あとがき
本当は、短編で済ませたかったのですが長くなったので中編になりました。
物語をハッピーエンドに出来ない人間は、物書きではない。
と言いますがネガティヴな内容から脱却できません。
やはり力業を身に着けんといかんのでしょうね。
なんとなくラヴクラフトの『狂気の山脈』に翡翠を着け加えてタイトルから物語を作る。
そういった手順で作りました。
『翡翠の山頂』というフレーズが気に入ったのでいっぱい使ってしまった。
まあ、他に説明のしようがないのですがね。
ヘルゲン山は、カラコルム山脈測量番号2号、通称”K2”がモデル。
参考にしたのは、人里から離れ過ぎていて誰も知らなかった山というエピソード。
知られてたらとっくに山頂は、なくなってたでしょうから。
現在、世界遺産すら観光資源だーとかいって一般公開してますが。
私個人としては、”後世へ残すべき宝”がどうして観光資源として消費されるのか理解できません。
観光客が来て壊れてんじゃん。
残すつもりあるんですか?
資源なんですか?
そこではじめは、翡翠の山頂が登頂者たちに徐々に削られる。
という話で行こうと思いました。
しかしそれは、余りに普通なので。
そこで切り取って全部、持ち帰るなんて考える連中がいると。
面白そうだとやってやれと。
で、山から切り取ったらただの翡翠の塊だろ。
って気付けよ早く。
その後、関係者が不幸になるってのも在り来たりだったのですが。
これだけの事をした連中が悔い改めて許された!なんて許せんよなあ。
しかし翡翠の山頂が地中から見つかったら普通の翡翠として砕かれて使用された訳ですよね。
すると誰も祟られることもなかった訳で。
宝と資源の差は、人間のエゴイズムなんですよね、結局…。