表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

101/321

099_情報共有と前世との因縁

百香がツァオガウから手に入れた情報の確認です。

099_情報共有と前世との因縁


百香は休む前に聞き出した情報の整理をする事を提案した。

この部屋にはエレメンタルズの5人とジーニアスがいる。


「じゃあ、情報を整理していくわよ。

まず、奴ら四天王の構成だけど、それぞれを『宰相』『将軍』『魔術長』『軍師』と呼び合っていたそうよ。

そして将軍以外の3人は国の中枢で要職に就いているそうよ。」


「マジかよ。誰がどんな役職かはわかるか?」


「まず宰相は政治中枢にもろに食い込んでいるみたい。

モニカの裁判でおかしな真似をしてくれたのもこいつよ。

あと宰相と名乗っているけどこれは魔王軍の宰相であって、フラム王国の宰相ではないわよ。

ちなみにフラム王国の宰相はモニカの父親のフリードリヒよ。

次に魔術長だけどこいつは宮廷魔術師でフラム王国の魔術的な防衛を弱体化させる為に動いているそうよ。

こいつはモニカの裁判の発端となったモンスター襲撃の時、『学園』の結界に細工してモンスターを呼び込んだ人物よ。

そして軍師は軍務大臣であるゼクス侯爵の相談役として色々口出ししていたみたい。

わざとコル村の近くにガラの悪い騎士を送りつけたりして、あわよくば国と列人の仲違いを狙ったりしていたんですって。」


「ちっ!こいつらロクなことしやがらないな。」


「次に奴らの拠点だけど、王都の郊外の屋敷だと言っていたわ。

最も軍師が戻らなかったら、すぐ別の場所に移るでしょうからそこはハズレでしょうけど。」


「でも、王都の中にはいるんだろう。」


「ええ、さっきも言った通り、四天王は国の要職に就いているから下手に王都の外には行けないみたいなの。

あと軍師は残りの四天王が人間に成りすましている時の素性を知らないみたい。

四天王同士の素性はお互いに教えない事にしていたそうよ。」


この話を聞いて先ほどまで黙って考え事をしていたジーニアスが口を開く。


「ツァオガウねぇ。もしかして軍務大臣の相談役、ツァウ相談役かな。」


「ジーニー、知っているの?」


「ああ、かれこれ30年以上軍の相談役をしていると言われている人物だ。

戦争があった頃はその軍略で国の窮地を大いに救ったそうだ。

ただ、非常に好戦的で12年前にアズイール陛下が玉座に就かれてからは目の上のタンコブみたいな存在になっていたそうだ。」


「ああ、それなら俺も聞いたことがある。

事ある毎に戦争を起こそうとする戦争狂、戦場を自分の軍略を試す為の遊び場だと考えている狂人。」


「最低ですね!人の命をなんだと思っているんですか。」


「全くだよ!そういえばあいつ魔人化する前にそんな事を言っていたね。」


ジーニアスから告げられたツァオガウの正体にバクラが補足し、フィオと亜美が憤慨する。


「あと、将軍はSランクのハンターだそうよ。こちらも詳細は不明ね。」


「バクラ、素行の悪かったり、なんかおかしな動きをしているSランクのハンターはいるか?」


「素行が悪い奴はいくらかいるし、おかしな動きと言われても今すぐはわからん。

少し調べる必要があるな。フィオ、頼めるか。」


「はい。わかりました。すぐに調べ上げて見せます。」


将軍については取り敢えずフィオが調べてからということになった。

残りの宰相と魔術長についても調べたいが今は伝手がない。


次に難しい顔をした列人が百香と亜美に質問をする。


「なあ、百香、亜美ちゃん。その魔人化だけどそれって『怪人』だったんだよな。」


「うん、私が見た限りそうだったよ。百香お姉さんはどう思ったの?」


「私も同意ね。あれは間違いなく『怪人』の気配だったわ。」


「なあ、『アナスト』の四天王に第2形態なんてあったかな?」


「いえ、なかったわ。そもそも『アナスト』の四天王は人間じゃなかったし。」


「ツァオガウは魔王に力を与えられたんだよな。

魔王についてなにか聞いていないか?」


「そうね、詳細はわからないけど奴は魔王をこう呼んでいたわ。

『無貌の女神』『顔のない姫』と。」


「!!!!」


百香が語る魔王の呼び名に列人の気配、もっと言えば殺気が今までにないくらいに膨れ上がる。

そのあまりの殺気に他の5人は震え上がる。


「ねぇ、どうしたの列人。そんなに殺気立って。」


「アルくん、何をそんなに怒っているんですか。」


「なあ、百香。『アナスト』の魔王は顔無しの女だったか?」


列人はフィオが怯えているにも関わらず、殺気を緩めることなく百香に質問する。

この殺気はおそらく魔王に向けられているものだろうが、どうして会ってもいない魔王にここまで殺気立つのか百香にはわからない。

そしてフィオが怯えているのに殺気を収めない事にただならぬ予感が百香を襲う。

理由を問いたださなくてはいけない。


「いえ、違うわ。悪魔型の男よ。一体どうしたの、今のあなたおかしいわよ。」


「!!・・・・・ああ、すまない。少し冷静じゃなかった。今から話す。」


そう言って列人は深呼吸をし、ゆっくりと重々しく口を開く。


「顔のない女って言うのは前世で俺と百香を殺した『化物』と同じ特徴なんだ。

つまり魔王はその『化物』もしくはその関係者である可能性が高いと俺は思っている。」


