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世界変動 ~Y.Tsekaihendou~  作者: 深内 学
第一部 第二章 ー全ての始まりー 修学旅行編
42/44

39グリカゴン戦 後編

戦闘で初めて前編と後編を書きました。

今の私ではこの文字数が精一杯ですね。

前編中編後編の戦闘を書けるようになりたいです。

有村は腰に巻かれている鎖を見る。

その鎖は少しずつ薄くなっていき肉眼では見えなくなった。


(界野がスキルを止めたのか?)


有村は周りの木々が倒されていることに気付く。


「これ、誰がやったんだ?」


有村は首筋に悪寒を感じる。

反射的に回避行動に出る。


「これを避けるか!!]


そいつは笑みを浮かべる。

私の目から見えたその人は戦いを楽しんでいるように見えた。


私は恐怖で足が動かなかった。


「ははは!!面白いな!!!」


「ちっ、こいつ前みたいなやつと同じじゃねえか」※アジストのことです


「お前、名前は?」


「あ?今そんな状況じゃねえよ!」


有村は少し切れ気味でそいつに蹴りを入れる。

しかしそいつは蹴りを腕で守り、逆に有村は一発入れられる。


「ぐはっ、、、」


「...」


有村は殴られた反動で吹っ飛ばされる。

すかさずそいつは有村にもう一発入れようとする。


有村の顔面に拳がぶち当たる。


「....この感触、幻か」


有村は息を切らしてはいるがそいつの攻撃は当たっていない。


有村のスキル「人体残像」:対象に自分そっくりの残像を見せる。しかし攻撃を加えられるとその残像は消える。当たり判定はあるので残像からの攻撃も可能。一人までしか出せない(今のところ)


つまり有村は攻撃される前に二度このスキルを発動させていた。


「やはりお前、面白い!!こんなにも戦闘センスがあるとは!」


そいつは高らかに笑い出し急に自己紹介を始める。


「我が名はグリカゴン、神の配下の一人である!」


「!?何で急に自己紹介をすんだよ!?」


「我は認めた相手には必ず名を名乗ると決めているのだ。...一種の礼儀というものだ。気にしなくてよい」


有村は動揺しながらもグリカゴンを見ている。

因みに神の配下という言葉は有村にはノイズに聞こえている。つまり有村はグリカゴンという名前と何かの一人であることが分かっている。

今の有村にはこのノイズについて思考することが出来ないほどの緊張状態である。

集中を切らせばすぐに首を持っていかれる。そういう感覚が有村を襲う。


(今は目の前の敵に集中しろ)


有村の全神経はグリカゴン、ただ一人に向いている。


二回攻撃を避けただけで有村の顔から汗が一滴、また一滴と垂れる。

それを見ている夜空は未だに動けずにいた。


グリカゴンを目視した途端に殺された時の痛みやそれに対する恐怖がフラッシュバックし身動きが取れなくなっていた。


グリカゴンはそれに気づき夜空のところに足を向ける。

有村は自分に対する意識が薄れたことに気付きグリカゴンに接近する。


「「空割(くわり)」」

グリカゴンのスキル「空割」:空気を二分割する。腕の振った角度によって斬撃の形は変化する。主に発動から腕が動き始めて腕が止まるまでの間の動きで決まる。範囲は動きだしから静止までの範囲。

射程距離はその地点での腕の振りの速度(秒速)×1.5 [m]に依存する。

また斬撃速度はその地点での腕の振りの速度に依存する。


グリカゴンが腕を振った後ブゥンという音とともに夜空の頭が宙を舞い体から離れる。

夜空の首から血しぶきが発生する。


体の力が無くなり、首以外の体はその場に倒れる。


有村の今の最適解はいち早くグリカゴンを叩くことである。

しかし有村は夜空を見てしまった。


頭と体が離れている夜空を見て有村はその光景に吐き気を(もよお)す。

グリカゴンはそんな有村の状態など気にせず次の動作に移る。


「「空割(くわり)」」


またグリカゴンは腕を振る。先ほどと同じ音を立てると有村の上半身と下半身が離れていた。


有村が痛みを感じる前に上半身が真っ二つになる。

それが繰り返され有村は意識をなくし絶命した。


夜空のスキルは自分の体が深い傷を負い意識を失わなければ発動しない。

深い傷というのはほぼ死に近い傷である。首を飛ばされた時点でこれはクリアしている。


意識を失っていない理由は、頭と体が切り離されている状態でも少しの間は脳が動き思考が出来る。しかし五感が無くなっているため外の状況は分からない。(諸説あり、よくわかっていない)


だんだん脳に酸素が届かなくなっていき夜空の意識は遠のいていく。

首が綺麗に切れると脳に痛みが届かない。夜空は何が起きたのかもわからないまま思考だけの状態になる。


そして時間が経つごとに思考が出来なくなっていき意識が途切れ「巻き戻し」が発動する。


..........


