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推しの幸せをお願いしたら異世界に飛ばされた件について(連載)  作者: あかね
第二部が始まったようです?編

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魔導師と弟子(予定)

「……へー、そりゃすごいな。で、俺は関係ないでいい?」


 昨日のことを説明した結果、棒読みでゲイルさんに返されました。


「そもそも、どの呪式実行したわけ? 最初に使う魔素によって潜れる深度が違うって最近、知ったんだけど」


 クルス様と思わず顔を見あわせてしまいました。

 言うの?

 気まずそうに顔を背けられたのですが、ちらりと見える耳が赤いんです。何を思いだしたんですかっ!


「黙秘する」


 黙ることにしたようですね……。ゲイルさんはなにそれ、みたいな顔ですけど。口を開きかけてユウリに視線を向けました。

 ユウリはそれの説明をされていないのかどこが揉めているのかわかってないみたいです。すぐに興味ない顔でそっとオムライスを抱え込んでますけど、誰もとりませんよ。やらん、みたいな態度が少しばかり不安になります。

 強引に連れて行かれたりしませんよね? 食料係として。


「まずいやつなわけね。そりゃこの家に落ちてても仕方ないか。そんで、リリーのメモから発生したと。

 ということはうちの一門に所属することになるのか。前代未聞だな」


「保護されるのと同じでは?」


「同じではないな。ようこそ、ヒトならざる世界へ」


 ゲイルさんの芝居がかった口調のそれにまずい選択をしてしまったのではないかという気になります。

 ゲイルさんは一度、あたしたちを見回して少し考え込んだようでした。

 ほんのわずかな沈黙。なんだか困ったような人たちをみているような目線なんですが、どうしてですか。


「お嬢さんは俺が鍛えておくから、ディレイは英雄を送っていくこと」


「え?」


 ゲイルさんが鍛えるって? え?

 送っていくって?


 困惑したような表情のあたしとぽかんとしたような顔のユウリ。それから、クルス様はものすっごい嫌な顔してました。あれはなかなかない感じです。


「ディレイに任せると心折れるぞ。基礎みっちりやった上での感覚優先だ。リリーは天性の才に任せた力業」


「よろしくお願いします」


 要するに二人とも人に教えるの向いてないんですね。弟子もとってない理由はそこら辺にあるんでしょうか。


「俺もそろそろ弟子取れとか言われてるから、これで言い訳が出来る」


「……俺は不満なんだが」


「嫌いにはなりたくないので……」


 ぼそぼそと主張しておきます。師弟関係ってのはやっぱりこう、違う気もしますから。

 ゲイルさんはげらげらと笑ってますね。クルス様はちょっと自覚はあるのか黙っちゃいましたけど。


「こういうものはあまり近すぎるとうまく行かないよ。あといると邪魔。口出ししてくるだろ?」


 ……なにか見透かされていたんですかね。

 少々恥ずかしい気がします。

 そして、あっさりさっくり、第三者によりユウリを送っていくことを決められてしましました。


 クルス様は何か言いたいことがあったようですが。飲み込んでため息をつかれてしまいました。


 なお、この話し中にユウリはぺろりと平らげていました。どこに入っていくんでしょうね?


「教会への連絡はリリーか師匠が戻ってから打ち合わせした方がいい。折衝はあちらの方面の仕事だし、魔導協会もいまさら取られるのは良しとしないだろう」


 これで文句ない? とでも言うように締めくくってました。

 当面の予定として言えば、クルス様はユウリと一緒に王都まで送るか、その後の色々につきあうと。

 あたしはゲイルさんについて修行ってところでしょうか。その間に師匠とかリリーさんが来てくれればよいのですが。

 で、根回しが終わったら国へ報告ということになりますか。


「俺はなんにも聞いてないから、そういう設定で」


 ユウリがそんな主張をしていました。ああ、そういう建前ですか。……本気で、聞いてなかったような気もしますけど。


「まあ、王都に帰るまではよろしく」


「……俺は、不満なんだが」


 再び主張されてますけどね。そう言ったって外堀埋められちゃいますよ?

 おそらく、魔導協会も領主様も誰かつけて安心したいでしょう。うちはちゃんとしましたよって主張したい。

 それもそこそこ信用がおける実績のある人物とかなるとクルス様が外されるとは思いません。


 わかってるんですけどね。普通の顔を維持するのってけっこう大変です。


「見返りは用意しとくよ。肩書きとか理由とかは必要だろ」


 その心底気に入らない、みたいな態度で肯くとかどういうことですか。クルス様。


「さてと俺にはこの強行軍はしんどかったので、そろそろ休ませて欲しい。

 っていっても部屋空いてないんだろ。ソファで適当に寝るから毛布とか出してきて欲しいんだけど」


「え、はい。じゃあ、準備してきます」


「よろしく。こっちは言い聞かせとくから」


 いったい、なんの話をするんでしょう?

 ユウリは苦笑しながら手を振ってます。


「おまえはダメ」


 クルス様は何か言う前にゲイルさんに釘刺されてます。


「一人でも大丈夫ですよ?」


 あたしも言っておきました。ものすごいショックを受けたような表情が珍しいですね。

 これまでの傾向からいってなんかされちゃいそうな感じがするので、今日はもうお断りです。明日もきっとお断りでしょうけど。


 装甲は相変わらず紙なので、全力で回避するしかないんですよね。その気になったら、流される自信しかありませんよ。どうなんでしょう、その都合良い感じとは思うので、やっぱり回避一択です。


 だいたい、いつもあたしがやられてばっかりというのもですね。

 少しばかり魔が差したとしか言いようがありません。


「すぐ戻ります」


 立ち上がって、肩に手を置いて、耳元で囁いてみます。

 ……思ったより恥ずかしいですね。


 クルス様はびしっと固まってしまったのですけど、やり過ぎましたか?


「すぐいちゃつくのやめない?」


 ユウリがげんなりしたような顔をしてました。そ、そこまでですか? ねえ、そう見えます?

 わかんないような顔をして逃げることにしました。なお、自制心は優雅に遊びに出かけたようです。

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