第7話 死は生よりもバズるらしい
現実を、受け入れられない。
昨日まであんなに無邪気に笑っていたルーシーが。
一人ぼっちだった私に、友達になろうよと声をかけてくれたルーシーが。
死んだ。
<コメント>
・うわあああああ
・ええええ
・マジでヤバい
・なんか感動してる
・これ映しちゃダメでしょ
・もっと撮れ
・終わった……
・炎上しそう
・アリサ大丈夫かな
・人生で一番震えてる
・やば
・同接めっちゃ増えてるwww
・このチャンネルどうすんの
・ルーシーいなくなるとか……
コメント欄はかつてないほど盛り上がっていた。
今になって、涙がこぼれてきた。
「ルーシー、すごいよ。視聴者、今……5万人超えた」
私は泣きながら言った。
でも、その言葉はもうルーシーに届かない。
ルーシーには、もう会えない。
薄暗いダンジョンの奥地で、スマホの画面の光だけが煌々と輝いていた。
カメラはまだ、生きている。
その視線が、私を生かしているような気がした。
◆◆◆
人間の遺体を背負って歩くのは初めてだった。
ましてや、その状態でダンジョンを登ることになるなんて。
私はルーシーを背負って、なんとかダンジョンから這い出た。途中、魔物に遭遇したけど、簡単に倒せる雑魚敵だけだったのは助かった。
ダンジョンの入り口に戻ると、管理局の人間にルーシーの遺体を託した。
ダンジョンの外であれば、公共のルールに則って救急組織が来てくれる。
私とルーシーは救急車で最寄りの病院に運ばれた。
ルーシーは医師によって、正式に死亡が確認された。
私は病院のベッドに運ばれて、気を失ったように眠った。




