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010_ご近所への挨拶は大切です

010_ご近所への挨拶は大切です


転生2日目の朝

列人、百香、マリアが朝食を食べながら今後について話していた。


「百香、今日は何かしたい事とかあるか?」


「うーん、そうね。とりあえず職探しかしら。」


「え、もう、モモカちゃん昨日は大変だったんだから少しは休んだら?」


「いえ、マリアさん。早く生活の基盤を作っておきたいし、こっちの生活にも早く慣れないといけませんので。」


「でも、それで身体を壊したら大変でしょう。なんならアルに養ってもらったら?」


「マリアさん、それってどういう意味ですか!」


「別に構わんけど。拾った手前放り出す様な真似はしないし。」


「ちょっと!列人。余計な事言うんじゃないわよ。」


からかうような口調のマリアに対して、1オクターブ声を低くして返す百香。

こんなに楽しそうな母を見るのは久しぶりかもしれない。

もしかして若い娘との会話に飢えていたのかなと、的外れな事を考えている列人。


「とりあえず、就活だな。でもその前に村の案内をする。

今日は用事もないし比較的自由に動ける。後はご近所さんへの挨拶だな。」


「え?ご近所さんへの挨拶?」


ここは田舎である。その為住民は皆顔見知り。

知らない人間や怪しい人間がいれば、一発で自警団もしくは騎士団に通報されるレベルである。

また、挨拶をした、しないで印象がだいぶ変わってくる。

人間関係を円滑にする為にも、ご近所さんへの挨拶はとても大切である。

まあ、流石に村人全員を廻るというのは無理だが。

都会っ子の百香にはイマイチピンと来ないが、田舎でかれこれ10年間過ごしている列人はこの重要さを十分に理解している。


「そうだ、母さん。百香に服を貸してくれないか?

今来ている服だと目立ちすぎる。とても普通の村人には見えない。」


列人が百香の服を変えたい理由として目立つ事を挙げたが、本当の理由は首を隠して魔封じのチョーカーを見えなくする為だ。

だがこの時、マリアの表情が僅かに曇った。


「そうね、でもサイズ合うかしら・・・胸とか・・・」


「・・・ちっ!ここでもこの無駄な脂肪が邪魔をするか・・・」


百香は思わず舌打ちをし、ドスの利いた声で呟く。

それに対してマリアが首をかしげながら質問する。


「モモカちゃんは自分の体型が嫌いなの?」


「ええ、できれば今すぐこの無駄な脂肪をもいでやりたいです・・・・」


「同志よ!」


ガシ!2人は熱い握手を交わす。

この時2人は同じ志(巨乳嫌い)を持つものとして世代を超えた友情が芽生えた。

尚、マリアのサイズは生前の百香と同じBである。


「気持ちはわかるけど、それは後にして服頼むよ。」


列人は同志(巨乳嫌い)の気持ちを分かりつつも少し呆れながら行動を促す。


「「じゃあ、いってきます。」」


「気をつけていってらっしゃい」


マリアの服に着替えた百香と一緒に出かける列人を送り出しながら、ふとマリアは思った。


「絶対、アルとモモカちゃん。

恋人関係と思われてからかわれるだろうなぁ。

後でアンナさんの所に行かなくちゃ。」


そう、田舎はそういう話題に敏感なのである。

従って、列人と百香の噂はおそらく光の速さで村全体に広がるだろう。

息子をネタにお隣さんとの茶飲み話を楽しみにするマリアであった。


一方列人達が最初に向かったのは、お隣のスコット・アンナ夫妻の家である。


この夫婦は畑と牛、鶏を育てており、列人はよく狩りで獲った肉を持っていき、代わりに野菜や卵、牛乳をもらっている。

所謂物々交換である。また、お互いに不作だったり、急に物が入用になったの時には助け合っている。


今回もボア(猪のモンスター)の肉の燻製を片手に挨拶に向かう。


「おはよう。スコットさん、アンナさん、朝早くからすみません。いますか~。」


列人が扉をノックしながら声を掛けるとすぐに40歳くらいの女性が扉を開けた。


「おはよう、アル君。今日はどうしたの?いつもより随分早いけど。」


「おはよう。アンナさん、これお土産。後、紹介したい奴がいるからその挨拶。」


列人は燻製肉を渡しながらアンナに挨拶を返す。


「俺の後ろにいる子なんだけど、これからうちに住むことになったんだ。名前は百香。」


「初めまして、百香です。」


百香がアンナに挨拶をすると

アンナは血相を変えて家の奥に向かっていった。


「・・・どうしたのかしら?、何か失礼な事でも。」


「いや、それはないと思うが?」


「お父さん!大変だよ!アルくんがすごい別嬪な恋人を連れてきたよ!」


「なんじゃと、そりゃ本当かの母さん!ちょっと待ってくれ、すぐ行く!」


「「・・・・・」」


そう、ここは田舎である。

年頃の男女が揃って挨拶に来て、これから一緒に暮らす等と言えば恋人同士、それも結婚を前提だと思われても仕方がない。

その事を失念していた列人はこれから誤解を解く為に、馬車の事故等の事情を説明しなくてはならなくなった事に思い至り、暗澹とした気分になるのであった。

ネタバレです。



列人と百香がラブな事にはなりません。

この二人はあくまでも悪友です。

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