013_帰るまでが遠足、報告までが討伐
少し説明回です。
普通のハンターと列人達の違いがちょっとわかると思います。
013_帰るまでが遠足、報告までが討伐
ゴブリンキング退治後、列人達は倒したゴブリン達の魔石を回収し死体を処理する作業に追われた。
ぶっちゃけこちらの方が手間が掛かった。
まず百香が植物の力で土を堀る。
百香の植物は霊力でできている為、霊力を切ればすぐに消える。
根っこを張る植物を作っては消しをすれば穴の掘れるというわけだ。
そこに死体を放り込み、列人が死体を焼いた後に埋める。
埋めるのは手作業なのでここが一番時間が掛かった。
今回ゴブリンは合計で150体ほどいた為、さすがの二人もこれには骨が折れた。
モンスターは放っておくと死肉が他のモンスターを呼び寄せたり、死体自体がアンデット化するので、放置するのは御法度である。
「なあ、百香。死体処理にいい術とかないか?」
「ないわよ。スコップを作ってあげただけありがたく思いなさい。
列人は今までどうしていたの?」
「消し炭になるまで焼いた。」
「なんで今回はしないの?」
「この間やったら、ミステリーサークルができて村でちょっとした騒ぎになった。」
「・・・」
と不毛な会話をしながら淡々とゴブリンを穴に埋めていく作業は日没の少し前までかかった。
今回の収穫では以下の通りである。
・ゴブリンの魔石150個
・ゴブリンキングの魔石1個
・ゴブリンが持っていたナイフ、5本
・ゴブリンキングの大剣、1本
・ゴブリンキングの鎧、1組
ゴブリンキングの大剣と鎧は意外と大きく嵩張る為、普通はまず運ぼうとは思わない。
しかし村では金属は割と貴重な為、どうしても持って帰りたい。
他所様の世界であれば、ファンタジー御用達のアイテムボックス等があるのだろうが残念ながらこの場にはない。
この世界には一応マジックバックの様な物は存在するが、高価なため列人達は持っていない。
ではどうするか。ここで使うのは百香の植物の能力。
植物を材料にして簡易的なソリとそれを引く紐を作成するのだ。
百香の能力は何気に汎用性が高く、ヒーロー時代にも重宝していた。
こうして2人は無事日没前に村にたどり着き、ハンターギルドへの報告に向かった。
「ただいま帰還しました、と。フィオ、今大丈夫か?
常駐依頼の報告と魔石の換金をしたいんだが。
あと、ゴブリン共から金物をふんだくったから、それも預かってくれ。」
「お帰りなさい。レットさん
大丈夫ですよ。魔石の提出をお願いします。
金物っていうのはその剣と鎧とナイフですね。
いつも通り鍛冶屋さん行きでいいですか?」
列人がフィオに報告をしながらは机の上に魔石が入った袋を置く。
フィオはそれを受け取り、鑑定用の機器へと入れていく。
ちなみに今のフィオは仕事モードである。
「ええと、ゴブリンが150にキングゴブリンが1ですか。
やはり巣があったんですね。しかし相変わらず頭のおかしい数ですね。
とても1人2人で討伐する数ではないです。
またミステリーサークル作ってないですよね。」
「作らねえよ。言っとくけどそれ半分は百香がやってるからな。」
「本当ですか!100体以上のゴブリンをまとめて相手できるのなんて、この辺りではレットさんだけですよ!」
「ああ、大マジだ。こいつ近接戦闘もできるし、遠距離戦闘と支援に関してはおそらく俺より強いからな。」
「そうなんですか。・・・では入隊試験は合格って事ですね。
報酬の支払いの前にチームへの登録しましょう。
モモカさん、カードをお願いします。」
「はい、お願いします。」
百香がフィオにカードを渡すとフィオは部屋の奥へと手続きをしに向かった。
しばらくすると手続きを終えたフィオが報酬とカードを持って来た。
「フィオさん、ちょっといいかしら。」
「何でしょうか?モモカさん。」
「今回の報酬だけど、ゴブリンは半々、キングゴブリンはレットに支払ってくれる。
あと私の報酬から登録料を天引きしておいて欲しいの。」
「レットさんに払ってもらわないんですか?」
「こいつに借りを作りたくないわ。特にお金に関してはね。」
前も言ったが百香はお金の事はキチンとしたい人間なのである。
「・・・分かりました。ではその様に処理します。
レットさんもそれでいいですか?」
「ああ、こいつの言う通りにしてくれ。」
フィオは2人の要望通りに報酬を配分する。
報酬はゴブリンが1体1000クレト、ゴブリンキングは10万クレトであった。
大物になるほど討伐難易度は高く当然報酬も跳ね上がる。
そこからモモカの登録料3000クレトが引かれるので、列人17万5000クレト、モモカ7万2000クレトが今回の報酬となる。
本来、5000クレトもあれば一泊と食事分には十分な額となる。
1万クレト稼げれば、ハンターとしては一人前扱いなので、この二人の報酬はかなりのものである。
ちなみに金物は売れた後、後日代金が渡される形となる。
「レットさん、先ほどギルドマスターが呼んでましたので、
マスターの部屋までお願いできますか?」
「フィオ、バクラの奴がか。何の用だろう。2人でか?」
「こら、レットさん。ギルドではマスターと呼んでください。
私には仕事中はとか言うくせに。2人でです。」
「ああ、悪い。じゃあマスターのとこに行ってくる。」
拗ねるフィオに謝りながら、マスター室に向かう列人達である。




