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112_ハイキックはズボンを履いて

ギルバートがコル村に到着です。

しばらく日常回が続きます。

112_ハイキックはズボンを履いて


「ただいま、百香。知ってるとは思うけど一応紹介する。

ギルだ。これから俺のところで修行するからそのつもりで。」


「列人、ちょっといいかしら。なんで先に連絡入れないの。

ちゃんと『メッセージアイリス』渡したわよね。」


「いや、サプライズ?」


「死ね、列人!!!」


百香の叫びと共に列人の左側頭部に百香の右足が突き刺さる。

見事なハイキックである。列人は横方向に5m程吹き飛びそのまま回転しながら壁に激突。

コル村ではもはや日常風景なのだがこれにはギルバートも呆然とした様子。

尚、今百香が履いているのはズボンである為、中身は見えない。

期待していた方には誠に申し訳ない(ゲス顔)。

流石の百香もスカートでハイキックはしない。


今列人達がいるのは先日ユンボ女子達の手によって掘られたギルド地下にあるエレメンタルズ秘密基地だ。

そこにエレメンタルズの全員を集めてギルバートの紹介をしようという事になったのだが、ギルバートが先に百香に謝罪をしたいと申し出があったので先に百香と顔合わせをした次第である。サプライズで。

王子が来る事を知らされていない百香は当然ブチ切れるわけで、その事を列人も知っているはずだが百香を揶揄いたい気持ちを抑える事が出来なかった。

行動が小学生並かでなければドMである。

列人も王都に行って疲れていたのだろうか?ギルバートを気絶させたまま走ってきたりいつもより若干はっちゃけた行動が目立つ。

亜美とミランダはいつもの光景だなぁ、と言う感じでそれを生暖かい目で見ている。

そんな中、先ほど吹き飛ばされた列人が復帰し、ギルバートに声を掛ける。


「おい、ギル。これが今の百香だ。さっさと覚悟を決めてやるべき事をしろ。」


「ああ、そうだな。モモカさん、でいいのかな。初めまして、というのも変だがギルバートだ。

これからコル村でお世話になる。それとここでは王子ではなくただのギルバートとして扱って欲しい。」


「・・・・わかりました。殿・・じゃなかった。ギルバート。

私の事は百香でお願いします。」


ギルバートの挨拶に固い表情で百香が答える。

いきなり王子扱いするなと言われても無理がある。

百香は列人程常識を捨てていないつもりだ。

ギルバートの方も普通はこんなものだと思っている為、特に気にしない。

挨拶も一通り終わり、ギルバートが意を決して本題に入る。


「モモカさん、それとモニカ嬢に私は謝らなくてはならない。

私が至らないばかりに君に無実の罪を着せる事になり、その上命の危機に追いやってしまった。

謝って済む問題ではないのはわかっているが、せめて謝罪させて欲しい。

・・・すまなかった、モモカさん。」


ギルバートの謝罪を受けて百香は僅かに表情を曇らせた。

それから先ほどより少し低めの声色でその謝罪に返事をする。


「本当ね。謝って済む問題じゃないわね。

そしてあなたはようやくその事に気づけたようね。

じゃあ、覚悟はいいかしら。歯を食いしばりなさい。」


そう呟いた百香がゆっくりとギルバートに歩み寄る。

ギルバートは言われた通り歯を食いしばる。

先ほどの列人へのハイキックを見たすぐ後だ。

自分も当然殴られると思っている。

そして百香がギルバートの前に立ち手を振り上げる。


コツ、


覚悟していた衝撃はなく、ギルバートの額に軽く百香の指が当たる感触がする。

デコピンである。


「うん、十分反省しているみたいね。じゃあ、さっきのデコピンで手打ちね。

これからはどういう風に行動するのか、じっくり考えていきましょう。

分からない事があったら、お姉さんが相談に乗ってあげるから。」


その百香の穏やかな笑顔を見たギルバートは胸の鼓動が高鳴り、頬が熱くなるのを感じた。

ギルバートの赤くなった様子を見て、百香もなんだか気恥ずかしい気分になる。

お忘れかもしれないが百香つまりモニカは美少女なのである。

その美少女が自分に対して優しい笑顔を向ければ、思春期の青少年がどういう反応をするかは火を見るより明らかだ。

百香つまりモニカ程の美少女がこのような反応をされる方が本来自然なのだが、百香はコル村でこういう反応をされたことがない。

(列人と殴り合いを繰り広げたりと非常に残念な行動ばかりしている為)

