確かに服の質だけ見ればそちらの方が上質だろう。

だがその服は俺達平民の税金で買われたものだ。

しかも税金で生活する権利があるのは、あんたの親であってあんたじゃあない。

自分で働きもしない乞食風情が偉そうにしていれば文句の一言も言いたくなる。」


「言うこと欠いて、乞食ですって。」


「こちらも本当の事を言ったまでだ。」


列人のあまりの暴言に少女は目を剥いて怒鳴り声をあげる。


「私はこのバンの街の領主、アンスバッハの長女、ナタルでしてよ。

そんな事を口にしてただで済むとお思い!」


「ほう、名乗る度胸があるか?

もっとも権力を傘に来ているのはマイナスだが、まあいい。

俺はコル村でハンターをしている列人だ。

やれるもんならやってみな。」


列人が名乗った瞬間、さすがに百香も黙っていられなくなった。


「ちょっと列人、あなた・・」


「止めるなよ。こいつは俺の村の仲間を侮辱したんだ。」


「・・・違うでしょう。名乗るときはこうよ。」


そう言って、百香が一歩前へ出る。


「私の事だけだったら黙っているつもりだったけど、友人を侮辱されたとあっては黙っておけないわ。

あなたの売った喧嘩、コル村のハンターチーム_エレメンタルズ赤坂列人と桃梨百香が受けて立つわ。」


百香が領主の娘に対して見事な啖呵を切る。

それに対して領主の娘は癇癪を起こしながら喚き散らす。


「・・・よく分かりましたわ!

我が家の権力であなた達が仕事ができないようにして差し上げましてよ!」


「うわぁ。百香さん、あれどう思う。チョー三下のセリフなんですけど。

ぷっぷー。」


「列人。笑っちゃ失礼よ。本人気づいてないんだから。

ぷっぷー」


「きっーー!!覚えてらっしゃい。」


三下令嬢は護衛を引き連れて、三下な捨て台詞を吐きながら去っていった。


「あいつって結局何がしたかったわけ?」


「あの子、馬鹿王子のファンだったから。

大方婚約者だったモニカが気に食わなかったんでしょう。」


2人が呆れながら話していると、今まで蚊帳の外だったフィオが目を輝かせながら話しかけてくる。


「アルくん、モモカさん。何かよくわからないけどかっこよかったです。

2人共私の為に怒ってくれたんですね。」


「そうね。フィオちゃんは私達の友人であり心のオアシスだから。」


「それに今フィオが着ている服って、村のみんなが用意してくれた物だろう。

街に出てもフィオが恥ずかしい思いをしないで済むようにって。

それを馬鹿にするとか、本来だったら顔面ワンパンだよな。」


「あ、それ聞いて私、更に怒りが湧き上がってきたんだけど。

列人、今からでも遅くないから殴りにいかない。」


「おお、百香。珍しく話がわかるな。」


「・・・・アルくん、モモカさん、正座。」


物騒な事を言い出す2人を見たフィオは感激モードから一転、お説教モードに突入した。

これにはさすがの2人もただ従順に従うしかなかった。

今回登場した三下令嬢は今後も登場予定です。

ちょっとした役割を持たせています。


ちなみにフィオちゃんはあれだけ甘いものを食べても全く太りません。(胸も)

百香は無駄な肉(胸)を減らすためにカロリー制限をしています。(豆腐並みの固い意志で)

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