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のみこむ

作者:桜宮 雨

 「酒は百薬の長って言うけど、結局はクスリだよね。」

 寂れたバーのカウンターで、隣に座った君が呟く。

 突然のその言葉に、5杯目のスコッチをあおりながら、軽く笑った。

 「ただの毒に決まってるだろ。」

 強烈なスコッチが体全体に広がり、脳に抜ける。ふわふわとして気持ちがいい。
 この快感を毒と言わずに、何を毒と言うのだろうか。酒なんか、依存性のあるただの薬物だ。

 顔を見ずにそう答えると、君も再びこちらを見ずに言葉を発する。

 「じゃあ、アンタは何で飲んでるの?」

 それでも飲まなきゃやってられない時があるのが人間じゃないか。
 そんな言葉が喉元までせり上がってきたが、何となく情けないような気がして、咄嗟に飲み込む。

 こうやって、色々のみ込んできた。

 苦痛、悔しさ、嫉妬、不満。…そして、寂しさ。
これらを流し込んで忘れさせるのが、酒の役割だ。

 そう、君に言えないこの想いも。

 バシャという音と共に、唐突に君が飲みかけの液体をぶっかけてきた。
 それがアルコールではないことに、漂う甘い香りで気がつく。

 「意気地なし。」

 驚いて見上げた君の、真っすぐな視線が、眼球を通して脳に抜けた。


 のみこむ
 (本当にのみたいものは)

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