このような青春の甘酸っぱい一ページの様な光景にこいつらが茶々を入れないわけがない。


「おい、ギル。また二股か?百香にするのか、亜美ちゃんにするのか、きっちりけじめをつけろよな、コラ。」


「百香お姉さんもだよ。ジーニーにするの、ギルにするの。

この国じゃ複数婚はOKだけどちゃんとお互いが納得のいく形でね。」


「コラ!あんたたちやめなさい。不敬罪待ったなしだし、王族の結婚話とか厄介事しかないわよ。」


「おい!レット、誤解だ。決してそういった意味ではない。これは・・・そう、一種の生理現象だ。

美人の笑顔を見せられたら男はこういう反応をするものなんだ。」


「え!美人・・・私が・・・」


「ギル、テメー。さりげなく百香の事口説いてんじゃねえ!!」


「列人お兄さんは人の事言えないよ。しょっちゅう村の女の子口説いてるくせに。」


「レットってそんな奴だったの。幻滅だわ。」


「おい、亜美ちゃん。変な言い掛かりは止せ。ミラも信じるな。」


「お兄さん、なんか浮気男の言い訳みたいだね。」


「亜美ちゃん、マジでやめろ。名誉毀損で訴えるぞ。」


もはやカオスである。皆が好き勝手騒いで全く収拾がつく様子が見られない。

そこに救世主がやってくる。


「おい、お前ら何騒いでるんだ。ギルバート殿下が来るって聞いていたが。」


「そうだよ、自分達だけ楽しそうにしてさ。僕も入れてよ。」


「アルくん、楽しそうに騒いで。仲間外れとか酷いです、私も混ぜてください。」


「よっし、バクラ、ジーニー、フィオ、よく来た。お前ら、この話はもう終わりだ。いいな!!」


「私が美人・・・」


「百香お姉さん。戻ってきて~。」


バクラ、ジーニアス、フィオの登場によりこのカオス状態は終わりを迎えた。

尚、百香がこのような状態になったかというと、百香が容姿を褒められる事に耐性が無いからである。

周りの男達はデリカシー0 (列人)、研究バカ (ジーニアス)、妻一筋サイコ野郎 (バクラ)、巨乳好き差別主義者 (ヨーゼフ)、恋愛感情があるかわからない超堅物 (ロバート)と碌でもない連中ばかりだ。

正統派イケメン王子 (ギルバート)に美人扱いされればときめいてしまうのも無理はない。

ついでに言えば、このイケメン王子も実は天然ジゴロである。

そのせいでファンも多く、結果モニカに敵を作るという弊害を生むのであった。

このあと、ギルバートはバクラとフィオにも自己紹介をする。


「これからコル村でお世話になるギルバートです。

バクラさんとそちらの可愛らしい女性がフィオさんですね。

以後お見知りおきを。」


「ああ、わかった。ここではただのギルバートと言う事だな。

俺がバクラだ。元ハンターギルドマスターだったから色々顔が利く。

何かあったら相談してくれ。」


「初めまして、ギルバートさん。

アルくんのお嫁さんのフィオです。

アルくん共々、これからよろしくお願いします。」


「「「「「・・・・・」」」」」


王子であるギルバートの挨拶に対して、全く動じることがないバクラと、全くブレないフィオに他の5人はある意味感心する。

特にさりげなく女性を褒めるギルバートに全く動じないフィオには皆、尊敬の念すら覚える。

このあとギルバートの今後の事を話し合った。


「ところでギルバートの住む所だけどどうする?

