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035_都会へ行こう(準備編)

今回は村の外にお出かけします。

コル村は小さな村ですので物資の調達などを定期的に行う必要があります。

035_都会へ行こう(準備編)


騎士団の襲来から3日ほど経った日の朝。

列人の一声から話が始まった。


「よし、バンの街に行こう。」


「どうしたの?いきなり。」


バンの街_コル村から50キロほど離れたこの辺りで一番大きな街。

村で手に入らない必要なものは大概ここで買う。


「実はギルドから2~3日、狩りの仕事するな、との通達が来た。」


「え、どうして?」


「ギルドの倉庫が俺達が狩った獲物で溢れているそうだ。

このまま処理する素材が増えたら、職員が過労死するとの事だ。」


「ああ、確かにちょっとやり過ぎたかも。」


「ちょっとじゃないわよ。

アル、ギルドにお弁当届けた時に

『頼むからレットに狩りを休め、と伝えてくれ。

 このままじゃ、倉庫が溢れるし、死人が出る。

 バンの街にでもお使いを頼んで、

 ついでに倉庫の物を売りに行かせて欲しい。』

って、泣きつかれたのよ。

モモカちゃんもアルに毒されて常識を忘れないでね。」


「母さん、なにげに酷くない?」


「アルもわかってるんだったら自重しなさい。」


戦況が厳しいと判断した列人は話を変える事にした。


「ところで母さん。今回は泊りがけで行こうと思うんだけど。」


「あら、構わないけどどうして?」


「フィオも誘って、百香にバンの街の案内。

それからフィオの眼鏡の新調かな。」


「そうなの、でも宿屋の部屋はちゃんと男女別々で取るのよ。」


「ぶふぅ!!ゴホッゴホッゴホッ!!」


列人は思わず口に含んでいた水を吹き出す。


「ちょっと列人、汚い。」


「ワリイ・・・

母さん、息子にその冗談はさすがにきついと思うんだけどなぁ。」


「あら、ごめんなさい。

あなたが漸くフィオちゃんをお嫁さんに貰う気になったってモモカちゃんから聞いたから。」


「お前が元凶か・・・百香。」


「あなたがヘタレだから私が外堀を埋めてあげているのよ。」


「誰がヘタレだ!」


「ふふ、アルにはまだこの冗談は早かったわね。

ところで今回は『グレートサイクロン号』を出すの」


「ああ、そのつもりだけど。」


「グレートサイクロン号、なにそのダッサイ名前のもの?」


「ちなみに命名はアルよ。」


「う~わ~、ないわぁ、その名前、ないわぁ。」


「余計なお世話だ!チキショー!」


「で、結局なんなのそれ。」


「村から街に大荷物を持って行くときに使う大型装甲車の事だ。」


「ちなみに動力はアルね。」


「なにそれ、要するにでっかくて頑丈な大八車。

列人、そんなもの作ってあなた馬鹿なの。」


「座席も10席付いていて、高速移動時の平均時速はなんと100キロだ。」


「ちなみにコル村から街までの主要交通機関はこれだと村の全員が認識しているわ。」


「こいつを出すと運賃で結構儲かるんだよ。」


「マリアさん、あなたも列人に毒されていると思いますよ。」


こんな具合に騒がしくも穏やかな食事風景を満喫する3人であった。


列人達はバンの街に行くにあたり、フィオを迎えに行くことにした。

フィオには前もって今日の予定とキチンと親御さんに許可を取る様に伝えている。


ちなみにフィオにこの計画を伝えたとき


「これって所謂ハネムーンって奴ですね。

分かりました。両親への許可ですか。必ず取ってきます。

許可しないって言ったら、絶交した上でアルくんと駆け落ちします。」


等とテンションフォルティシモで高らかに宣言していた。

ハンターギルドの窓口の一番目立つところで。


フィオの家の玄関前に到着、ドアをノックする。


「すみません。列人です。フィオいますか?」


家の中に声をかけると母親のエヴァが出てきた。


「おはよう、アル君、モモカちゃん。

フィオなら中で準備しているから上がって待っててもらえる。」


「そうですか、それじゃお言葉に甘えて失礼します。」


「エヴァさん、準備って何してるの。」


「お着替えじゃないかしら。アル君なら行ってもいいわよ。」


「列人のスケベ。」


「行かねぇよ。」


「列人の甲斐性なし。」


「どっち選んでもアウトかよ!」


下らない話をしていると奥の方からフィオの声が聞こえた。


「お母さ~ん、どうしよう。服が決まらないよ~」


「あらあら、あの子ったら。フィオ~、アル君来てるわよ。」


「ええ~、もうそんな時間。」


「お~い、フィオ、時間がかかりそうなら先に車と荷物取ってから改めて寄るけど、どうする?」


「待って~、すぐ行くから。」


「慌てなくていいからな。」


今のやり取りを聞いていたエヴァが列人をマジマジと見ながら尋ねる。


「・・・アル君、あなたって本当に大人なのね。」


「どういうことですか?」


「あなたくらいの男の子だったら、大抵は女の子を急かすのに。」


「急かしたところで早くはなりませんし、急かした結果相手の機嫌を損ねることだってあるでしょう。

それに一生懸命選んでくれているのに急かして満足行くものを選べなかったらせっかくのイベントが台無しです。」


「そういう所ね。あなたくらいの子は普通そんな考えに至らないのよ。」


「はあ、そういうものですかね。」


列人は普段、無茶な行動と割とふざけた態度をあえてとっている為、凄く誤解されやすいのだが、精神年齢は立派な大人なのである。

生前の22年間と転生後の10年間、合計32年間分生きているのである。

しかも生前は16歳からヒーローをしており、転生後もハンターとして大人と行動を共にしている。

つまり合計16年間、社会人生活を送っているのだ。

普通の18歳より大人なのは当然である。


「遅くなってごめん。

アルくん、モモカさん、お待たせしました。」


「気にするな、大して待ってないから。」


「そうよ、フィオちゃん。それに男を待たせるのもいい女の条件よ。」


「そうなんですか?でも待たせると悪いですよね。」


「男でも女でも好きな人を待つ時間っていうのは愛しいものなの。

男を待たせても大丈夫って事は相手を惚れさせるいい女って事。」


「へえ、そうなんですね。勉強になります。」


「参考にするなよ。待たせないに越した事はないんだからな。」


「でもその点で言えば、フィオは合格ね。

アル君待ってる時、急かすどころかあなたに気を遣ってたもの。」


「エヴァさん、あれは一般論の話です。」


「ふふ、そういう事にしておくわね。

フィオ、今日は確か泊りがけだったわよね。」


「うん。そうだけど。」


「チャンスがあったら押し倒しなさい。

アル君は真面目だからきっと責任とってくれるわ。」


「うん、私頑張る。」


「・・・この親にしてこの子ありか。

・・・フィオ、頑張らんでいいからな。」


「大変ね~。列人。」


脳内お花畑の親子に出発前から疲れを感じる列人と傍観者となり面白がっている百香であった。

フィオがあんな性格なのはだいたい母親のエヴァのせいです。


しかし、グレートサイクロン号の設定ですが

我ながら血迷った物を作ったと思っています。

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