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森の娘と最後の騎士  作者: OWL
第一章 森の獣
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第2話 森の中

抱き起こされ、名前を聞かれるけれど声をだす気力もない。

眩しい光に目をしかめて、うっすら瞼をあけるのが精一杯。


「ちょっと、あなた大丈夫?弱ってるのかな」


胸に手をあてて元気になーれ、と祈ってくれているみたい。優しく抱きしめられた体から熱が移り冷たくなっていた私の体にぬくもりが広がる。

優しいひとだ、おかあさんに違いない。なんだか気力が回復してきたような気がする。


「だいじょうぶです、おかーさん」

「え!違うよ、わたし母なんかじゃないよ!」


ああ、そうでした。


「すみません、お姉さま、助かりました、もう大丈夫みたいです」


「お、お姉さま!」


「ちがった・・・?」


ここには姉しかいないと聞いたはずだけれどまた間違ったのだろうか、と不安になる。でも見えるようになってきた相手の顔には、ぱあっと顔を輝かせ喜色が浮かんでいる。なんだか眩しさが増したようだ。


「いいえ、違いません。私はあなたのお姉様です!」


拳をぐっとにぎって宣言してくれる。


また輝きがいっそう増した後、すぐに落ち着いて周囲がよく見えるようになってくる。


ここはどこ?森の中?なんで?


きょろきょろしていると、他にも何人かこちらに歩いてくる人影が見える。

お姉様の腰にしがみついて後ろに隠れる。

怖いひとだったらどうしよう、怒られるかな、石ぶつけられて追い出されるかな。


近づいてきた人たちにお姉様がこの子は私の妹だと宣言して、弱ってるから力を貸して欲しいと訴えている。なんて優しいお姉様だろう、やはりおかあさんに違いない。


集まってきたひとたちもお姉様と同じように私が元気になるようお祈りしてくれた。


それはいいのだけれど、体の奥でなにやらぽっと熱が灯り皮膚から飛び出していきそうなほどに熱い、目の前がぐるぐるしてきた。吐きそう。


「わ!まずい!!力加減間違えた?どうしよう!?」

「あ、あらら?戻し過ぎたかしら」

「これは危険ですね、姉上に診ていただきましょう、この子は私が抱いていきます」


別のひとに抱えなおされ、だっと走ってどこかに運ばれる。とても痛くて苦しい。

運ばれた先にいた方と何やら話しているようだけれども、意識朦朧として聞き取れない。


木漏れ日の中、大きな樹を背景に装飾された小枝を携えた優しそうな顔をした女性が、こちらに手をかざすのがうっすら見える。巫女様達もよく儀式の時に似たようなものを使っていらっしゃったけど、それよりもかなり清浄とした雰囲気を醸し出している。


「もう大丈夫ですよ、何も考えず安心してお眠りなさい」


言われるままわたしはあっさり意識を手放した。

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2022/2/1
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