001_ヒーローの転生
二話目投稿、短めです。
百香視点です。
001_ヒーローの転生
ガタゴトッ ガタゴトッ
ここはどこだろう? 馬車の中? え? 馬車?
まずは現状確認。
私の名前は桃梨百香
日本ヒーロー連合_エレメンタルズ所属 エレメンタルピンク
私はいきなりの爆発に巻き込まれて気づいたら奈落の底で、最後は化物の自爆に巻き込まれた。
自爆寸前に目が覚めてなんとか防ごうと術を使ったけど、おそらく防ぎきれなかっただろう。
しかしなぜか私は生きている。
私を守ろうとして覆いかぶさっていた列人は無事だったろうか?
そのことも気になるがまずは今の状況だ。
なぜ助かった?なぜ馬車の中にいる?
と考えていると急に頭痛を感じ、その疑問の答えとなる記憶が流れ込んできた。
今の私は『モニカ=ローゼスベルク』という貴族の令嬢らしく、何かの事情で修道院送りになったらしい。
・・・これって所謂、転生ってやつ!
と言うことは私は死んだ事になる。
まあ、あの爆発だから生きていると言う方が不自然だ。
ヒーローなんてやっていたらいつ死んでもおかしくないし、その事については残念ではあるけど仕方ないとして、おそらく列人も死んだってことよね?
他のエレメンタルズのみんな、総司、光太郎さん、百合ちゃんは無事だといいけど。
そう思うと泣きそうになった。
気がかりではあるけど確かめる手段がない。
ひとまず、これからの事について考えないと、等と考えていると
ガシャーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!
突如激しい揺れと共に馬車が横転した。
慌てて身を起こし周りの様子を確認する。
魔法陣を使った罠により、馬車が横転。(この世界には魔法があるらしい)
盗賊らしき風体の男達10名程に囲まれており、護衛の騎士2名が応戦中。
御者の姿が見えないがどうやら逃げたらしい。
騎士たちも必死で戦っているが多勢に無勢、5分としない内にやられてしまった。
盗賊らしき男達が私に近づいてくる。
装備はないし、そもそも転生しているので変身はおそらくできないだろう。
モニカの身体がどの程度戦えるかわからない現状で正面から戦うのは得策ではない。
モニカについての記憶はわかるものの情報量が多くまだ頭の中で整理できていない状況だ。
まずは時間稼ぎ、できれば隙を見て逃げる、襲撃者の気を引く言葉を捜す。
「あなた達は何者ですか!私がローゼスベルク公爵家の者と知っての狼藉ですか!」
さて、相手はどう出るか。
「それはよかった。お前で間違いないようだ。個人的には恨みはないが仕事なのでな。」
なるほど、襲撃者達は何者かの依頼でモニカ=ローゼスベルクを消しに来たと。
この身体でやれるかどうかわからないけど、私も元ヒーローの端くれ。
抵抗して見せますか、と身構えたその時
・・・・・・シュッ、バサッ・・・・・
襲撃者数名の首がいきなり物理的に飛び、その後ろには一人の青年の姿があった。
青年は金髪に碧眼、やや細身だが筋肉質。
この世界で一般的な平民の服装に対して、この世界では見られない刀を扱っていた。
青年が襲撃者に対して言葉を発する。
「一部始終見せてもらった!白昼堂々、女性一人を複数人で襲うとは見下げた輩だ。
ハンターチーム_エレメンタルズ所属 赤坂列人が地獄に送ってやる!」
え!エレメンタルズ!赤坂列人!