「これ、誰がやったんだ?」


有村の声が夜空の耳に入る。

この地点がチェックポイントらしい。


夜空はグリカゴンを目視しないようにする。

グリカゴンを見るだけでフラッシュバックが起きる。


いわゆるトラウマというやつだ。

夜空は恐怖心が湧きグリカゴンから背を向けて逃げてしまった。


「恐怖で逃げるか...」


グリカゴンは同じように「空割」を使い夜空を真っ二つにした。


..........


「これ、誰がやったんだ?」


夜空は逃げられない。どんなに逃げようともスキルが夜空を逃がさない。

逃げれば逃げるほど時間という概念に干渉し全てに影響が出る。


夜空に死ぬという逃げ場はない。

そしてここを乗り越えなければ生き残れない。

立ち向かわなければ何も始まらない。


夜空の精神は限界が来ていた。

もう何もすることが出来ない。夜空の体は動かなくなっていた。


そして状況は同じになる。

グリカゴンは夜空の首を吹き飛ばし有村を真っ二つにする。


..........


「これ、誰がやったんだ?」


そしてまた始まった。六度目のグリカゴン戦。

夜空はもう迷わなかった。覚悟を決めなければいけない。


グリカゴンを倒すしかない。夜空自身の体は震えている。

その震えを待つほど時間という概念は甘くない。

有村とグリカゴンは同じ会話と行動を行う。


ターニングポイントは自分自身であるとわかっていた。

グリカゴンを目視するとまたトラウマが蘇った。


しかし夜空は目をそらさずにグリカゴンを見る。

体は動けないが目だけは離さなかった。


グリカゴンは夜空が何かをしようとしていると判断し有村と夜空の両方を警戒する。


夜空は触れておいた木を「図形空間」を使って形を作り、

「図形具現化」を使う。


木をグリカゴンの方に飛ばす。

グリカゴンはそれに対して避けるか受けるかを思考する。


それを有村は考えさせない、攻撃を速める。


「こいつ...やはり、戦闘センスの塊だな」


グリカゴンは有村を吹き飛ばし、「空割」で木を相殺する。

有村は身体能力で受け身を取り体勢を立て直す。


夜空はありったけの木を飛ばす。

グリカゴンのスキル「空割」には弱点がある。


それは腕の振りに依存しているということ。最大二つまでしか出せない。

夜空は朧気ながらグリカゴンの空気を割るようなスキルは腕の振りで出されていることを認識出来ていた。


「巻き戻し」の強さは相手のスキルの情報を知れること。

そしてそれの対策が出来ること、またターニングポイントに戻れるため行動を変えるだけで運命が変わる。世界線が変わると言った方がかっこいいだろうか。


木をグリカゴンが相殺出来ない量で飛ばす。

つまりごり押し。


しかし夜空にも限界がある。木のストックは有限。

もう少しでストックが無くなる。そこまでに勝負を決め切らなければならない。


有村はグリカゴンとの間合いを詰める。

グリカゴンは木を相殺するために片手は使えない。

脳のリソースは五割ほどそれに取られている。


さらに「空割」は腕を振り切らなければならないため、木を消すためには多く腕を振る必要がある。

それにより腕の振り切りが出来ず範囲が狭い。


夜空に当てるには狙いを定めてピンポイントで狙わないといけない。

その集中は今のグリカゴンには無い。有村の戦闘センスがここで響く。


しかし相殺できないものは避けている。

有村はここしか勝ちは無いことに勘づいていた。


「「暁」」


有村のスキル「(あかつき)」:自分と相手の弱点と強みを明るみにする。

他にも能力はあるが今はこれだけしか能力はない。


グリカゴン強み:`#$%"+*

     弱点:避けるときに少しだけ体が止まる


くごー強み:状況判断能力

   弱点:身体能力に頼りすぎる


まあこんな感じで出る。

もっとスキルが進化すれば強みや弱点がもっとわかる。


だが実力差があるときは弱点か強みの一つしかわからない。

これはただの運。


有村はグリカゴンの弱点を頭に入れる。


「夜空、だったか?もう少し木を飛ばせるか?」


グリカゴンにも聞こえる声で夜空に聞く。


「ええ、出来るわ」


有村の作戦は一つも分からないが威勢だけでも見せておくことでグリカゴンに避けるという選択肢を作る。この局面において夜空の威勢がグリカゴンの思考を一つに絞らせない。


有村は避けるという選択肢をグリカゴンがとったとしても片手でも「空割」が使えるために決定打に欠ける。


あと一つ、ピースが足りない。

有村はある発想に至る。鎖は見えなくなっただけでまだあるのではないか...と。


するとその発想を待っていたかのように鎖が肉眼で視認出来るようになった。

有村はその鎖を掴み、巻かれている鎖をほどき、グリカゴンに投げる。


グリカゴンは未知の鎖に対して「空割」を使うかどうか悩んだ。その一瞬が反射で木を避けるという選択肢を取らせた。そして鎖を「空割」で止める。


