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紅家の朝。

暑い。

時は夏。

セミが鳴き、人々が暑さに苦しむなか、俺こと、紅 敦(くれないあつし)は他と変わらず暑さに苦しんでいた。


「あっつい...」

俺はあまり夏が好きではない。

暑いし、暑いし、暑いし、とにかく暑いから!

呟きながらぐうたら寝転がっていると...


にゃぁ


家で飼っている猫がやって来た。

名前は虎太郎(こたろう)という。

毛の色合いが虎に似ているからと、母さんがつけた名である。

家にはもう一匹猫がいるんだけど今はいいかな?


「おはよう、虎太郎。」


俺は虎太郎を捕まえると、その体を自分の胸に引き寄せる。

虎太郎を抱くと、ひんやりして気持ち良いのだ。


「ああ、気持ち良いなぁ。」


しばらくして、虎太郎が暴れだす。


にゃぁ、しゃぁぁ!


さしずめ、「下ろしてくれ!」ってところか。

唸り声を上げ、俺の腕から離れようとする。


「お、おおぅ?」


少ししてついに虎太郎が、俺の腕からの脱出に成功する。

少し伸びをして身震いした虎太郎は、部屋を出ていく。

それと入れ違いの形で新しい人物が入ってくる。


「あつ兄、起きてる? ...ってさっき虎太郎が出て来たからまた虎太郎のこといじめてたんでしょ?」


「おはよう、めぐ。」


「おはよう、あつ兄。」


出てきていきなりそんなことを言っている人物は紅 恵美(くれないめぐみ)

俺の妹で共鳴学園の1年生だ。

恵は学校では料理部に入っていて、家でもよくご飯を作るのを手伝ってくれている。

あ、俺が料理できるかって?

もちろん出来るからな?

後で見せてやるよ。


「あつ兄、弁当は作っておいたよ。」


「ありがとう、めぐ。」


弁当を作るのは、俺と恵美、あと母さんの三人で分けている。

日分けしてる訳ではなく、最初に早く起きて作れる人がやっている。

母さんは仕事が忙しいこともあって、朝に弱く、起きるのは俺たちが家を出るくらいだ。

それでも早く起きれた時は作ってくれているので俺たちは嬉しい限りだ。

今日も母さんはぐっすり寝てるだろうな。


「それでめぐ、ゆきは?起きているのか?」


「あ、雪菜ちゃん?今もぐっすりだと思うよ?」


「そ、そうか...」


雪菜(ゆきな)とは俺のもう一人の妹で、恵美と双子である。

雪菜は恵美と違い、あまり家事が得意ではない。

恵美と雪菜は運動神経が良く、学校でも人気者である。

ちなみに雪菜は、バスケをやっておりその実力は男子を凌駕するほど…らしい。

人づてで聞いたからその噂が本当かはわからない。

練習時間が遅いこともあり、雪菜も起きるのが遅い。

なのでいつも恵美が起こしている。

まあそうしない限り、遅刻するからな。

さすがに双子でも、クラスは違うようだがな。

俺としては立派な妹達を誇らしく思えるよ。


「私、雪菜ちゃんを起こしてくるから下に行っててね。」


「おう。」


そう言うと恵美は部屋から出ていく。

そろそろ着替えるか。



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