一応ゲオルグ先生が帰ってくるまでは寮が使えるらしいが、帰ってきたら部屋が足りなくなるそうだ。」


ちなみに今ゲオルグはチル集落に出張中で、ギルドの寮はその部屋以外は空きがない状態である。

その事についてバクラが言及するとそれに列人が答える。


「それについてだが、訓練も兼ねて基地に全員分の個室を作ろうと思う。

1、2日の内に俺とフィオで図面を引くから皆そのつもりで頼む。

この間と同じくギルドに依頼を出すから。」


「夫婦の共同作業ですね、アルくん。」


「違う、ていうかこのやりとり前もやったな。」


「列人お兄さん。報酬はいくらですか?」


「そうだな、1日で終わらせる予定だから5000万かな。」


「やります!!!是非やらせてください!!!」


「亜美ちゃん、また目が¥マークになってるわよ。」


「なあ、ミランダ嬢、一日で部屋を作ると聞こえたのだが。

後アメリアの様子がおかしい。」


「で・・じゃなくてギル。あれがアミの本性よ。

『学園』では相当猫を被ってたみたい。

後、ギルの耳は正常よ。確かに一日で作ると言ったわ。」


「ギル、ここでは亜美って呼んで。」


「ああ、わかったよ・・・アミ。」


女性を愛称で呼ぶのに抵抗があるのか。少し顔を赤くしながらギルバートは亜美の名を呼ぶ。

この男は天然ジゴロの癖に初心なのである。


「その間にギルの挨拶廻りと基礎訓練と生活指導だな。

ギルは家事はどれくらいできる。」


「自分の身の回り程度ならそれなりに、と言ったところだな。

流石に本職程は無理だが、掃除、洗濯、料理程度なら困らない。」


「おい、生活能力が王子様より低い貴族様ってどういうことだよ。」


「いや、ギルバートが特別なんだよ。貴族や王族は普通できないから。」


「そういえばアズさんもお茶とか普通に入れてたな。」


「母が下級貴族だったから、小さい頃に習ったんだ。父上がお茶を入れられるのもその影響だ。」


「「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」」


少し懐かしそうにそして寂しそうに呟くギルバートに皆思わず黙り込む。

そんな皆の様子にギルバートは苦笑しながら話を続ける。


「少し身の上話をしようか。

父上は元々王位継承権が低くてな、若い頃は王になる予定はなかったんだ。

政治手腕こそ歴代最高と言えるくらい優れているが、その他の王としての知識はほとんどないんだ。

父上は若い頃に母と駆け落ち同然で結婚、他の王位継承者が軒並み病や事故で亡くなるまでは普通の市民同然の生活をしていたんだ。

そのせいか下賎な血の王子とか紛い物の王族とかよく言われていたな。

その事でアメリ・・・アミに愚痴った事もあった。

今ではそんな雑音、全く気にならなくなったがな。」


「へぇ、そんな事があったんだね。僕は貴族をしているけどそんな事知らなかったよ。」


「知っておきなさいよ。あんたは。本当に友達甲斐の無いやつね。」


「ミランダ嬢、そう言ってやるな。ジーニアスのそういう態度が私は結構気に入っていたんだから。」


「心配するな、ギル。ここでは身分云々をとやかく言う輩はいないから。」


「そうだね。貴族相手に平気で暴言、蛮行を行う不届きものがいるからね。」


「それは失礼しましたね。ジーニアス様。ぶち殺しあそばせるぞ、コラ!!」


「そういう所よ、レット。あんたはもっと自重しなさい。」


「コラ!あなた達。仲良くするのは結構だけど話を進めましょう。」


騒がしく、遠慮の欠片もないやり取りに、子供の頃を思い出し言いようの無い懐かしさを感じるギルバートだった。

これはもの凄くどうでもいい個人的な好みであり、別に他の作品を否定するものではないのですが、パンチラは人の意図が介在しない所で発生するからこそ価値があると思います。

従って格闘少女等がハイキックで見せるパンチラ等、スカートで激しく動く行為は当作品では固く禁じられております。

仮にスカートで激しく動く時でもカメラアングル等で見えないように配慮させて頂きます。

あらかじめご了承下さい。

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