ゆいこのトライアングルレッスンH 〜ヤキモチ×バックハグ〜
『下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ』にて声優の下野紘さんと巽悠衣子さんに演じていただきました。
参照:2月12日放送分ディレクターズカット版(YouTubeにアップされているアーカイブ版)
【追記】2021年 02月27日(土)の活動報告にリンクを記載させていただきました。
『ゆいこのトライアングルレッスンH』に応募した作品です。
たくみ・ひろし・ゆいこの原案者は巽悠衣子さんです。
どうぞ素敵な音声を堪能し、文章はこうなっていたんだと気軽に読んでいただければ幸いです。
一緒に楽しみましょう!
『あ、また目があった』
今日はマラソン大会。
全学年合同で行われるため、校庭に生徒が集まってきた。昇降口を眺めていると次々に目線が交差する。
バスケ部の部長も生徒会会計も美化委員も私と目が合う。
『ふふっ私のこと好きなのか〜いや〜モテる女はつらいわ』
心の中で『大会後、告白されちゃったりしてー』などとタイムスリップが捗る。
「ばーか」
ふいにデコピンをくらい、スタート直前に引き戻される。バチっと目が合ったのは目の前にいるたくみであった。
「顔にやけてんぞ! 目が合うやつみんな自分のこと好きとか、おーもーうーなっ!」
おでこを人差し指でぐりぐりされながら注意を受ける。思っていることを言い当てられその指がいつも以上に刺さる。
「俺はゆいこと、目、わざと合わせてるけど」
たくみの横からひろしが言う。
「お前がこいつを甘やかすから、誰彼構わず自分のこと好きーとか思うようになっちまったんだろっ!」
たくみがひろしの肩を両手でガシッと掴み前後へ揺する。ひろしは目と口を閉じたまま、ただ揺らされていた。
たくみとひろしがスタート位置に着くと後輩の女子たちからキャー‼︎がんばってくださーい‼︎と声援が飛んだ。ひろしは動じないが、たくみは手をひらひらさせて応える。
『ふんっ誰彼構わず自分のこと好きって思ってるの、自分じゃない』
とゆいこは心の中で毒づいた。
◆
放課後、ひろしと帰ろうとしていたところをたくみに呼び止められる。体育委員の仕事を手伝えとかなんとか。
他の体育委員の人たちと三角コーンを集めながら体育用具室へ運ぶ。
「なぁ」
と後ろから話しかけられたとき、この用具室にたくみと二人きりだと気づいた。
「目が合うだけで、他のやつのこと好きになったりすんなよ?」
急に後ろから抱きしめられ、消え入りそうな声とは裏腹に、力強い腕が私の首に回される。
私の後頭部に当たっていたはずのたくみの唇が耳元に落ちる。
「な?」
と囁かれた甘く請う声に、目をぎゅっと閉じ、うんうんと首を縦に振ることしかできなかった。
「たくみーゆいこー」
ひろしが私たちを探してる声がする。
たくみは、いい子とでも言いたげに私の頭を二回軽くたたき「おー」と返事して体育用具室をあとにする。
心臓が、スタートの合図のように弾けた。
お読みいただきありがとうございます!
放送分と違うところもそのまま載せてあります。
拙作をプロの方々が素敵な胸キュンストーリーに昇華してくださった様を見・聴き比べていただいても楽しいかもしれません。
私はおでこぐりぐりのあとの反応が大事なんだと思えたり、一人称で書いていたのに途中で三人称を使っていたミスを発見したりと、とても勉強になりました。
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一緒に楽しみたいです!
2021年2月26日放送の『下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ』にて、ご自由にとのことだったので投稿いたしました。
もしも投稿の仕方に問題がありましたら、すぐにお知らせください。よろしくお願いします。