8覇王
言葉の意味とかも理由がありますね
時間が経つごとに、オドバロの動きが分かってきた。
オドバロの最初の動きは俺の左手の上腕二頭筋らへん。次は、右足。体勢を崩してくる攻撃。そして腰に攻撃だが今はもう一度右足に攻撃をしてきた。
ここからは未知の状態。守りをずっとするしかなかった。攻撃に転じることが今は出来ない。そしてずっと守っていたらめんどくさいことになる。スキル「紙」である。動きがやばいほど制御される。
「面倒なスキルだな」
「そうだろ」
この「紙」というスキルは分身を作る。それと攻撃が調和される。紙だから。手ごたえがない。手ごたえがないし攻撃が通りもしない。
強すんぎなオドバロである。何故か分身にも攻撃をくらわせられる。そしてなぜか攻撃が入る。俺の時は攻撃が一切通らなかったのに。不平等すぎるだろ。
だが一つ見つけた。紙が攻撃をする瞬間、実体があるような気がするのだ。オドバロと似たような強さ。つまり推測するにオドバロは紙が攻撃するとき自分の体の部位を紙自体に渡しているのではと考えた。
「こういうことだろ」
俺は攻撃された方の腕を掴む。そこには実体のある腕。触れもしなかった紙が触れるのだ。俺の予想は正しかった。
「正解。もう理解したか」
「どや」
「んが、これは序の口だ」
「へ?」
突然、掴んだはずの腕が掴めなくなった。そして俺は体勢を崩されて
「おつかれ」
「.....マジ?」
その隙を見逃さずにオドバロは、一瞬のうちに俺の首に手を置いていた。また完敗だ。
「これで89回目の勝ちだな」
「どんだけ強いんだよ!」
「そりゃざるに宇宙2位を任されたわけじゃないからな。あんくらいが初心者向けの基礎だ」
「マジで?」
「マジ」
遂に発見した一つの勝てる可能性が経った数秒で水の泡。思ってるほど弱くはないよ、この宇宙。これが宇宙2位かと思わされるような、強さだ。
「よし5分後。もう一回な」
「もう策とかないんですけど」
一息ついてまた修行。鬼畜の先生だ。何かと策を考えないと、またミリ単位の秒数で負ける。89回中いい戦いができたのはたった2回。
76回は0.9秒以下。残り11回は9秒以下。因みにその2回は体がオドバロの速さに慣れてきた87回終わった88回目からだ。やっと慣れてきたのにこの上があるといわれたら、ちょっと傷つく。
「楽しそうじゃんオドバロ」
「ボリアマか」
「何でいんの!?」
悩んでいると、ボリアマが来た。今は玲奈との修行の最中なのに、何故かこっちにボリアマがいる。玲奈は何をしているのだろう。
「まあまあ気にしない。レナもいるからさ」
「?レナとは?」
「それは後。どうオドバロ。面白いだろ」
「それは言えてる。なかなか面白い」
レナとはという言葉が頭から離れないが、それよりもオドバロに褒められたような気がして心が躍っている。
「じゃあ界野次は実践ではなく観察だ」
「何の観察?」
「私とオドバロが戦う。そこで気づいたことを脳に叩き込んで、次に繋げてくれ」
「ほいよ」
二人の戦いはぜひとも見たい。どういう戦い方をするのか。
「どうですか?界野」
「玲奈か」
「私は良かったですよ」
「そうか。そういえば、レナってだれか知ってる?」
「それ私です。何かボリアマにつけられました。玲奈とレナは漢字が同じだからいいんじゃないか...と言われまして」
「ボリアマならしそうだな」
「されましたけどね」
「いい呼び名だな。次からそうするか」
沈黙。俺の言った言葉から玲奈の言葉が返ってこない。
「おーいレナさーん」
「...どうでもいいです。もうよくなりました」
レナの脳の中には何が浮かんだのか分からないが、いい...らしい?
「「そろそろいい?」」
「えっ待ってたの?」
「「うん」」
「それはごめんなさい。どうぞ」
ボリアマとオドバロは待っていてくれていたようだ。お互い思っていることが同じとはさすがに仲のいい以外ないだろう。
それにしては意気投合しすぎているような...