「「「「「!!!!!」」」」」


列人の口から放たれた衝撃の発言に一同言葉を失う。


「あの『化物』は必ず俺が殺す。でも今のままじゃ全然力が足りないんだ。

もっと強くならないと「列人、落ち着きなさい!!」」


殺気立ち、焦る列人に百香が一喝する。


「何一人で焦っているのよ。あなたが言ったんでしょう。

『俺達みんなで魔王をぶちのめす』って。もっと周りを見なさい。」


「・・・・」


百香に言われた通り、列人は周りを見回す。

百香、亜美ちゃん、バクラ、フィオ、ジーニー。

全員が笑顔で、ただし目には強い力を秘めて列人を見つめている。

心強い仲間達の様子に列人は思わず頬を緩める。


「ああ、そうだな。俺達みんなで魔王をぶちのめそう。」


「「「「「おう!!!!!」」」」」


高らかに拳を振り上げて宣言する列人に皆が同じく拳を振り上げて応じる。


「さて、場も温まってきたところで申し訳ないんだけど、魔王復活にはまだかなり猶予があるわよ。

どうやら列人のせいで敵さんの計画は滅茶苦茶に狂っているらしいのよ。

実は現時点であのツァオガウが一番魔王から力をもらっていたみたいで、他の四天王の今の力はツァオガウほどではないらしいわ。

ただし、現時点だから油断は禁物ね。それから魔王の復活には『嘆きの力』が必要らしいけどその集まりもよくないらしいわ。

このペースだと魔王復活に10年はかかるそうよ。」


「それじゃ、まだ十分に希望があるってことだね。

私達は完全復活する前に魔族と魔王を倒せばいいんだね。」


「そういう事。何も完全復活まで待ってやる必要はないわ。」


「魔王についてはそれでいいだろう。

ところでモモカ、『嘆きの力』とは具体的にどういうものかわかるか?」


「ああ、これは『炎の勇者』が関わっているものの嘆きの事らしいのよ。

具体的には『炎の勇者』の末裔とされている王族や公爵家が悲劇に見舞われると発生するらしいのよ。

だから、私やメリッサさん、それから国王陛下や馬鹿王子も護衛対象ね。

それから『癒しの聖女』と『生贄の聖女』ね。

『癒しの聖女』は亜美ちゃん、『生贄の聖女』は私とメリッサさんが該当するわ。

今のところ分かっているのは、だけどね。

この『癒しの聖女』と『生贄の聖女』が悲劇に見舞われるとそれだけで魔王復活に必要な『嘆きの力』が溜まるから絶対に死守よ。」


「ねえ、モカ。君は守られる側だろう。なんで守る側の口調なんだい。」


「ジーニー、何生意気言っているのよ。私が守られるタマだと思っているの?

私を守りたかったら10トンのモンスター素材を引きずれる様になってから言いなさい。」


「うん、一生無理そうだね。じゃあ頑張ってね。ミスゴリラ。」


「冗談よ、頼りにしてるわ。だからそんなに拗ねないで。」


「ふん、別に拗ねてないよ。」


百香の冗談に対してジーニアスがわかりやすく拗ねる。

やはり女性より力で劣ると言うのは男の子には辛いのである。

最も相手は百香ゴリラなので本来落ち込む必要はないのだが。

そんなジーニアスの様子に笑みを浮かべながら百香は話を続ける。


「あとツァオガウの情報ではもうすでに『学園』と王城への襲撃の準備を8割方完了していたみたいなの。

王城の方は軍師が指揮する予定だったからもうしばらく大丈夫だろうけど、学園の方は魔術長が指揮するらしいから近いうちに動くそうよ。

最も学園の課外授業に合せて行動するらしいから、そこを警戒すれば問題ないでしょうけど。」


「ただし相手は『怪人』だ。こちらも相応の戦力が必要だ。

それにコル村の防衛もだが、今の話だと将軍がフリーだ。

いつこっちに来るかわからない。」


「そうだな、取り敢えず霊力持ちはコル村と王都の二手に分けておいたほうがいいだろう。」


「じゃあ、私とバクラさんがコル村ね。列人と亜美ちゃんが王都がいいかしら。

亜美ちゃん前に『学園襲撃イベント』の時は王都に行きたいって言っていたし。

ジーニーは当然コル村ね。頼りにしているわよ。」


「まあ、妥当だろうな。」


「任せて、百香お姉さん。私頑張ってくるね。」


「モカ、その言い方はずるいよ。頑張るしかなくなるじゃないか。」


「アルくん。都会は誘惑でいっぱいです。行く前に私と一緒に煩悩退散です。」


「フィオ、今シリアス中なんだからな。そういうボケはいらないからな。

それと煩悩の塊はお前だ。」


「アルくんが帰ってくる頃にはパパになってますよ。」


「やかましいわ。大体10ヶ月も村を離れねーよ!!」


「じゃあ、やってくれるんですね。た「やめろーーーー!!!」」


みんながシリアスに決めている中、フィオだけがいつも通りのボケをかます。

危うくR18タグをつけないといけない様なセリフを発しそうになるフィオを列人が必死で止める。

そのいつもの光景に思わず皆、頬を緩めるのであった。

とうとう魔王の話が出てきました。

しかもプロローグで列人が相討ちになった『顔なしの化物』です。

今後は『アナスト』の内容はあてにならなそうです。

と言っても列人のせいでフラグはガタガタですし、元々あまりあてにしていなかった気もしますが。

(もしかしてゲームの世界って死に設定、いやいやゲオルグ先生の時に役に立っているからセーフでお願いします。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