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魔法はじめました!

 小鳥の声が聞こえる。

 目を開いた私がいたのは、森林の中。

 全く、転生させてくれたのはいいんだけど、もう少し場所を考えてくれても良かった気がする。

 ふと、隣を見ると一振りの剣が一本に無題の薄っすらとした本が一冊、それと中に何かが入っている、革袋が一つ置いてあった。


 袋を開けてみると、どうやら中身はお金のようだ。

 銀貨?と思われるものが15枚と、それより一回り大きい銀貨(大銀貨)と思われるものが2枚入ってた。そこで、私は思い出す。

 異世界にも無論、お金は存在する。お金は、全部で7種類。

 銅貨・大銅貨・銀貨・大銀貨・金貨・大金貨・星金貨に区分される。

 まぁ、肝心なことに神様のくれた知識に日本円と比較した時にそれぞれの貨幣がどのくらいの価値を持つのかわからない点が何よりデカいが。

 そして、もう一つの本の表紙を開くとデカデカと



"かんたんな魔導書入門"



 と、書かれている。まぁご丁寧なことで。

 早速、読み始めるとそこに書かれているのは魔力の扱い方や魔法の使い方、そしてこの世界の魔法の属性などがあった。


 まず、魔法の属性は合計で7個。自然属性と呼ばれる火・水・風・土と特殊属性と呼ばれる光・闇。そして最後に、それ以外である無属性。中には、2つの属性を合わせたような物もあるが、あくまでもそれが新しい属性というわけでなく、「2つの属性を使用しただけ」ということらしい。仮にもし、それ以外の属性が新しく発見されたとしても、それは面倒だから全部無属性に入れちゃえ!ということだそうだ。なんと雑な。


 そして次は、魔力の使い方だ。人は誰しも大小の違いこそあれ、魔力を持って生まれてくる。

 そして、その魔力は生きる上でも必要なものでマナ欠乏症……つまるところ、魔力の使いすぎで枯渇してしまった場合、意識が薄れたり、頭痛が起きたり、悪いときは一時的に行動不能に陥ったり、最悪のケースは死ぬこともあるらしい。

 最も、死ぬようなケースに陥ることなど殆どありえないため、その一歩手前の意識不明で留まることの方が多いらしい。とはいえ、戦闘中にそんなことになればどちらにせよ死亡確定のようなものなので十分気をつけるべきだろう。

 さて、だいぶ長くなったが、その魔力の使い方は体の中にある魔力を感じ取って、それを自分の意志で操作するようになることらしい。

 それを自分の持つ属性に変換することで属性魔法の発動が可能になるのだとか。うん、思ったより難しいね。何はともあれ、やってみるのが一番早い。これを読み終わったら早速やってみよう。


 それで最後、魔法の使い方だ。これは一言、「イメージが大切!」とだけ書いてある。

 よく聞くよね、魔法はイメージが重要だって。とはいえ、イメージできないものはどうするんじゃ!と言いたくなる気持ちはあるのだが………。まぁ、文句をグチグチ言うよりやってみたほうが早いだろう。

 最悪、この下に書いてあるイメージできなかったために呪文もある。これを、読んで魔力を込めれば一様、魔法は発動する。絶対にやりたくはない。流石に、厨二病全開の展開は私でも応えるものがある。だからこそ、ぜぇ〜ったいにイメージしてみせる!


 かくして、私の始めての魔法練習が始まったのだった。







魔法練習:一日目


 まずは、自然属性からやることにした。

 何から手を付けるか少し悩んだが、「水」を選んだ。

 理由は簡単。一番安全で、一番被害が少なさそうだからだ。

 当初は、敵が襲ってきたように一番パワーがありそうな「火」魔法から始めようと思ったのだが、もし練習中にミスをしたら?魔力の使いすぎで想像以上の炎になってしまったら?そう考えた結果、安全なものからすることにしたのだ。