「見とけよ界野。目、離すなよ」
「どういうこと...」
そういった瞬間に風圧が俺とレナを襲う。とても速いスピード。俺の目では残像しか見えん。ボリアマが攻撃を続けオドバロが防御。その流れがずっと続いている。
オドバロは「紙」のスキルでボリアマに攻撃を仕掛けているが全く当たっていない。防御と攻撃の同時進行。人間業じゃない。まあ人間じゃないだろうけど。
「少し早くなってんな。オドバロ」
「お前に攻撃を与えられないのが悔しいからな」
「やる気満々だね」
「当然」
オドバロが攻撃に転じる瞬間があった。「紙」のスキルの分身を消し、オドバロが攻撃。ボリアマは、紙の分身が攻撃してくる読みで、オドバロの攻撃方向に飛び出す。
しかし後ろからの攻撃が来ず、少し混乱したボリアマは、瞬時にオドバロの本命がオドバロ自身だと気づく。だが遅かった。オドバロの拳はボリアマの顔面ギリギリにまで届いていた。
これは外から見ている人が気づく技で、対面している相手には、気づかれない技。まさに1人だけ気づかない戦法。タイマン専用攻撃。
「惜しい。後1秒足りん」
そういうとボリアマは姿を消していた。オドバロも何が起こったのか分からないでいた。
「どうだ。わかったか」
すると横から声がした。振り向くとボリアマが立っていた。驚きのあまり何が起こったのか分からず混乱した。
「ボリアマはそういうのは出来ないはず」
「これは私のオリジナルのスキル応用。今、試してみた」
「全くバケモノじみてるよ」
「どっちもバケモンだよ」
オドバロが負けるほどの強さを誇るボリアマ。あいつはスキルを避けたときにしか使っていない。初めて見る技だったはずなのに、いとも簡単に避けていた。
「界野。オドバロは防御と先読みは最強だ。だから攻撃が入らん。私が本気を出しても倒すのに5分はかかる」
「短すぎだろ」
「なあ界野、ある分野で優れたものを何というか知ってるか」
「...達人とか?」
「覇王だ。普通は国を治める人。帝王、国王という意味だが、ある分野に優れたもののことも言う。どうだかっこいいだろ」
「そうだな。かっこいい」
「よしもう一回戦ってみろ」
「了解」
俺はオドバロにもう一度修行をたのんだ。
「頼まなくてもお前を強くするのが僕の使命だ」
「よろしくお願いします」
状況の整理をする。まず、「紙」攻撃範囲がよい。
攻撃するとき本体の腕になり本体はその部位だけ紙になる。それを見切って、紙に攻撃することも可能だがもう少し上があるとするのであれば、この方法は望ましくない。次は身体能力、ここで差をつける必要がある。
だがそれも望ましくない。今はオドバロの方が速い。経験も違う。勝つ見込みは全くない。
「界野...」
「静かにレナ」
つまり俺が勝てるところ外側にはない。だが思考の発展なら俺とオドバロは互角なはず。ならオドバロよりもさらに先を考えること。
さっきのボリアマの戦いで、オドバロが一方的に攻撃できなかったのは何故だ?身体能力の高さもあると思うが、他に何か勝っているところがボリアマにはあるはず、防御と先読みなどはボリアマも負けるが攻撃の強さは負けていない。
つまり当たれば何かが起きていたということ。スキルなのか実力かは分からない。
「...構えていた方がよさそうだな」
俺が一発の攻撃にどれだけの力を与えられるかで決まる。でもおかしい。ボリアマよりオドバロの方が防御は強いのに、避ける理由がどこにある。
当たれば何かが起きている。そう考えるとボリアマはスキルを無効化、貫通させるスキルがあるということ。俺にはないスキルだが今持っているスキルで倒すしかない。
「虚魔空間力」は回復系。「重力切り替え」は重力そのまま。「状態変化調整」は状態の変化。それだけ。
「時空平線」は空間に持っていく。「未知空間」は全ての遮断。今は腕の範囲だけ。オドバロには無力。「虚空」も物質をミリにするが使い方が難しくあまり使えん。
麻スキルは意味不明。「2typ"y」も意味不明。
この中のスキル全部を使いオドバロにダメージを与える。
「できたか」
やっと考えがまとまった。これが今できる最大の方法。
「いきますよ。今の俺の全力受けてください」
「いいだろう。かかってこい!!!」
お読みいただきありがとうございます。
さぼりすぎな作者です




