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雪に埋もれた誇り

 帽子を目深に被ったピエールは、馬車から降りて王子のいる塔へと向かう。

 そこにも暴徒は押し寄せていた。


「王子を解放しろ!」

「おかわいそうに、王家の正当な後継者がこんな所に閉じ込められるなんて!」


 扉のところで人々が押し合い、叫び声を上げている。

 彼らがいるのは、滅多に開けられることのない正門だ。ピエールはそこを抜け、裏口へ向かおうとしたところで、群衆の中に、見知った人物を見かけた。


 ハンスと名乗った者だ。


 不審者だと思っていたが、本当に白雪の下の人間であるらしい。

 人々に揉まれて、前に進むことも、抜け出すことも出来なくなっている。


「なんのつもりだ」

「俺たちが先にいたんだぞ!」

「すまない、そこに知人がいるんだ」


 文句をいう人々の間を掻き分け、


「なにをしている」


 首根っこを引っ掴み、引っ張り出す。

 息も絶え絶えになったハンスが悲しそうに告げた。


「魔法、まだ使えなかった」


 思わず舌打ちをする。


「あれだけ偉そうな事を言っておいて三流じゃないか」


 ハンスは不満そうにした。


「ちがうよ」

「は?」

「三流じゃない」

「俺がいなかったら人に揉まれて死んでいたんじゃないか」


 不審そうにピエールを見ていたハンスは、そこで誰であるか思い出したらしく実に嫌そうな顔をして、そそくさと距離をとった。


「……なにしに来たのさ。強姦魔」

「……心配なんだ」


 ゆっくりと唾を飲み込む。


「友達だから」


 ピエールの思いなど知った風ではなく、ハンスが手を振る。


「あっそ。とりあえず私からもっと離れろ。殴られたくないのなら」


 ピエールはハンスに尋ねる。


「お前、魔法使いなんだろう、姿を見えなくする魔法も使えるのか」

「目眩しの術? ……まあできるけど、生身の人間はなあ、……」

「助けてくれ」


 精一杯下手に出たピエールにハンスは顔をさらにしかめた。


「魔法使えないから無理。魔法使えてもあんたはいやだ」

「どうしたら協力する」


 ハンスがじろりと横目でピエールを見る。


「逆だね」

「は?」


 不満げにふん、と鼻を鳴らした。


「あんたが私に協力するんだ。どうせ、目的は同じなんだろうから」

「目的? お前のか?」

「ちがうよ。でも乗せられてやることにしたんだ」

「なんの話だ」


 顔を寄せるピエールに、ハンスは手を突き出す。


「おい近づくなよ。骨を折るぞ」

「分かった。なにをすればいい?」

「目眩しは私の専門じゃない」


 ハンスはじろじろと爪の先から頭のてっぺんまでピエールを見る。やがて、その視線は胸元で止まった。


「……あんたのそのラピスラズリ」

「……これのことか?」


 首元の裾からネックレスを取り出す。

 代々家に伝わる古いアクセサリーの一つだった。


「それを使いたい」


 ピエールは頷いた。


「いいだろう。他になにが必要だ?」







 人気のない場所を探して、塔のすぐそばにある河の遊歩道に降りる。この場所は平時には穏やかな散歩道だったが、今は物取りや物乞いがはびこり、人々が敬遠する場所となっていた。橋の下は特に治安が悪く、物取りや物乞いがたむろすることで知られている。だれもいないのを確認してから橋の根本に行き、周囲を警戒しながら身を隠した。


 声を潜めて会話をする。


「目眩しの術、どう使うんだ? 塔のてっぺんまで登るつもり?」

「あいつを安全な場所まで連れ出したい」


 へえ、と感心したような馬鹿にしたような声を上げている。


「良からぬ事を考える人間ってのは、人目を避けて暗いところに行くって言うけど、本当だな。昼間なのになにも見えない」


 ハンスは自分が言ったことが面白いのか、軽く笑った。

  笑い声でそれが分かる。表情は読めない。


「……暗いのは季節のせいだ」

「どうかな」


 どこか楽しそうに言うと、ローブについている大きなポケットから白い棒を取り出す。


「それは?」

「チョークだよ。これで術を地面に書く。術というのは媒介だ。ラピスラズリは、発動のための条件だよ」


 そう説明をする間にも手際よく、地面に文字やふしぎな紋様やらを書き込んでいく。

 それを見つめながら、ピエールは言わなければいけないことがあるのを思い出した。それは、多少なりとも気に留めていたことだった。


「わるかった」

「……は?」

「わるかったと言ったんだ」


 不思議そうに振り返ると、ハンスはみるみると蔑みの表情を浮かべた。


「あんた、なんで謝っている? 自らの利益のためか?」

「……ちがう。……お前を殴った。してはいけない事だった。百年前なら許されたかもしれないが、それはもう古いことだった」


 汚物でも見るような顔をして、ハンスが吐き捨てる。


「新しいか、古いかじゃない。身分の高低でも、男女の差でもないんだ。強姦も、暴力も、どこにでもある。大体、暴力だけか? 殴られなければ誰もがあんたに従順に身を差し出すべきなのか?」