鎖に視線を取られた一瞬のうちに有村はグリカゴンの懐に潜り込む。


有村はグリカゴンの腹を殴る。グリカゴンは敗北を感じた。


「極限開放」


アジストと同様に核を露出させて一気に勝負をかける。

ここで夜空の木のストックが切れる。グリカゴンは目の前の有村を見る。


有村の露出した核に対するパンチを避け有村に一撃加える。


「!?」


グリカゴンの殴った”それ”は有村の「人体残像」で作ったものだった。

パンチを避けたことにより隙がうまれ、偽物の有村を殴ったことで体が傾き、身動きが少し取れなくなる。


この一瞬が勝敗を決めた。


「うおらああああああああ」


有村はグリカゴンの露出した核に渾身の一撃を与える。


「見事....しかし惜しいな。この程度では我らは倒せないぞ」


グリカゴンがそういうとアジストと同じように光の粒子となって少しづつ消えていった。

グリカゴンが完全に消え去ったあと有村は膝から崩れ落ちる。


「はあ..はあ、何とか倒せたか?」


有村の肉体は疲弊した状態でもう動けなくなっていた。

グリカゴンに殺されるかもという恐怖と戦いに対する緊張で精神も疲弊していた。


それが一気に解放されたために有村の体は脳の命令など聞けず地面に背中をつけて仰向けになった。


夜空もグリカゴンに向き合って戦った。スキルの使い過ぎにより疲労が溜まっていた。


「ええ、おそらくね」


夜空は有村に近づきそう言った。


「お互い全力を尽くしたみたいだな」


「そうね....」


夜空も同様に疲弊しきっており仰向けになった。


「俺様は今、何度か死んだような感覚だ」


「実際二、三回死んでるわ」


「ん?なんか言ったか?」


「ううん、別に何も」


二人の意識は少しづつ遠ざかっていく......


何分か経った後、


「おい、あんたたち大丈夫か!?」


大きな音を聞いた民間人が駆けつけて夜空と有村を見つけた。

すぐに救急車を呼び二人は病院に運ばれた。


民間人が見たのは木がたくさん倒されている光景で真っ二つになっていたり木の破片が木に刺さっていたりとここで何があったのか、と疑問に思わせる光景そのものだった。


そしてその中に二人が倒れている状態で普通の民間人が考えるのはこの二人が戦っていたと思うだろう。


ニュースで東平雄公園での光景が放送され、ネットでは様々な意見が飛び交った。

だが二人の姿は映されてはいない。


一方病院に運ばれた二人は

病院の人が制服の紋章から学校の先生に電話をして二人のことを話した。


二人は病院のベットで目を覚ます。

どれくらい寝ていたのだろうか、先生がこちらを見ている。


「二人とも大丈夫だったか?」


「まあ大丈夫、ってわけでもないけど大丈夫です」


「?まあ、大丈夫ってことなのか?有村君も大丈夫だったかい?」


「俺様も大丈夫だ」


「よかった、怪我しているみたいだけど大丈夫そうかな?」


((まあ死ぬ思いはしたけど))


「様子を少し見て何もなければすぐに退院できるらしいから」


「そうなんですね」


「じゃあ僕は病院の先生と話してくるね、大丈夫だとしても安静にしててね。退院したら何があったのか、一応聞かせてもらうからね」


そう言うと先生は部屋から出ていった。


「なあ、夜空」


「何?」


「あいつ油断してたよな?」


「そうね、けど油断してなかったら倒せていなかったわね」


「どっちも死なずにすんでよかったな」


有村は腕を夜空の方に突き出した。グータッチしようぜと言っているようだった。


(まだ「巻き戻し」の話をするのは今の私じゃ無理ね、まだグリカゴンを思い出すと死んだときの痛みが襲ってくる。いつか話さないとね、有村君にもみんなにも)


「ええ、生きれてよかったわ」


有村と夜空はグータッチをした。

お読みいただきありがとうございます。

次は界野視点の「麻2」の話から始まります。鎖が見えたり消えたりした理由もそこで話します。


血しぶきが出る理由ですが、

※首元は大きな圧力がある状態なのでそれがいきなり開くとその圧力が外に出ようとする。

それにより首から血しぶきが出る、ということらしいです。


因みにですが、グリカゴンが木を避けるという選択ではなく、くごーの背中を夜空に向けさせて木の攻撃を防ぐという選択を取らなかったのは、そのような移動に絞った行動をとるとくごーの攻撃を必中でくらうからです。それくらいくごーを警戒しているってことです。アジストの時は、アジストは戦いの面白さだけを考えているので警戒とか一切なく正面突破上等精神なので関係なかったです。

またくごーが「人体透明」を使わなかったのは夜空にヘイトが集まる可能性があったからですね。


あとは観光だけですね修学旅行編もあと2、3話くらいですかね。

これが終わればハシム編が始まります。

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