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旅支度

 この世界に転生してどのくらいたったのだろう?最初の一ヶ月くらいは、毎日、律儀に「正」の字を書いていって数えていた………が、正直途中から面倒臭くなって数えるのをやめた。

 だから、どのくらい経ったかなんて、正確な日数は分からない。まぁ、体感ではあるが二、三ヶ月と言ったところだろうか。そこそこ日数は経っているのである。

 さて、私はその期間に磨けたのは大きく分けて二つ。



 まず一つ。それは、サバイバル術だ。何せ、突然異世界にほっぽり出されて最初の一週間くらいは本当に大変だったのだ。特に最初の3日は酷かった。何せ、その間は、一睡もしていなかったのだから。

 何故、そんな状態だったのかと言われれば、答えは簡単だ。無抵抗な状態になるからだ。ましてや、こんな森林の中で家もなかった。

 つまり、身を守る物がなかったわけである。その為、初めの方に生活に必要になりそうな魔法と多少の攻撃魔法を急いで覚えたあとは、直ぐに結界の魔法を貼れるようにした。

 結界魔法には、無属性系統と闇属性系統の物がある。どちらを先に得るか悩んだが、高性能な方の闇属性系統の結界魔法を選んだ。理由は、簡単。闇属性の方が、効果としては圧倒的に高いというかとだ。

 闇属性の結界魔法とは、空間を隔てることによる結界なのだ。なので、無属性の結界魔法のようにゴリ押しで破られるような魔法ではないのだ。まぁ、一様欠点として扱い方の難しさと魔力消費が多いことだ。これくらいは、高性能なものなのだから仕方あるまい。

 それに、私自身の魔力的には、あくまで感覚ではあるがそんなに喰われるものでもないし、自然回復も十分に追いつく範囲内だった。扱い方も難しかったが、空間と言う名の部屋を閉じる感覚でやったら何故かあっさりいった。

 そういうわけで、私は、結界魔法の習得とその維持まで果たすことに成功したのだ。


 そして二つ目。それは、言うまでもなく魔法技術についてだ。先ほども言ったように、この森で生きるためには、必要不可欠だ。攻撃なら剣を使ってもいいのだろうが、不意打ちを防ぐのには結界魔法のような魔法防御などで防ぐ方が余程いい。維持さえ出来るようにすれば、防御面では絶対に有利だろう。

 また、私が磨いたのは無論、結界魔法だけではない。攻撃魔法も積極的に覚えた。寧ろ、圧倒的に結界魔法より習得もやりやすかった。何せ、想像がしやすいのだから。

 とりあえず、光属性以外の攻撃魔法なら使えるようにはした。

 まずは水。水は、既存のウォーターボールのような魔法だけでなく、高圧力の熱湯を吹き放つ「ヒートスプラッシュ」という技を開発した。その威力は、私の魔力に大きく左右されるが、ほんの少し放っただけで狙った木を軽々と貫く。水なのに、かなり殺傷力が高い。いや、ダイヤモンドだって加工するのには水を使うらしいし、もしかしたら思った以上に水は、強いのかもしれない。

 次は土。土属性の攻撃魔法は、ハッキリ言ってそんなに思いつかなかった。が、一様あるにはある。

 まず、既存のものなら「ストーンバレット」。簡単に言えば、生み出した石礫を勢いよく、飛ばす魔法だ。これも、勿論魔力量で大きさや速度が変化する。

 そして、オリジナルのもので個人的によくできたと思うのは「アースソーサー」。文字どおり、大地を操作する魔法だ。大規模にすれば地震を起こしたり、地割れを起こしたりする魔法だ。超級魔法にも何かすごそうな土属性魔法があったが、多分別物だろう…………タブンね。

 まぁ、そんな感じで色々な攻撃魔法の習得も果たしたのだ。だが、何も覚えたのは攻撃魔法だけではない。一様は、剣を使うこともあるかもしれない。魔法が通用しない相手だっているかもしれない。だから、身体強化の魔法も習得した。

 そして、妨害魔法や回復魔法なども一様は習得しといた。

 特に、回復魔法は使い機会がないに越したことはないが、もしもの時には、必要なものだ。

 そんなわけで、私の魔法技術は知らず知らずのうちにかなり上達していったわけなのだ。




 「もっとも、近接戦が苦手なのは問題なのよね〜。」



 そう、魔法は自分一人でも訓練は出来る。しかし、剣術や体術は勝手が違う。何せ、魔法と違ってイメージでどうこう出来るようなものじゃないからだ。

 一様、前世は父が大の空手好きで、お爺ちゃんも大の剣道好きで、どちらも師範代で、そのせいもあって、私も二人からそのどちらも叩き込まれてはいた。

 しかし、それが異世界でも通用するかは別個の問題なのだ。

 身体能力は、感覚的ではあるが、前世の体よりはずっと高いと思う。何せ、運動も兼ねて走り回ったり簡単なトレーニングはしていたものの、全く疲れる気配もないし、ずっと速くも走れる。

 最悪、身体強化の魔法で底上げだって出来る。

 だが、この世界の剣術や体術はどのようなものなのか分からない。魔物とかがいるような世界なのだ。恐らく、そういったものに関しては私の元いた世界より、ずっとこちらの方が詳しいはずだ。

 でも………



 「だからといって、ここにいて上達出来るようなものでもない………か。」



 ここ森林で、出来得る限りのことは既にやった………と思う。なら、あとは外に出るしかあるまい。

 そう、私は決意すると、取り敢えず身の回りにあるものを一通りの物を、私の亜空間に突っ込む。

 そして、この数ヶ月の間お世話になった家とは少しの間おさらばだ。

 家には、改めて結界魔法の術式を刻んでおく。これで、外部からの干渉を防げるだろう。

 それに、家を離れると言っても転移魔法「テレポート」でまたすぐに帰ってこられる。

 せっかく、自分で作った家なのだから、壊されたくないし、ここに捨て置くのももったいないしね。



 そうして、私は早速、町へとあるき始めるのであった。

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