101_精霊について
本日2話目です。
今回は精霊についての説明回です。
ヒーローの変身についての説明はこれで最後になると思います。
101_精霊について
「しかし『怪人』が相手となると『変身』は必須だよな。」
「そうなると問題は『精霊』ね。」
エレメンタルズの今後の方針も決まり、問題点について洗い出していたところ、一番の問題点として挙がったのが『精霊』である。
「なあ、アル。その精霊について説明してくれないか?」
「はい、私達ヒーローじゃない人間には状況がわかりません。」
精霊の問題について状況がわからないバクラとフィオが説明を要求し、それに列人が答える。
「精霊っていうのは、言うならば超自然的なエネルギーを司る者かな。
神話の神々や英霊、歴史上の英雄、様々な形をとって人類の味方となってくれる存在だな。
ちなみに俺の中には炎の神『火之迦具土神』が宿っている。百香には妖精女王『ティターニア』だな。」
「へえ、そんなのがあるんだね。それで問題点というのは?」
列人の説明にジーニアスが先を促す。
「それはな、精霊は変身の時に必要不可欠な存在で、変身の為の契約をしないといけないだ。
だけど霊力があるからと言って必ずしも精霊と契約しているわけではない。
むしろ適性のある精霊を探すのが変身をやる上で一番の課題となるんだ。」
「しかも精霊なんて普通の人には見えないし、どこにいるかもわからないわ。
探そうにも普通の方法では手掛かりすら掴めない。そんな厄介な案件なのよ。」
列人の説明を百香が引き継ぐ。
それに対してジーニアスがさらに質問を重ねる。
「じゃあさ、アミとバクラさんにも精霊はいるの?」
「俺はわからん。バクラに霊力があるとわかったのがついこの間だ。
その上精霊となると検討もつかない。」
「バクラさんには精霊はいないわよ。
この間私が霊力を調べた時に一緒に確認したから。」
「そうなるとまず俺は精霊を探さないといけないな。」
「アミの方はどうなの?」
「・・・精霊はいるよ。ただしどんな精霊かはわからない。」
「亜美ちゃん、どういう事?」
亜美の返答に列人がよくわからないと言った表情で質問する。
列人は亜美が自分達同様前世と同じ精霊をこちらでも引き継いでいると思っていたからだ。
その質問に亜美が答える。
「私ね。ヒーローを引退する時に精霊との契約を解除しているの。
現役時代の精霊は総司師匠から引き継いだ四神の一柱_木行を司る龍『青龍』だったんだけど。
転生した時に別の精霊と新しく契約してたみたいなの。」
「なるほど、先天契約って奴か。」
「「「先天契約???」」」
亜美と列人のやりとりにヒーロー以外の3人は疑問の声をあげる。
それに対して列人は補足説明をする。
「精霊の契約には2種類あるんだ。
先天契約と後天契約、要するに生まれつきの契約か生まれた後の契約かの違いだ。
前世では俺と百香は先天契約、亜美ちゃんは後天契約だったんだけど、今世では亜美ちゃんも先天契約しているって事。
先天契約の場合、わざわざ精霊を探す必要はないけど、自分の中に宿った精霊の正体を自分で探さないといけないんだ。」
「これはこれで大変なのよね。
列人みたいにわかりやすい精霊ならいいんだけど、私の場合伝承で出てくる精霊と実際の精霊の能力があまりに離れていたから探り当てるのに一苦労したわ。
しかも今回の亜美ちゃんの場合は地球由来の精霊かアナシス由来の精霊かわからないんでしょう?
調べる範囲が実質倍になったってことよね。」
「ねえ、亜美ちゃん。精霊と話す事はできる?」
列人のこの質問に『大人の亜美』が答える。
「そうね。この精霊と言葉を交わす事はまだできていないわ。
おそらくだけどこの精霊については私はよく知っているの。
ただ、私の願望も含まれているから確証はないんだけどね。」
「そうか、わかった。亜美さん。」
「・・・亜美・・・さん?」
「えっと・・アミだよね?」
「「・・・・・・」」
急に大人の雰囲気になった亜美に列人以外の4人は驚きの声をあげ、もしくは驚きのあまり黙り込む。
そんな皆の様子を見た亜美はすぐに『子供の亜美』に戻る。
「あ、ごめん。皆驚かせちゃったね。
昔の事を思い出すとどうしてもね。
ところで列人お兄さん、バクラさんの精霊のあてはあるの?」
「いや、これに関してはわからん。
バクラの霊力の色である鈍色に合うこちらの伝承を調べて行くしかないな。」
「はぁ、実質手掛かり無しだね。先は長そう。」
「「「「・・・・・・・」」」」
列人と亜美が精霊について話す中、他の者は亜美の余りの変わり様にまだついていけていない。
そんな皆の様子を察したのか列人が全員に声を掛ける。
「皆、そういうわけだから、何か神様とか超常的な存在の伝承とかがあったら教えてくれ。
と言っても今日はもう遅いし、百香と亜美ちゃんとジーニーは戦闘直後だからここまでにしよう。」
「そういえばそうだったね。特に百香お姉さんは重症だからゆっくり休んでもらわないと。」
「ああ、そうだったな。悪いモモカ、遅くまで付き合わせて。」
「構わないわよ。早く情報共有するべきだったし。
といっても流石に疲れたわね。この辺でお開きにしてもらえるとありがたいわね。」
「では、解散しましょう。モモカさん、お休みなさい。」
「おやすみ、モカ。」
「ええ、皆。お休みなさい。」
今までにないくらい優しい表情で皆にお休みを告げる百香に見送られ一同は帰途についた。亜美を除いて。
皆が帰った後、亜美は満面の笑みで百香に語りかける。
「『おかえりなさい、百香お姉さん。』いつも私達を守ってくれてありがとう。
百香お姉さん、だ~い好きだよ。」
「ありがとう、亜美ちゃん。私も亜美ちゃんの事が大好きよ。」
俯きながら返事をする百香は、自分の声が掠れていないか心配になるのであった。
百香と亜美の関係が改善したみたいで取り敢えずホッと一安心です。
これから全員の精霊をどう出していくのか、悩ましいところです。
亜美とバクラは勿論、精霊持ちの列人と百香のエピソードも欲しい所ですよね。