 思っていた以上に苛烈な反応をされて、ピエールは身を縮めた。


「……ちがう。そうじゃない。……すまない」

「街であんたの評判を聞いた。女好きのどうしようもないクズだって」

「女性は、弱いものだと、思っていた」


 そこに甘えていた。

 しかし、そうではないと思い出した。白雪のあの瞳は、到底弱い者の、無知蒙昧の人間のそれではなかった。好き勝手していい対象ではなかった。

 そこでようやく、ピエールは自分のしでかした事に思い至ったのだ。


 ハンスが糾弾する。


「あんたがしたのは、同意なしにあんたの下に他者を置く行為だ。下に置かれたが最後、魔法使いは縛られる。他者に阿り、気まぐれに齎される好意をあてにして生きるようなあり方、魔法使いにはありえない。そんなものは魔法使い失格だ。あんたは、私の尊厳を奪おうとした。ぜったいに許さない。死ね」

「そうだよな」


 謝ったところで、取り返しがつかないという事をピエールは理解している。そしてそもそも、今まで自分が寝てきた情婦たちが、ほんとうに自ら望んで身を差し出してきたのか。もはや分からなくなっていた。

 頭を深く垂れ、愁然としたピエールが哀れさを齎したものか、ハンスが口調を少し和らげた。


「大体、謝るなよ。そんな態度をとられると、あんたを呪い殺しにくいじゃないか」

「……すまない」


 はあ、と大きなため息をつくと、穏やかに問いかけた。


「あんた、導を見失っているな。あんたの基準はなんだ? なにがあんたを動かしている? 環境のせいか?」

「そうじゃない」


 その口調に、なぜか感情を掻き立てられて、ピエールはうまく言葉を表現できなかった。言葉が詰まる。


「分かってる。分かってるんだ」

「環境がちがえば、行動も変わる」

「ちがう。投げやりになったのは俺だ」

「それはそうだ。でも人生というものは自覚しているほど、選択肢が用意されていない」


 それでも許さないけどな、ハンスが続ける。

 ピエールは本音を吐露した。


「間違いを犯さず、誇り高く死ぬことはいつだってできた。それを自分は選ばなかったんだ」

「誇り高く生きればいいじゃん」


 不思議そうな顔するハンスに、声を絞り出す。


「そんな選択肢はなかった」

「そっか」


 目の淵まで涙がせり上がるのを感じる。限界だった。

 人間だと認識した今は、ハンスのような異人にすら見られるのが嫌で、手で顔を隠す。


「馬鹿みたいだと、思ってるんだろ」


 ハンスが発言するより先に、


「実際に、そうだよ」


 ピエールは自分の中に伝えたいことがあるのに気がついた。

 澱のように沈殿した言葉が流れ出す。


「この間、ある貴族が処刑された」


 言葉と一緒に、感情までもが溢れている。それでも止まることができない。


「意外でもないだろ。日常だもんな」


 自嘲するピエールにハンスは淡々と返事をした。


「私はその日常を知らない」

「俺の日常なんだ」


 その時の光景を思い出す。


「子供の頃から、ずっと繰り返している。でも、その時の罪人は俺の幼馴染だった。俺より三つ歳上だった。仲が良かったんだ」


 ピエールの幼馴染は死を前にして、粛々と処刑台の階段を昇った。市民はそれを見て、騒ぎ立て、唾を吐き、石を投げ、処刑人がわざわざ落ち着かせなければいけないほどだった。

 あんな屈辱的な死を迎えることは、幼馴染にふさわしくなかった。

 あの場に、彼にふさわしいものなど、なにもなかった。

 それなのに、幼馴染は堂々としていた。なぜ、あんな風に在れたのか、ピエールは見当もつかない。

 首が落とされた時、歓声が上がった。

 なんて悍ましい光景だったことか。


 同時に、それを見てもさほど感情が動かされない自分に気がついた時、それどころか『ああ、これであいつはラクになったな』と思考している自分を自覚した時、自分がその悍ましい集団の一員であることに思い至り、その事を心底嫌悪した。


「みんな自分たちが人ごろしに加担しているなんて夢にも思わないんだ。罪人が堂々としているから」


 親はそれが貴族のあるべき姿だと褒め称えていた。凍りついた表情で賞賛した両親のあの言葉は、本当に本心だっただろうか?

 そう言うのなら、なぜ彼らは革命軍に阿らず、誇り高い死を選ばなかったのだろう?

