21遊んだ後のお話
物語の矛盾が起きないようにするのはむずしなり。
遊びはあっという間に過ぎるものだ。俺にとってはあっという間ではなかったが全員は何か楽しそうだった。
昼食を食べた後はゲームセンターに行ってufoキャッチャーをしたり、アーケードゲームをしたりした。
全員あの男に対しての恐怖は無かったのだろうか。
多分加藤がいたし大丈夫だと思っていたのだろう。
とりあえず全員楽しそうだった。
解散したのは夜六時ごろだ。
「おつかれ。また遊ぶことになったら誘うわ」
宇里はそう言って、俺たちに背中を向けた。俺達も続々と解散していった。加藤たち(女子含め)は、車に乗って帰っていった。
夜空と水幸さんは家が近いらしいので、一緒に帰るらしい。俺はレナと美黒と共に家へと帰る。伊達と最賀も俺達と一緒だ。
宇里は、先に帰っていったので五人で帰ることになった。
「宇里、何か用事があんのかな?」
最賀がそういうと、伊達がすぐに答えた。
「さあな」
俺達も何があるのか分からないのでそういうしかない。
「運動会楽しみだな」
宇里の話からぱっと話が変わる。まあこのままだと誰もしゃべらなくなっていたので話を転換してくれたのでよかった。
「おいおい。後一か月もあるんだぞ?」
「でも楽しみだろ?」
「それはそうだけど」
運動会の話をしながら家へと帰っていった。やはり、運動会の話になると午前はどこに行くかというところで話し合う。
「界野はどこ行くんだ?」
「無難にバスケ?とか」
「よし決めた。バスケにしよう」
「んじゃあそうするか宇里にも言っておこう」
俺がバスケに行こうかなと言ってみたら、すぐに話は終結した。
「待て待て。俺が行くとこに来るのか?」
「「当たり前じゃん」」
どうやら、俺が一人だとスポーツをせずにずる休みでもするのではないかという不安があるらしい。本当に面倒くさい。
「それは流石に運動会ではせんよ」
「それでも見張らせてもらう」
「まあ、やるからには全力でぶちかますけどな」
何だこの温度差?と思いながら俺と二人を比べていた。
「頑張るよ、、、」
「よく言った。お互い頑張ろうぜ」
出来る限りのことはするつもりだ。俺の全力で期待に応えようと思う。
「あ、そういえばリレー順どうするよ?」
「それは、体育の時に決めたら?」
「急に話変化すんの?俺ついてけない」
最賀と伊達たちの、話変化スピードにはついていくことができない。
「あっ家こっちだから帰るわ。またな」
最賀がそういった。伊達も同じ方面らしく同じく、最賀の方向へといった。
「俺達も行くか」
「そうですね」
レナと美黒は俺たちの話に水を差さずに静かに聞いてくれていた。ありがたい。
「ただいま」
「今帰りました」
「ただいま」
俺達は玄関の扉を開けて、下駄箱に靴を入れる。
「おかえり。今ご飯作ってるからまったりしといて」
母は、手際よく料理をする。美黒は、二階へと上がっていった。レナも二階へと上がっていった。
俺はリビングのソファに座る。その隣には父がいた。
「最近どうだ?」
いきなり最近のことを聞かれた。
「何についてだよ」
「友人関係とか勉強とかだよ」
学校のことを気にしてくれているらしい。別に何も起こっていないので心配はいらないのだが。
「別に、何も悪くもないし、良くもない。平均的かな」
「そうか。何かあったらすぐに言ってくれ」
本当に頼りになる父だ。俺の気持ちをよくわかってくれる。
「そうだ界野。好きな人は出来たか?」
「?」
驚くべき質問に、俺はびっくりして目を見開いた。
「何でそんなことを?」
「今って、青春真っ只中だろ?」
頼りにはなる父なのだが、自分の思ったことは、すぐ口に出してしまう悪い性格もある。
「、、、いない」
「その言い方はいるだろ?」
「いないから!」
ぐいぐい来る父を落ち着かせるのは至難の業だ。
「二人とも、話してないでご飯できたから支度して」
「「はーい」」
父を落ち着かせられるのは母くらいだ。父は母の言うことは大体聞く。
