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031_百香ちゃん激おこ

本日3話目です。


そりゃ百香も切れますよね。

031_百香ちゃん激おこ


「さあ、勝負は決した。その馬鹿を放してやってくれないか。」


騎士団長_ヴィルヘルムは落ち着いた口調で列人に言った。


「ふぅ、わかったよ。」


列人はゆっくりと白目をむいたトーマスを地面に置く。


「すまなかったな、レット。うちの団員が迷惑をかけた。」


「全くだ。後でOHANASHIだからな。」


「うっ、お手柔らかに頼む。」


ヴィルヘルムの登場により、列人の剣呑な空気が一気に霧散した。

それを感じた観客一同は、ほっと一息つく。

そんな空気の中、バクラがヴィルヘルムに声をかける。


「ヴィルヘルム、正直助かった。この馬鹿久しぶりに暴走しやがって。」


「その件に関しては俺にも非がある。

まさか俺の目の届かない所でこんなふざけた出兵が行われているとは。」


「お前らしくないとは思っていたが、軍務大臣か?」


「ああ、あの馬鹿大臣が息子の経歴を増やす為にな。」


「それでか、兵站なんてまるで考えてないアホみたいな事してたのは。

おかげでこちらはえらい迷惑をした。」


「重ね重ねすまない。」


「まあ、お前個人のせいではないからな。」


大人2人がそんな会話をしていると、慌てた様子でフィオが走って来た。

何か今にも泣き出しそうな勢いだ。


「アルく~ん!!大変です。一体何をしたんですか?今すぐ来てください。」


慌てたフィオに列人が聞き返す。


「どうしたんだ、フィオ。そんなに焦って。」


「焦りもしますよ。アルくん。モモカさんが滅茶苦茶怒ってます。

『レットを早く連れて来て』ってすごい剣幕です。

一体何をしたらあんなに怒らせられるんですか。」


その瞬間、列人の顔色から血の気が失せた。

しかしフィオはそんな事気にしない。


「ボーッとしないで早く来てください。私じゃ抑えられないんです。」


そう言って、フィオは嵐の様な勢いで列人を連れ去る。

その様子をポカンとした顔で大人2人が見ていたが、程なくバクラが口を開く。


「少し様子を見に行く。アルの事が気になる。」


「そうだな、俺も行こう。」


一方、フィオに連れて行かれた列人を待ち受けていたのは、鬼の形相をした百香だった。


「列人、正座。」


「・・・はい。」


「列人、私言ったわよね。短慮を起こすなって。」


「はい。」


「じゃあ、どうしてあんな行動ができるのかな~。」


「すみません。」


「私は理由を聞いているのだけど。」


「・・・はい。騎士隊長の馬鹿が村の事情も考えずに食料を接収しようとした上、

それをやられると困ると真摯に説明したバクラを嘘つき呼ばわりしてカチンときました。」


「でも馬鹿をわざわざ煽る必要はないわよね。」


「いえ、間違えたら謝るという当たり前の事を言いたかっただけなのですが、」


「黙りなさい。」


「・・・はい。」


圧倒的な百香の迫力の前に列人は為すすべもなく、ただ従順に百香の言うことに頷き、それを見ていたフィオは恐怖で震えていた。


そんなカオスな状況に大人2人がやって来た。

最初に口を開いたのはバクラだ。


「モ、モモカ。これはどういう状況だ。」


バクラは自分の声が少し震えるのを感じた。

迫力が凄すぎる。


「バクラさん、ウチの馬鹿がご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

あ、フィオちゃんも怖がらせてごめん。」


百香はバクラとフィオに対して、明るく優しい口調で答えた。

そして列人をまた鬼の形相で睨んで説教を再開した。

縮こまる列人。その変化にバクラとフィオは震えが止まらなかった。


「貴女はもしやモニカ=ローゼスベルク嬢ではないか?」


そこに1人の勇者。騎士団長_ヴィルヘルムが爆弾を放り込む。


「貴方はヴィルヘルム騎士団長閣下ですか。」


百香は自分の目を疑った。


(なんでこんなド田舎に騎士団長がいるよ。)


そこに列人が口を開く。


「なあ、ヴィルヘルム。助けてくれよ。

このままじゃ、百香の正座でお説教24時間耐久コースの刑になっちまうよ。」


「ちょっと、列人は黙ってなさい。」


「・・・すみません。」


百香は少し考え、嘘をつくのは得策でないと判断した。


「・・・申し訳ございません。騎士団長閣下。

確かに私はモニカ=ローゼスベルクと呼ばれていた者です。

今は家を勘当されたのでその名を名乗る事は出来ませんが。」


「そうでございました。あれは災難でしたね。

心中痛み入ります。」


「・・・ありがとう存じます。」


「所で一つお尋ねしたいのですがよろしいでしょうか?」


「はい、なんなりと。」


「貴女はアカサカ=レットという言葉に聞き覚えはありますか?

トウリ=モモカさん。」


何故、この男はその名を知っているのか?

そんな疑問で百香は一瞬頭が真っ白になった。

だが、その答えは列人から返ってきた。


「ヴィルヘルムなら大丈夫だ。

そいつは俺の事情を知っている。」


「その通りです。モモカさん。

私はレットのそして貴女の味方です。」


ヴィルヘルムは優しい笑みで百香に答えた。

百香は列人に対する抑止力であり、列人に足りない部分を補ってくれる存在です。

また、百香の足りない部分を列人が補ったりもしています。

二人は5年以上ともに戦って来た仲間であり、お互いに助け合うのが当たり前になっています。

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