 死ぬ機会なら、いくらでもあったはずだ。


「叫べば良かったんだよ、死にたくない、やめてくれって。生きてるんだから。…………バカだな。バカだな」


 言葉と一緒に、涙も滑り落ちていく。


「王家も、革命家たちも。覚悟がありすぎたんだよ。王家は高潔であろうとしすぎた。貴族だってそうだ。革命家はたくさんの人間を殺しておいて、自分だけのうのうと命乞いなんて出来なかった、市民だって殺される理由なんてないのに……みんな、バカだろ」


 それ以上、喋ることができなかった。

 泣き止まなくてはいけない。大人として情けない。そう思うほど、涙が溢れた。情けない姿を晒している中、カリカリと地面に文字を描くチョークの音が聞こえていた。

 ようやく涙が止まり、だいぶ長い間感情をむき出しにしていたような気がして、時計を確認するが、十分も経っていなかった。ハンスに声をかける。


「俺は、なにをすればいい」


 顔をあげると、ハンスが見下ろしていた。

 その顔は陰になっていて、表情は伺えない。

 その声が響いた。


「あんたは、なにを望む」


 掠れた声でピエールは返した。


「助けたいんだ、シャルルを」


 雲の合間から漏れたものか、光が橋の下まで差し込む。

 ハンスは眠たげで、どこか間抜けな顔をしていた。

 とぼけた仕草で肩をすくめる。


「そのシャルルは死にたそうだったけど」

「あ、会ったのか……死にたいなんて言わなくなるまで説得する」

「ふうん」

「もう、友達も、家族も、だれも失いたくない」


 ハンスが裾で顔を拭い、手を差し出した。


「石をちょうだい。魔法を発動させよう」


 ためらいはなかった。

 ラピスラズリを魔法使いに渡す。


「とりあえずさ、最後の調整をするから後でまた来てくれ。後は術が魔法を勝手に構築するくらいだから。多分、月が出る頃には完成する」

「それなら、深夜がいい。暴動も今よりは収まっているはずだ」

「分かった、それなら夜の三時にまたここに戻ってきてくれる? あんたが来いよ、ラピスラズリと縁が深いあんたが中心となって魔法を発動する必要がある。ああ、そうだ、ついでにあんたがだれだか分からなくするような魔法をかけてやるよ。死んでも朽ちても効果が切れないやつ」

「了解した」




 ピエールは結局、一度屋敷に戻った。

 夜間の外出に備えて仮眠をとった後、使用人たちと軽く会話を交わす。しばらく口を利いていなかったというのに、彼らは『坊ちゃんは、相変わらずですねえ』と笑っていた。


 深夜から未明にかけて、暴動の声も街の遠くから小さく響くだけになっていた。屋敷の周囲は、不気味なほど静まり返っている。屋敷の中に監視はいない。革命の最初期に革命軍によってほとんどの財産を押収された事を理由に、使用人の数をごく少数の精鋭にのみに減らしたからだ。夜の静けさが際立つ中、その理由がふと胸をよぎる。


 街のあちこちで暴動が続き、執事が「パン一つ買うのも命がけだ」と嘆いていたのを思い出す。監視の目も暴動の鎮圧に割かれているかもしれない。


 帽子を目深に被り、できるだけ民衆に紛れるような襤褸をまとったピエールは、裏口へと足を運ぶ。扉に手を伸ばしかけた瞬間、その行動を遮る声が背後から響いた。


「ピエール、あなた、こんな時間にどこに行こうとしているのです?」

「母上、なぜここに」

「クロエが知らせてくれたのです。そんな悲しそうな顔をして、どうしたの」


 屋敷のことなら、どんな些細なことも見逃さないメイド長に、ため息をつく。

 母親は、彼の憂いを知ってか知らずか、優しく微笑む。


「お気に入りの女性にフラれてしまったのかしら」


 普段の素行の悪さを揶揄いつつ手を伸ばし、ピエールの目尻を優しく撫でる母。どこか懐かしい仕草。ピエールは戸惑いと安心が入り混じった感情を覚えた。


「母上……」


 一瞬の静寂が、次の言葉を切り出すのをためらわせる。

 ピエールは拳を握りしめた。

 共和派に傾倒したのは主にこの母だ。これから自分がする提案が叶わないのは分かっている。それでも、母親や家族や使用人を守りたい。その思いで、ピエールは意を決して言葉を発した。


「母上、どうか父上と亡命をしてください」


 彼女は即座にその目を険しく歪めた。


「滅多なことを口にするのはやめなさい」

「我が家が革命軍に与しているからですか?」


 母親は眉をひそめ、一瞬何かを考え込むように沈黙した。その後、意を決したように口を開いた。


「そうではないわ」


 ピエールはほっと息を吐く。


「国から逃げようとした貴族の半数以上が処刑されることは知っているでしょう。ましてや、われわれの財産はほとんど革命軍に押収されたわ。他国に行っても物乞いになるのが関の山ね」