「こんなんでいいか?」
「ええ」
俺は机の上に飯の支度をする。我ながら完璧な配置だ。父は、箸やコップなどを持っていっている。
準備は出来た。
「よし。んじゃあレナと美黒を、、、」
「ちょっと待って」
支度が出来たので、レナと美黒を呼びに行こうとしたら母に止められた。
「何?」
「本当に彼女はいないの?」
「は?」
母ですら、青春真っ只中?な俺に対して質問をしてきた。
「いないよ」
「本当に?」
元々の性格は慎重なのだが、一度スタートしたらゴールに着くまで突き進む性格も持ち合わせているので、父より厄介だ。
「本当」
「そう思わせておいてとかじゃないの?」
こういう風に問い詰めてくる。俺の言葉を信じてないのだろうか。そう思うと何か悲しい。
「そうだぞ。この年齢になったら彼女くらいいるだろ」
「そうよ。いるはずよ。だって私たちもそうだったもの」
父と母も恋愛に対してはひどいほど気にしている。意味わからんて。高校の年齢のころから付き合っているってすげえな。
「いい夫婦だこと」
「「最っ高の褒め言葉!」」
考えが同じときはいつも以上に息ぴったり過ぎるのだ。
「もういいよ。レナと美黒を呼んでくる」
「逃げたわね」
「逃げたな」
「説明すな」
俺は二階に上がり、ご飯が出来たと言ってレナと美黒を連れていく。
「分かりました」
レナの声だけが聞こえた。美黒の声が聞こえず少し不安になった。そのため美黒の部屋を少し覗いてみた。
俺の見た光景は勉強をしている美黒だった。大学の勉強をしてそうに見えるのは俺だけですか?
美黒は集中したら切れるまでしちゃいそうだ。人間の集中力の限界は一般人で一時間から二時間程度だ。
天才はどうか知らないが集中力は一般以上だろう。ご飯を食べた後に扉の前に置こうと考えた。
俺は部屋の扉をそっと閉めて、一階におりた。
「あれ、美黒はどうした?」
「ああ、勉強だな。大学の勉強ぽかったけど」
そう言って席に座った。
「そうか。邪魔をするわけにはいかないな」
「いただきます」
俺はご飯に手を出す。今日のご飯は野菜炒めとメンチカツだ。米もある。すぐさま口の中にご飯を入れていく。
「美味だ」
「そうですね」
レナも感動しているようだった。目がキラキラしてる一等星みたいだ。
「そういえば彼女の話だが、、どうなんだ?」
「今その話をすんのかよ」
「まだ答えを聞いてないわ」
答えを言ったはずですけど、、、とツッコミを心の中でした。
「いない、それが答え」
もう一度父と母に向かって返答をする。
「お前がそこまで言うならそうなんだろうな」
「ここからは何も言わないわ」
やっとわかってくれたのでほっとした。が、その時間は一瞬だった。
「レナさんは好きな人いるの?」
次はそっちかい!とまた心の中でツッコミを入れてしまった。
「、、、それはどういう気持ちなんですか?」
意味わからん答えが返ってきた。レナは気持ちというものが分からないのだろうか。そもそも俺の家の前にいたのでどこから来たのかが分からないままだった。
記憶?が戻ってきたら返すつもりがそういうわけにもいかない。だって一か月くらいたっても戻んないんだもん。
「好きという気持ちはね、その人がいると心臓の音が直に聞こえてくる感じよ」
「、、なるほど。考えておきます」
何を!?とまたツッコミをいれた。もちろん心の中でだ。
そういえば助けるというのは沢山してきたが自分から家へと入れたのは初めてだ。
まあ俺がレナの記憶が戻るまで世話をするのを提案したのは母さんだったけど。
俺もその提案を何の躊躇もなく受け入れていた。
何かどっかで会ったような気がしなくもなかったのだ、、、いや、ないか。多分。
前も同じようなことを考えたが結局あの時も答えはでなかった。
「ごちそうさま」
俺は食器を片付けて二階へと上がっていった。勿論疑問に思ったことは脳の隅に置いたままで。
お読みいただきありがとうございます。
高校生は恋愛ですよね




