100_ゴリラは太らない
今回は本編ナンバリング100記念+投稿開始2ヶ月目記念で2話投稿予定です。
2話目は4時に投稿予定です。
まずは日常回、少し時間を遡ります。
100_ゴリラは太らない
これは列人とヴィルヘルムがアズイールの元に行っている時の話である。
その日、ミランダとジルはお留守番をしていた。
2人は優雅にお茶をしながら近況について語りあう。
この二人、昨日買い物に行って色々苦労話をしている内に意気投合した。
今日も男どもがいない内に愚痴合戦である。
「でも本当に男どもっていやよね。
レットはデリカシー0だし、ジーニーは研究バカだし、バクラさんはメリッサさんが絡むとサイコ入っているし。」
「ええ、わかります。うちの団長も基本脳筋ですし、鈍感ですし。」
「え!ヴィルヘルム団長ってそんな感じなの?
知的な大人のイメージがあったけど。」
「そう思うでしょう。本人もできるだけ穏便に解決しようと努力はしてるんですよ。
それは認めます。でも最終的にはいつも武力行使なんですよ。」
「へえ、具体的には?」
「団長がある貴族の子息を訓練したのですが、その貴族の親が息子を虐待したと難癖付けてきたんです。
最初は団長もちゃんとした訓練である事を説明していたのですが、貴族の親は聞く耳を持たず最後には罵詈雑言を喚き散らして来ました。
それに団長が腹を立てて、その貴族の親子と護衛と止めに入った貴族寄りの騎士をまとめてボコボコにしたんですよ。」
「・・・それはなんとも、ちなみに罵詈雑言の内容とは?」
「確か、『貴様の様な無礼者が団長とは聞いて呆れる。まあ、そこの女を私達の夜の相手に差し出すなら許してやってもいいがな。』
だったかしら。そこにいた女って私とマーガレット一等兵だけだったから。
まあ、新人の子にそんな事言われたら怒るのもわかるけど、もう少しうまくやってほしいものね。」
「・・・はぁ、あなたも大概鈍感ね。」
「なんの事ですか?」
「まあ、いいわ。この間訓練と称して土木工事をさせられた時の話なんだけど。」
「はぁ?土木工事ですか。」
「そうなの、その内容がひどくって。あいつら、特にレットの奴は女を女と思わない事ばかりするのよ。」
「聞きましょう。盛大に愚痴って鬱憤を晴らしてください。」
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それは、バクラが人間を卒業した次の日の事。
列人のこの言葉から始まった。
「よし、秘密基地を作ろう。」
「何、列人。いきなりおかしな事言い出して。頭沸いてるの?」
「いいね、秘密基地は男のロマンだね。」
「はぁ、ジーニーまで。男の子ってどうしてこういう事好きなのかな。」
「おい、アル。基地はいいとしてどこに作るんだ。」
「ああ、ギルドの地下だ。ネスさんには許可をとっている。」
「ちょっと、レット。なんでこういう事ばっかり根回しがうまいのよ。
そもそもよくネスさんが許可出したわね。」
「列人、あなたネスさんに適当な事言って無理やり許可下ろさせたんじゃないでしょうね。」
「おい、百香。なに酷い言い掛かり付けてきてるんだよ。
ちゃんと言ったぞ。村の緊急避難場所を作るって。」
「え!列人お兄さん。秘密基地作るんだよね。
村の緊急避難場所って嘘ついたの?」
「亜美ちゃん、別に嘘はついていないよ。
ヒーローの基地はいざという時の緊急避難先になるものだからね。
つまり秘密基地を作る=緊急避難場所を作るという事だ。」
「レット。それはなかなか酷い暴論だね。
僕も流石にそこまで酷い事は思いつかなかったよ。」
「ちなみに図面は俺とフィオが引いたものだ。
しっかり強度計算も行っているから完璧だ。」
「はい、頑張りました。アルくんとの共同作業です。
これはもう結婚したと言っても過言ではありません。」
「いや、過言だからな。
図面を一緒に引いたら結婚って建築業者は皆夫婦なのか。」
「しかも男同士でね。」
「百香、気持ち悪い事いうな!!」
「その思考って百合先生っぽいね。」
「亜美ちゃんもやめてくれる。いちいち自分の先生を貶めるの。」
「列人お兄さん、いい加減百合先生に幻想を抱くのはやめた方がいいよ。」
「うん、亜美ちゃん。君の発言は百合ちゃんの幻想と共に君への幻想もぶち殺しているからね。」
