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恋愛って何だろう?

作者: 人生30年

「別れましょう」


そう泣きながら彼は言った。



学生時代から付き合ってもうすぐ10年が経とうとしていた時だった。



彼が涙を流すのを見たのは初めてだったかもしれない。



「了解です。理由を聞いても良いですか?」


私は、事務的に質問した。



「好きな人が出来ました。」


いつも穏やかだった彼が強い口調ではっきりと言った。



「分かりました。貴方の幸せを願っています。」


私は、少しだけ微笑んで最後の言葉を彼に贈った。

















私達は、一生恋愛をしていたかった。



楽しいことしかしなかった。



趣味や価値観は良く合った。



月に2、3回会って食事をして漫画やアニメの話で盛り上がった。



くだらない結論の出ない話も良くした。


「調味料で無くなったら困るのは何だろう?」


「牛、豚、鳥で絶滅したら困るのは?」


「宝くじが当たったらどうする?」なんて何回話したか分からない。




旅行も年に2回ぐらい行っていた。




そうやって3年、5年、、、9年が経って、、、。




私は彼とこのまま一生一緒にいると思っていた。


















彼と別れ一人暮らしの家に帰る。


玄関のドアを閉めると同時に、私はその場に座り込んだ。



「…そっか。別れたんだ…。」


真っ暗な廊下を見つめながら呟くと同時に涙が溢れた。

















私は結婚式の誓いの言葉が、好きではなかった。



『健やかなる時も病める時も〜』



恋愛を楽しみたかった私は健やかなる時は一緒にいたいが、病める時は一緒にいたくなかったのだ。



ずっとそう思っていたし、今でも結婚したからといって幸せになるとは限らないと思っている。





それでも付き合っている間に将来の話を真剣に話していたら…


嫌な話をしていたら…


病める時も一緒にいたら…



そんな後悔をいくらしても変わらないのに…






「…あぁ…私ちゃんと彼のこと好きだったんだな…」



私は自虐的に一人で泣き笑いした。



読んで頂きありがとうございます。



将来の夢もなく、ゆるゆると繰り返される日常を過ごしています。


結局、恋愛って何?っていう世間が学生時代に解決出来ているであろう疑問を改めて思ってしまいました。

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