「反革命派や王党派の支援があると聞きます。彼らを頼れば……」


 その言葉を聞いた母親の目が鋭く光る。まなざしが彼の心を見透かすようで、ピエールは居心地の悪さを感じた。


「答えなさい、ピエール。あなたはこんな時間にどこに行くつもりなのかしら」

「王子に会いに行きます」


 ピエールの口から紡がれたその言葉に、母親の瞳がわずかに揺れる。しかし、彼女の声はすぐに冷静さを取り戻した。矢継ぎ早に質問を投げかける。


「なぜこの時間に? まさか軍があなたに要請したの? 理由は説明された? ……いいえ、理由などあってないようなものね」


 ピエールは拳を握りしめる。


「……いいえ、だれの要請でもありません」

「ならば、なぜ」


 ぴんと伸びた背筋だが、声には不安が滲んでいる。


「王子を助けに行くためです、友人として」

「……危険な事をするのはやめなさい」

「申し訳ありません。万が一、俺の正体がバレれば、連座であなた方も処刑されます。俺は、それがいやだ。政治理念のちがいなんて、どうでもいい。もう、俺は誰も失いたくないのです」


 言葉の重みが、静かに屋敷の中に響く。母親は短い沈黙の後、静かに口を開いた。


「……あなたは、われわれをずっと革命側だと思っていたの」

「……ちがうのですか」

「いいえ、その通りよ。王家の忠実な臣下であったこの家が生き残れたのは、たしかに最初期から革命側に与したから。でも、それだけではないの」

「どういう事です?」

「いい、この事は決して、喋ってはだめよ」


 母親はふうと息をつき、どこか懐かしむように遠くを見つめた。


「わたくしは革命派に協力するふりをして、王家に関する情報を適度に流した。革命派の信頼を得ることで、王子と、今は外にいる姫君の待遇が悪化しないよう、働きかけたのよ。どれだけ危険だったか、あなたには想像もつかないでしょう」

「……どうして」


 優しく微笑む母親に、ピエールは顔を歪めた。


「今は亡き王妃と交わした最後の約束なの。あの方は一人の母親として、子供の身を案じていた。まだほんの小さな火種が燻っていた頃から、最悪の事態が起きることを想定していたわ。わたくしもまた、一人の母親として家を守ると同時に、その想いを引き受けたのよ」


 ピエールは言葉を失い、ただ母親の話を聞き続けた。


「わたくし、かつて文学サロンの女王と呼ばれていたの。 こう見えて、あなたの無骨な父上よりも伝手は多いし、手練手管に長けているのよ」


 母親は微笑んだものの、その瞳の奥には確固たる意志が宿っていた。


「あなたに、この均衡を崩す心算はあるのかしら?」

「知らなかった、守ってくれていたこと……でも、シャルルは、このままだと遠からず、衰弱して死にます。このまま見過ごすなんていやだ」


 母親は最後に大きなため息を一つ、ついた。


「……まあ、いいわ。あなたの馬車を使い、下僕を田舎の城に向かわせましょう。それから使用人を連れて行きなさい。人手は多いほうがいいわ。というより、あなたが赴く必要はないのではなくて? 手下を使うのよ。あなたには貴族らしくないところがあるわね。監視が多くて勉強する機会が少なかったものね」

「俺が行かなきゃいけないんだ。ごめんなさい」


 母親の目に、一瞬だけ悲しみがよぎった。それでも彼女は毅然とした態度を崩さない。


「革命派も王党派も関係ない。人を守ること、それが俺の信じる道なんだと思う。うまくいかないかもしれない。でも、これ以上『正しくない』自分でいるのはいやだ。自分の信念に従い、王子を救い出した先に、きっとこの混沌を解決する糸口が見える、そんな気がするんだ」

「迷いは命取りよ。優しく迷っていては、盲信している連中に付け入る隙を与えるわ」

「分かっている」

「いい? 決めたことを貫きなさい。あなたにならきっとできるわ」

「ああ、誓う」


 母親は静かにうなずき、最後に彼の肩に手を置いた。


「あなたを誇りに思うわ、ピエール。あなたの父上もよ。われわれはあなたと共にあるわ。愛しい我が子、必ず生きて戻ってきなさい」


 母親はピエールの額にキスを一つ落とした。

 その目に涙が浮かんだが、決してこぼれ落ちることはなかった。


 ピエールは母親の瞳を見つめ、深く頷く。そして決意を胸に、裏口の扉を開けた。


うまくいかない可能性は高いけど応援してる。

その願いは私たちすべての命を賭ける価値がきっとある。


とくにそれが君から来たものなら。

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