023_幼馴染が語る赤色(後編)
過去回後編です。
今回もフィオ視点でお送りします。
023_幼馴染が語る赤色(後編)
「気絶している間に火傷したの?」
「いいえ、この時は火傷してませんでしたし、火傷したのはこのモンスターのせいじゃありません。」
「・・・・それじゃあ、なにが原因なの?」
「私が気絶から目覚めた時にモンスターは別のものがいたんです。
あれはなんと言ったらいいか分かりませんが、物語に出てくる魔人みたいでした。」
「・・・魔人、どんな格好だったか憶えてる?
無理にとは言わないけど。」
モモカさんが気遣わしげに私の顔色を確認しながら質問する。
怖い事を思い出したせいで顔色が悪くなったのかな?
そういうところを気にしてくれるのがモモカさんの優しい所なんだなぁと思い、ちょっとほっこりした気分になった。
「大丈夫です。魔人の背丈は私より少し高いくらいで、光沢のある不思議な赤い服を着ていました。
それから頭全体を隠す仮面を被っていました。
これも赤色です。目の部分はツルツルした黒色だったと思います。
それから全身に炎を纏っていました。」
「・・・・・・」
モモカさんが何やらとても難しい顔をしている。
やっぱり怖い魔人なんだ。
「それでは話を続けますね。」
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どのくらい気絶していたかはわかりません。
私が目を覚ますと赤色の魔神がいて、モンスターと対峙していました。
赤色の魔神はモンスターに火の玉をぶつけ、モンスターも負けじとばかりに爪を魔人に叩きつけていました。
すると魔神は平然と爪を炎の刀で受け止め、モンスターを突き飛ばします。
『????????』
魔神が私に振り返りました。何かよくわからない言葉で魔人が私に叫んできました。
気づかれた、どうしよう。でも魔人は何故か私を襲ってくる事はありませんでした。
周りを見渡した私はある事に気づきました。
アルくんがどこにもいない。どうしよう。アルくんを探さないと、でもこの状況じゃ無理だ。
助けがいる、一刻も早く、そうだバクラさん達に知らせないと。
私は一心不乱に村に走りました。そしてバクラさんに助けを頼みました。
何を話したのかは憶えていません。とにかく必死でした。
バクラさんはすぐに準備をして一緒に現場まで来てくれました。
そして現場にいった私達が見たものは、消し炭になった嘗て巨大なモンスターだったものの塊と炎に包まれたアルくんでした。
私は多分錯乱して、泣き叫んでいたと思います。
「アルくん!!!!アルくん!!!!アルくん!!!
やだやだやだやだ!!!!!!!!!!。」
私は恐慌状態になり、アルくんの元に駆けつけて腕を炎に叩きつけました。
「消えて!!消えて!!消えて!!消えて!!
アルくん!!アルくん!!アルくん!!」
私が触ると何故か炎がすぐに消えてくれました。
その時少し火傷をしましたがアルくんが息をしているのが聞こえて、自分の火傷の事なんかどうでもよくなりました。
「アルくん・・・・・息をしている。
う、うううううう、うぇええええええええええええん。
アルく~~~~ん。うぅぅぅ。」
「落ち着け、フィオ。アルは息をしているんだな。
外傷もなさそうだ。俺が運ぶから少し離れろ。」
「ばぁい。バグラざん。アルぐん。お願いじまず。」
そうしてアルくんを連れて村に戻りました。
お医者さんによると、過度の疲労以外は目立った外傷もないとの事でした。
アルくんが目を覚ましたのは2日後の事でした。
「アルく~ん、よかった、目を覚ましてくれた。
アルくん!アルくん!」
私は形振り構わずアルくんに飛び込みました。
「おい!俺病み上がりなんだから飛び込んだら・・・うわぁ。」
「アルくん、アルくん。」
「フィオ、心配かけたみたいだな。ごめんな。
・・・フィオ、その火傷どうした?」
「モンスターに襲われた時にちょっとね。
もしかして心配してくれている。アルくん優しい。」
「すまなかった。怪我させちまって。」
「いいの。これは私とアルくんが必死に戦って生き延びた勲章なんだから。」
「・・・・・」
私はアルくんに笑って見せましたがアルくんは辛そうだった。
いつかこの火傷が消えてくれたらアルくんも辛い顔しなくなるのかな。
だったらいいなぁ。
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「以上がこの傷にまつわる私とアルくんの愛の物語です。」
「えっとフィオちゃん・・・愛の物語かどうかはわからないけど、大体原因はわかったわ。
一応その魔人の炎の影響について疑って見たんだけど、聞く限りでは問題なさそう。
これなら治せそうね。」
「そうですか?ありがとうございます。」
「じゃあ治療するから腕出してくれる。」
「はい、お願いします。」
「それから列人。」
「ん?なんだ?」
「あなたさっさとフィオちゃんと結婚しなさいよ。
この甲斐性なし。」
「やかましい!大きなお世話だ!」
「『メディスンハーブ』と、はい、御終い。どう綺麗になったかしら。」
百香は薬草から速乾性の傷薬を作り出しフィオの傷跡に掛けていく。
傷薬がかかった部分からみるみる傷が消えていき今は跡形もない。
「すごい!影も形もありません。ありがとうございます。モモカさん。」
「ふふ、どういたしまして。」
「・・・・・・」
火傷の痕が消えたのを確認し、嬉しそうにするフィオ。それにどこか安心した顔をする列人。
きっと長年の不安が解消してホっとしているのだろう。
その様子を生み出したのが自分の力によるものである事に嬉しくなる百香だった。
フィオちゃんが何故これほど列人を好きになったのかと言うエピソードもその内書こうと思っています。
筆者はそういう経験がないのでうまくいくかはわかりませんが。
説明不要だとは思いますが一応
サブタイトルの赤色は列人、幼馴染はフィオを表しています。