「はぁ、レット。やるんだったらさっさと始めましょう。
どうせやるまで終わらないんでしょうから。」
列人の発言に皆好き勝手に言いたいことを言うものだから収集がつかなくなり、それをミランダが方向修正しながら話を進めていく。
最近ではお馴染みの光景である。
エレメンタルズ5人とミランダとジーニアスの7人は建設予定地であるハンターギルドの裏庭までやってきた。
「では早速だがまずは穴を掘っていこう。深さ50mくらい掘るぞ。」
「はあ!なんでそんなに深くするのよ。」
「だってこれから敵襲があるかもしれないんだぞ。できるだけ安全な方がいいだろう。
地下10mくらいだとまだ心許ないからな。設計図にもそう書いてあるだろう。」
「本当ね。ところでレット。この出入り口に設置するエレベータってなんなの?」
「そうだね。それは僕も気になっていたんだよ。なんかものすごく大きな設備みたいだけど。」
「エレベータってのは垂直に床が動いて地上と地下を昇り降りする設備だ。
ちなみにもうインベントリリュックの中にパーツ別に入れている。
穴さえあれば、30分で組み上げることが出来るぞ。」
「ねえ、それ見たい、早くやろう。皆さっさと穴掘るよ。」
「わぁ、ジーニーの目が血走ってるよ。」
今回は深さ50m、縦,幅20mの巨大な穴とそこから横穴を掘りながら100m四方、高さ5mの大空間を2日間でつくる予定だ。
ちなみに縦穴の大きさはグレートサイクロン号が楽に乗り入れできる様にとの事だ。
こうして悪夢の土木工事が始まった。
まず担当はフィオが現場監督、百香、亜美、ミランダは専属穴掘り担当、ジーニアスは穴掘り兼魔法による壁などの補強係、列人は穴掘り兼土を地上に持ち運ぶ係、バクラは運び出された土の運搬係である。
穴掘り道具は百香が植物で作成(そこらの金属製より頑丈)とインベントリリュック7つ(この日の為に人数分(6個)購入、1000万クレト×6)。
穴掘り担当は只管穴を掘ってインベントリリュックに土や石を入れていく。
インベントリリュックが満タンになったら列人がそれを地上まで運び、バクラに渡す。
バクラは新しいインベントリリュックを列人に渡し満タンの土を所定の場所に持っていき捨てる。
掘ったあとはジーニアスが魔法で壁を補強する。この作業の繰り返しである。
(ちなみにこの時エレベータのパーツは一旦外に出している。)
「ねえ、モカ。これって間違いなく大規模工事よね。
4時間足らずで終わったんだけど。」
「正確に言えば、ジーニーの壁補強が終われば縦穴工事は完了ね。」
「4時間でよ。ありえないわよ。」
「でも、できたものは仕方がないわ。」
この工事、皆が霊力及び魔力での肉体強化を行いながらの作業だったため、一人当たりの作業量がとにかく尋常ではなかった。
スコップ一掬いで数10キロの土や石をすくい上げてインベントリリュックに入れ、それを列人が空中多段ジャンプで地上まで運び、バクラが所定の処理場まで持っていく。
その光景は重機を大量に投入した地球の工事現場以上の凄まじいものだった。
あまりの速さに途中からジーニアスは壁の補強専属になったほどである。
人間のスコップ一掬いがユンボ(シャベルカー)以上なら仕事が早いのは当たり前である。
この非常識な光景を自分が生み出している事に対してミランダは思いっきり顔を引き攣らせていた。
「ねえ、アミ。どうして男たちは穴掘りしていないの。」
「列人お兄さんもジーニーもバクラさんも別の作業しているからだよ。」
「知ってるわよ。でもこういう力仕事って普通男の仕事じゃない。」
「文句ばっかり言わない。この仕事列人お兄さんがギルドを通して発注してくれたんだけど、報酬1人当たり1億クレトだよ。」
「アミ!あんた、またお金に釣られて!」
縦穴が終わったあと、列人がエレベータを設置している間、ユンボ女子達はフィオ監督の指揮の元、基地の部屋となる横穴を掘っていった。
ちなみにジーニアスは穴が掘られていくと同時進行で魔法による補強を行っており、バクラは土の運び出す作業を行っている為、穴掘りは女子しかしていない状況である。
目を¥マークにしながら黙々と作業をする亜美にゲンナリするミランダである。
そして掘り進める事1日と数時間(勿論一日8時間以下の労働時間)、
ハンターギルドの地下50mの位置に100m四方で天井高5mの大空間が作られた。
