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掌編小説集7 (301話~350話)

数字

作者: 蹴沢缶九郎

一人の男が、『0』から『8』までの数字を机の上に並べ、何やら考え込んでいる。男はふと数字の『1』を手に取り、しばらく見つめた後、今度は数字の『3』を取って、多角的に『3』を観察した。

その内、男は紙にペンで何かを書き始め、何かを書いては納得のいかない様子で消していく。書いては消し、書いては消しを繰り返し、とうとう紙をクシャクシャに丸めてゴミ箱に投げ捨てた。


どうしたものかと深いため息をつき、天を仰ぐ。デザインは複雑過ぎず、なるべくシンプルな方が良い。だが、このシンプルというのが中々の曲者で、逆に難しいのだ。


男が気晴らしに外の空気でも吸いに行こうと席を立った拍子に、机の上の『6』が床に落ちた。それを拾おうと、手を伸ばした瞬間、男は閃く。男から見て、『6』は逆さになり、『9』となっていた。


「これだ!! 『8』の次の数字はこれに決まりだ!!」


ひょんなことから『8』の次の数字のデザインは『9』に決まり、読み方を「きゅう」とした。


この世に『0』から『9』までの数字が誕生した瞬間である。

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