 また、水は生活の上でも必要だ。魔法練習のために少しこの辺りを散策したが、周りに湖や川がないという、思いの外ヤバい感じだった。

 というわけで、水魔法の練習から始めるわけになったのだ。

 その前に、魔法には段階がある。順番に言うと


生活魔法

生活に必要最低限の程度の魔法。

例)ファイヤ、ウインド、ウォーターetc……



低級魔法

低級の魔法。Eランク〜Dランクの魔物に通用する。使いこなせれば、Cランクの魔物も倒せる。球状や矢状にした属性魔法などが含まれる。

例)ファイヤアロー、ウォーターボール、

  ウインドカッターetc………



中級魔法

中級の魔法。Cランク〜Bランクの魔物に通用する。使いこなせれば、Aランクの魔物も討伐可能。また、中級魔法を使えこなせるようになれば、魔導士として認定される。

例)ファイヤランス、アイシクルランス、

  ヒール、アースロックetc………



上級魔法

上級の魔法。Aランク以上の魔物の討伐に使用。扱いには、大量の魔力と高度な魔力操作が必要。宮廷魔導士団レベル。

例)ハイヒール、アースブレイク、テンペスト、

  フレイムレイ、ダークホール



超級魔法

上級魔法のさらに上の領域の魔法。現状、この世界に発動可能なのは一人だけ。もし、常人が使うなら一国の宮廷魔導士のもつ全魔力を持ってようやく発動可能になるだけの魔力が集まる。が、上手く発動するかは運次第。発動が失敗すれば、自滅の可能性大。

例)リザレクション、プロミネンス

  アイシクルワールド、グランドオブジャッジメント




 の5段階だ。まずは、生活に必要な初歩中の初歩。生活魔法からだ。

 今回は、水魔法なので「ウォーター」から。イメージとしては、タライいっぱいに水を注いでいくイメージだ。

 身体中に流れる魔力を感じ取り、手の方へと集中させていく。段々、手のひらが熱くなっていくので、頭の中で水のイメージをさせたまま、魔力を放出させていく。すると………



 「あっ、でた。」


 

 流しながら気づいたのだが、出す水量は流す魔力量に比例していくようだ。


 ついでに、「アイス」という魔法もチャレンジする。イメージは………。水から熱を奪って氷を作り出す感じだ。

 早速、やってみるとすんなりといった。最も、自らの生み出した水と氷で周りでかなりヒンヤリしてる。正直いって、少し寒いくらいだ。

 ここで少し気になった。さっきは、熱を奪って温度を下げたら、水から氷になった。なら、熱を加えて温度を上げたら熱湯を作ったり水蒸気を生み出すことができるのではないだろうか?それなら、お風呂に入ったり、調理に役立てたりすることが出来るのではないだろうか?

 だが、ここで一つの問題が。「料理」と今、私は言ったが、食材は?道具は?

 これは、まずい。非常にまずい。どんな生き物でも食べ物を食べなきゃ死んでしまう。虫でも魚でも動物でも……そして、勿論私たち人間も。ならば、何をすべきなのか?攻撃魔法を習得して、獲物を狩ることだ。

 そういうわけで、このまま水魔法の攻撃技を習得にシフトしよう。

 水で攻撃で考えれば、思いついたのは「高圧洗浄機」だ。水を凝縮して貫く感じ。なら、さっそく………




 「水を凝縮していき、一気に放つ………か。これも、温度を調節で氷から熱湯にかわるのかな?」




 恐らく、氷なら中級魔法の「アイシクルランス」のようなものになるのだろう。勢い次第で、殺傷力も大きく変わるだろうが。

 先ほどと同じように、魔力を手の先へと集め、頭でのイメージをしたままにしながら、一気に放つ。すると………



 「あっ………って!?」



 出た。うん、出たのはいい。だが…………。放った水は、勢いそのまま、狙った木の方へと向かっていく。そして、ぶつかって霧散するかと思いきや、まさかの木を軽々と貫通する。予想以上の破壊力に思わず、唖然とする。

 これは、かなり調整が必要なようだ。魔力の消費量を少しずつ下げってったら威力も射程もコントロール出来るようになったが、実践ではどのくらいの火力にすべきか考えると、やはり獲物を狩ったりなどもあるため、戦って試したほうがいいだろう。

 そんなこんなで、私は暫くの間、この森で魔法訓練とこの世界で生き抜くための術を、模索していくこととなるのであった。

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