これを全て魔法で補強するのだからある意味ジーニアスが一番重労働である。
ユンボ女子が掘り出した土を全て外に運び出すバクラの作業量もなかなかである。(地上に行く時は空中多段ジャンプを使用)
列人はと言うと掘られた穴に魔道具の灯りを設置したり、通気口を作ったり、エレベータの横に階段を作ったり、エレベータの天井を作ったりと工兵さながらの動きをしていた。
実はユンボ女子の作業がこの中で一番楽だったりするがミランダはその事に気づいていない。
まあ、軽く10万トンを越える土を掘らされていればそんな感想を抱くのも無理はない。
終わった時にはミランダは体中ガタガタであった。
「ねぇ、モカ。一つ聞いていいかしら。レットって散々あなたの事をゴリラ呼ばわりしているわよね。」
「・・ええ。」
「私もゴリラなのかしら?」
「世間一般で見たら間違いなくそうね。」
ミランダは認めたくない事実を百香から突きつけられ、四つん這いになり項垂れるのであった。
そこにザ・デリカシー0の列人が追い打ちを掛ける。
「どうした?ミラ。そんなこの世の全てに絶望した様なポーズをとって。」
「あんたのせいよ。あんたのせいで私はね・・・」
「ああ、もしかして百香の仲間入りした事を気にしているのか?」
「ねえ、列人。今、私名前の読み方がゴリラになっていた気がするんだけど。」
「あ、やべぇ。聞かれちまったか。まあ、気にするなミラ。ゴリラにもいい事はあるぞ。」
「なによ、いいことって。人より強いっていうのは無しよ。」
「ゴリラは太らないんだ。」
「どういう事よ?」
「筋力圧縮効果って言ってな。霊力とか魔力で無理やり筋力を上げて鍛えた場合、筋肉が膨らむんじゃなくて筋肉の密度が上がるんだ。
だから見た目上は太ったように見えないんだ。」
「見た目上は?」
「ああ、筋肉の密度が上がっているから重さ自体は増える。百香はあのナリで体重70キロ手前くらいある。」
「はあ!と言うことは私もいずれは・・・・」
「ミラの体格なら70キロ以上はかたいな。」
「列人さん。ちょっとこっちに来てくれるかな・・・・」
その後ミランダが絶望に打ちひしがれている後ろでは、百香が列人にマウントを掛けて笑顔のまま顔面をタコ殴りにしていた。
尚余談だが、この工事の総工事費用は50億クレトだったという。
初めて列人の貯金に大きな打撃を与えたと言えよう。(それでもまだ50億残っているが。)
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「・・・・それは酷いですね。」
「そうでしょう。今じゃ怖くて体重計に乗れないんだから。」
「・・・私もです。」
「え!」
「私も2年前に測った体重が60キロを超えて以来体重計に載っていません。」
このあと二人の女性はデリカシーのない男どものせいで深く傷ついた自分達の心を慰めあう為、男どもへの愚痴を延々と続けるのであった。
095_桃色の計略でギルドの地下に村人を避難させる描写がありましたがこの時に作った基地です。
それから皆さんは疑問に思ったことはありませんか?
痩せているのに筋肉隆々の男を力でねじ伏せられる、そういうキャラが2次元には多数いると思いませんか?
これは筆者が考えるその答えの一つです。
これから2次元でそういう場面を見たときは、『実はあいつらすげー重たいんだぜ。』と思ってください。
これから本編ナンバー100記念として登場人物の身長と体重を公開します。
(この後、筆者の行方を知る者は誰もいなかった。・・・嘘ですからね。ちゃんと投稿は続けますからね。)
列人 178センチ 102キロ
百香 165センチ 69キロ
亜美 148センチ 60キロ
フィオ 155センチ 45キロ
バクラ 191センチ 130キロ
ジーニアス 172センチ 65キロ
ミランダ 170センチ 67キロ
列人(前世) 180センチ 110キロ
百香(前世) 175センチ 80キロ
亜美(前世) 150センチ 65キロ
ヴィルヘルム 185センチ 110キロ
ジル 168センチ 推定70キロ(二年前60キロ)
こいつらの見た目ですがバクラがマッチョで、ヴィルヘルムがやや筋肉質な事を除けば、だいたい細身か平均的な見た目です。
ちなみにこいつらフィオ以外はみんな水に浮きません。




