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020_赤色は思い悩む

今回はこの物語におけるヒーローの変身について少し書いてみたいと思います。

020_赤色は思い悩む


訓練の直後

列人達は傷の治療をしていた。

といっても傷があるのは、列人だけである。

『オークランス』や『ミストルティン』を破壊したときに破片が飛び散り体のあちこちに擦り傷を作っているのである。


百香は霊力を高め、術を発動させる。

『メディスンハーブ』

霊力で生み出した薬草で即効性のある傷薬をつくり傷を癒す術。

傷薬は速乾性で無味無臭である為、少し濡れたと思った次の瞬間傷薬は見えなくなり傷が治っているといった具合だ。見た目はゲーム等である水系統の回復魔法の様な感じである。


「・・・そういえばお前って治癒術が使えたな。」


傷の治療を受けながら考え事をしている列人を気にした百香が列人に尋ねた。


「列人、何か考え事。悩みでもあるの?」


列人は視線を野次馬達の方に、正確にはその中にいるフィオに向けながら、


「・・・ああ、実は頼みたい事があってな。」


と答えた。

百香も列人がフィオの方を向いている事に気づき、


「何、フィオちゃんの方を見て、まさかプロポーズ。」


百香のフィオへの呼び方が『さん』から『ちゃん』になっているのはここ数日で親しくなった為である。

フィオは列人と親しく自分より年上で且つ自分と列人の仲に肯定的な百香に懐いており、そんなフィオを百香も可愛く思っている。

百香はいつもの様に少し茶化した様に言ってみたのだが列人の様子がいつもと違う真剣なものだった。


「すまないが、真面目な話だ。

理由は後で説明するが、フィオに治癒術をかけて欲しい。」


「え、フィオちゃん怪我しているの?」


「昔、火傷をしてな。その痕がまだ残っているんだ。

長袖で隠しているが腕に大きな痕がある。

できれば治してやりたい。」


「ええ、わかったわ。やってみるからフィオちゃん呼んできて。」


「・・・恩に着る。」


列人が思いつめた様子であった事を百香は気にしながら、フィオがこちらに来るのを待った。


「どうしたんですか?アルくん、モモカさん。」


列人に呼ばれて嬉しそうにフィオがこちらに走ってくる。

そんなフィオに列人も笑顔で応じる。

それを見たフィオが表情を曇らせながら、


「アルくん、何か悩み?思いつめた顔してますけど。」


フィオには列人が悩んでいることはバレバレである。

伊達に10年近く幼馴染はしていない。


「ああ、ちょっと言い出しづらくてな。

実は百香は治癒の魔法も使えるんだが、お前の腕を見せてやって欲しいんだ。」


「え!その事まだ気にしてたんですか!

私は気にしてないけど、でも治るんだったら治したほうがいいですよね。」


百香は二人の間で行われる会話が気になったが、まずは治療に専念する事にした。


「じゃあ、フィオちゃん。腕見せてくれる?」


「はい。お願いします。」


百香がフィオの腕を見た時、思わず絶句した。

傷自体はさほどひどいものではないのだが、その傷には霊力が篭っていた。

それもよく知る霊力が。

自分の憶測が正しいか確認する為、百香は列人にだけ聞こえる声で問いかける。


「ねえ、列人。これって『火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)』の霊力じゃない。」


「・・・そうだ。」


「・・・・あなた。・・・・『変身』したの?」


「・・・ああ。」


百香はこちらに転生してできないと思っていた『変身』を列人ができた事を知り、驚愕すると共に列人が深刻な顔をしている理由に思い至るのだった。

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