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未定  作者: 下堂 翠
1/1

祝と呪



 始めに「」が生まれた。

 実体は知覚に及ばず、ただ虚ろに在る。

 音を立てず、漂い、馴染んで、満ちている。

 然らばそれが在るとわかったのは、我々に二つの理が生じたためだ。

 「ことほぎ」と「しゅ」である。

 背反した両者は決して交わることなく、互いの存在を主張する。

 そして、いつからか、二つは人間に宿り、拡大する。

 これに寄生された人間達は意志を植え付けられたかのように、高く壁を隔てて反発し合うようになった。

 ――祝は無を祝い、呪は無を呪う。

 無を根源として、渇望する。

 これこそ古くからの因習であり、発生こそ不明であるが、両者はこれに倣い、これを勿論としてきた。

 そのため、両者の血族は抗争を繰り返し、凡そ幾百年過ぎた現代においても、数多くの犠牲を払う死闘が続けられている。

 どちらか一方を絶やさなければならない。

 全ては、根源を得るために。


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