生まれて初めてのギャルゲーをやれずじまいで終わるのはゲームのバッドエンドよりも酷だということを皆はどう思うか聞いてみる。
俺、益野利一はモーレツにテンションが上がっているわけである。
それはなぜか?
それは生まれて初めてのギャルゲーを買ったからだ!
そして季節は冬で高校3年生の時に……
よって俺は今更ながら絶賛現実逃避中なのである。
そして、勉強も今更ながら全然してないわけで正直なところヤバイ!
でも、それはこいつを楽しんでからスイッチを入れればいいのだ!と俺は思う。
結論、俺は受験生でもやる気スイッチ入れれば問題ないよね!ということで俺の心は楽しむ方向へと切り替わる。
いやー道中、大変だったな、ギャルゲー買うために俺は一応、警戒レベルMaxで友人やクラスメイトに会わないように努め、とにかく、周りからみたらあっこいつギャルゲー買ってると悟られない、もしくはバレないように袋を事前に用意し大手のスポーツ用品店の袋で偽装工作したのだった。
別にそこまでしなくたって大丈夫だろうと思うがそういうわけにはいかない。
なんせ、考えてみろ、何も警戒心を持たず気分ウキウキで18禁のdvdを親の前で見れるか?
いや、無理だろうと反義語で言える。
だから、その時点でその価値は親によって幻想から引き戻されるわけである。
今回の場合もそうだ。
だから、俺はバレるわけにはいかずかつ人から何も怪しまれないようにしたわけである。
よって、今のこのギャルゲーの価値は依然としてキラキラ輝いているだろう……
あぁ……今日の過去を振り返ると……見たい……いや、駄目だ!
俺はパッケージを見たい気持ちを抑え、代わりに自分の頬を叩いて見ないように努める。
見たら負けだ……見たら負けだ……と俺は心の中でビンタした後も闘っているとしばらくして信号機は赤に代わったと同時に歩行者用のが青に変わるのだった。
歩行者用のが青信号に変わったおかげで俺の心の足は再び家に向かうということになった。
おかげで俺はパッケージを帰る途中で開けるという悲劇は免れた。
もし、永遠に変わらない信号機だったら開けていただろうが幸いここは現実世界、ファンタジーでは無いから大丈夫なわけである。
あぁ、楽しみだなぁ、もうすぐで君たちに会えるんだー!あぁ早く遊んでplayしてーと俺は同じ言葉を二回も使うぐらい興奮覚めやらぬ気持ちで一歩一歩踏みしめていると……
あれ……なんで?
俺の手は既に空だった。
そして、俺の視界は血で汚れていた。
えっうそ?……マジで?
どうやら、トラックのようだ、そして、トラックは電柱にぶつかり止まった。
しばらくたっても降りてこないことから運転手も病を抱えて意識を失ったかどうかわからないがしばらく降りてこないのでそうだろうと思う。
そして、車が次々と止まり、救急車を呼ぶ人がいた。
次第に意識が薄くなる
俺の目の前で何かを言ってる人がいる
俺はどういうわけかそんな状況を無視して目線をギャルゲーのソフトに目を向ける
ドロだらけだった……そして、俺の血もプラスして
あぁ……最悪だ……
まだ意識があるぞと言っているのか……まだ諦めていないようだった……
でも、俺は助からない、助けるなら……運転手を……どうやら俺はここまでの様な気がしてならなかった……あぁ……もうできないのか……ゲーム……
なぜか運転手を恨む気持ちはなかった、でも、その代わりにあるのはギャルゲーをやりたいのに最悪な形でやれずじまいでおわることに対する無念だけが残っていた。
そして、俺の魂が次第に遥か空の彼方に向かっていく、俺はそこで意識がついえてしまうのであった。
タイトルもサブタイトルも長いですがこれからもサブタイトル長めで書いてみようと思います……多分