表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/321

0_プロローグ ヒーローの死

初投稿です。

生暖かい目で見てくれると嬉しいです。

0_プロローグ ヒーローの死


その時は突然にやってきた。

目が眩むほどの閃光、鳴り響く轟音、唸る地響きと衝撃波、先ほどまであった地面がなくなり、気づけば俺と百香は奈落の底へ落ちていた。


22世紀後半 日本某所

俺達(ヒーローチーム_エレメンタルズ)は怪人討伐の任務を終え、帰投している最中だった。

俺達は周囲を警戒しながらも、次の非番の予定についてとか、この間助けた子供で今は施設にいる亜美ちゃんへのお土産は何にするか、といった話をする程度にはリラックスしていた。

別に油断していたわけではない。しかし突然の事態に誰一人対応できず、俺と百香は仲間と分断された。


「レッド! ピンク! 聞こえているか! 応答しろ。列人!百香!返事をしろ!」


「赤坂、桃梨、今どこにいる。」


「こちらホワイト。レッド、ピンク返事をしてください。」


総司、光太郎さん、百合ちゃんの声がするが返事をする余裕はない。

落下の衝撃で変身ドライバーが破損したようだ。

俺も百香も変身が解けている。

その上目の前には化物がいる。おそらく怪人とは違う。

身の丈が10m程あり、顔はのっぺらぼうで体は女性らしいフォルム。

その化物が表情のない顔で笑ったかのようにこちらを向き、目に見えない衝撃波で俺を甚振る。

このままでは間違いなく2人とも死ぬ。

とっさの判断で契約精霊である『火之迦具土神ひのかぐつちのかみ』に交信し変身を試みる。


「頼む、迦具土。力を貸してくれ。『変身』!!」


体が燃える様に熱くなり力が溢れていく。変身は成功したようだ。

しかし力は安定せず、体力がどんどん減っていく感覚がある。

おそらくドライバーが破損している為だろう。


構うものか、今は目の前の化物に集中だ。

俺は手から炎の刀を取り出し化物の衝撃波を切り払う。

俺の炎を浴びた化物がわずかに怯んだ様に見えた。

俺の精霊『火之迦具土神』は女神『伊佐波』に火傷を負わせ死なせた伝説がある。

つまりは『女性殺し』の力が『迦具土』の炎にはある。この化物にはお誂え向きの能力だ。

だが今の俺には体力がわずかしか残っていない。短期決戦で決めるしかない。

俺は奴の衝撃波を切り払いながら刀に力を貯めていく。

そして最大限、力が溜まったところで俺の持つ最大の技を放つ。


「これで決める。『百花狂咲ひゃっかきょうしょう』」


俺の炎の刀から天を貫くほどの豪炎が迸り、それが化物へ一気に振り下ろされる。

振り下ろされた炎が散る様はまさに百の花が狂い咲きしているようだ。

その一撃により化物は動きを止めた。


だが化物の攻撃で俺も重症、その上、力も使い果たしたようだ。

俺はもう助からないだろう。百香だけでも助かればいいが。

そんな思いにとらわれていると化物から膨大なエネルギーが溢れているのを感じた。

こいつ!自爆する気だ。俺は最後の力を振り絞り百香に覆いかぶさる。


「総司、光太郎さん、百合ちゃん、先に死んでごめん。」


「百香、守れなくってごめん。」


そして奈落の底から一筋の爆炎が吹き出し、俺達は灼熱の世界で蒸発した。




その日、日本ヒーロー連合_エレメンタルズ所属

エレメンタルレッド 赤坂列人あかさかれっと

エレメンタルピンク 桃梨百香とうりももか


二名の死が確認された。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